以下の3つの命題を示す問題です。 (1) 収束列は有界列である。 (2) 有界列の任意の部分列も有界列である。 (3) 収束列の任意の部分列も収束列である。

1. 問題の内容

以下の3つの命題を示す問題です。

(1) 収束列は有界列である。

(2) 有界列の任意の部分列も有界列である。

(3) 収束列の任意の部分列も収束列である。

2. 解き方の手順

(1) 収束列は有界列であることの証明

数列 $\{a_n\}$ が $a$ に収束すると仮定します。

このとき、任意の正数 $\epsilon$ に対して、ある自然数 $N$ が存在し、$n > N$ ならば $|a_n - a| < \epsilon$ が成り立ちます。

特に、$\epsilon = 1$ とすると、ある自然数 $N$ が存在し、$n > N$ ならば $|a_n - a| < 1$ が成り立ちます。

したがって、$n > N$ ならば $|a_n| = |a_n - a + a| \le |a_n - a| + |a| < 1 + |a|$ となります。

そこで、$M = \max\{|a_1|, |a_2|, \dots, |a_N|, 1 + |a|\}$ とおくと、任意の $n$ に対して $|a_n| \le M$ が成り立ちます。

したがって、数列 $\{a_n\}$ は有界列です。

(2) 有界列の任意の部分列も有界列であることの証明

数列 $\{a_n\}$ が有界列であると仮定します。このとき、ある正数 $M$ が存在し、任意の $n$ に対して $|a_n| \le M$ が成り立ちます。

数列 $\{a_n\}$ の任意の部分列を $\{a_{n_k}\}$ とします。

このとき、$n_k$ は $k$ に関して単調増加な自然数列であるため、$|a_{n_k}| \le M$ が任意の $k$ に対して成り立ちます。

したがって、部分列 $\{a_{n_k}\}$ も有界列です。

(3) 収束列の任意の部分列も収束列であることの証明

数列 $\{a_n\}$ が $a$ に収束すると仮定します。このとき、任意の正数 $\epsilon$ に対して、ある自然数 $N$ が存在し、$n > N$ ならば $|a_n - a| < \epsilon$ が成り立ちます。

数列 $\{a_n\}$ の任意の部分列を $\{a_{n_k}\}$ とします。

$n_k$ は $k$ に関して単調増加な自然数列であるため、任意の自然数 $N$ に対して、ある自然数 $K$ が存在し、$k > K$ ならば $n_k > N$ が成り立ちます。

したがって、$k > K$ ならば $|a_{n_k} - a| < \epsilon$ が成り立ちます。

これは、部分列 $\{a_{n_k}\}$ が $a$ に収束することを意味します。

3. 最終的な答え

(1) 収束列は有界列である。（証明終）

(2) 有界列の任意の部分列も有界列である。（証明終）

(3) 収束列の任意の部分列も収束列である。（証明終）