直角三角形ABCにおいて、$AB=3$, $BC=4$, $CA=5$である。三角形ABCの内接円の中心をIとし、内接円とABの接点をHとする。また、直線AIと内接円との交点をP,Q、辺BCとの交点をDとする。ただし、$AP<AQ$とする。 (1) 線分BHの長さを求めよ。 (2) 線分ADの長さを求めよ。 (3) 線分APの長さを求めよ。

幾何学直角三角形内接円角の二等分線方べきの定理
2025/7/3

1. 問題の内容

直角三角形ABCにおいて、AB=3AB=3, BC=4BC=4, CA=5CA=5である。三角形ABCの内接円の中心をIとし、内接円とABの接点をHとする。また、直線AIと内接円との交点をP,Q、辺BCとの交点をDとする。ただし、AP<AQAP<AQとする。
(1) 線分BHの長さを求めよ。
(2) 線分ADの長さを求めよ。
(3) 線分APの長さを求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 線分BHの長さ
内接円と三角形の各辺との接点について、AH=APAH=AP, BH=BQBH=BQ, CQ=CRCQ=CR が成り立つ。また、AB+BC+CA=3+4+5=12AB+BC+CA=3+4+5=12である。内接円の半径をrとすると、三角形ABCの面積は12×3×4=6\frac{1}{2} \times 3 \times 4 = 6。また、6=12r(AB+BC+CA)=12r(12)=6r6 = \frac{1}{2}r(AB+BC+CA) = \frac{1}{2}r(12) = 6rより、r=1r=1となる。
したがって、AH=ABBH=3BHAH=AB-BH=3-BHBC=BH+CD=4BC=BH+CD=4AC=5AC=5
ここで、AH=x,BH=y,CD=zAH=x, BH=y, CD=zとすると、x+y=3,y+z=4,z+x=5x+y=3, y+z=4, z+x=5となる。
これを解くと、x=2,y=1,z=3x=2, y=1, z=3となる。
よって、BH=1BH=1となる。
(2) 線分ADの長さ
角の二等分線の性質より、BD:CD=AB:AC=3:5BD:CD=AB:AC=3:5となる。
また、BC=4BC=4なので、BD=33+5×4=38×4=32BD=\frac{3}{3+5} \times 4 = \frac{3}{8} \times 4 = \frac{3}{2}
CD=53+5×4=58×4=52CD=\frac{5}{3+5} \times 4 = \frac{5}{8} \times 4 = \frac{5}{2}
三角形ABDについて、余弦定理より
AD2=AB2+BD22×AB×BD×cosBAD^2 = AB^2 + BD^2 - 2 \times AB \times BD \times \cos{B}
cosB=ABBC=35\cos{B} = \frac{AB}{BC} = \frac{3}{5}なので
AD2=32+(32)22×3×32×35=9+94275=180+4510820=11720AD^2 = 3^2 + (\frac{3}{2})^2 - 2 \times 3 \times \frac{3}{2} \times \frac{3}{5} = 9 + \frac{9}{4} - \frac{27}{5} = \frac{180+45-108}{20} = \frac{117}{20}
AD=11720=9×134×5=32135=36510AD = \sqrt{\frac{117}{20}} = \sqrt{\frac{9 \times 13}{4 \times 5}} = \frac{3}{2} \sqrt{\frac{13}{5}} = \frac{3\sqrt{65}}{10}
別解:
三角形ABCの面積は6である。
三角形ABIの面積は12×AB×r=12×3×1=32\frac{1}{2} \times AB \times r = \frac{1}{2} \times 3 \times 1 = \frac{3}{2}
三角形ACIの面積は12×AC×r=12×5×1=52\frac{1}{2} \times AC \times r = \frac{1}{2} \times 5 \times 1 = \frac{5}{2}
三角形BCIの面積は12×BC×r=12×4×1=2\frac{1}{2} \times BC \times r = \frac{1}{2} \times 4 \times 1 = 2
AIはBAC\angle BACの二等分線であるから、ADADBAC\angle BACの二等分線である。
BD:CD=AB:AC=3:5BD:CD = AB:AC = 3:5
BD=38BC=38×4=32BD = \frac{3}{8}BC = \frac{3}{8} \times 4 = \frac{3}{2}
CD=58BC=58×4=52CD = \frac{5}{8}BC = \frac{5}{8} \times 4 = \frac{5}{2}
三角形ABDにおいて、AB=3,BD=32AB=3, BD=\frac{3}{2}ABC=θ\angle ABC = \thetaとする。
cosθ=ABBC=35\cos\theta = \frac{AB}{BC} = \frac{3}{5}
AD2=AB2+BD22×AB×BD×cosθ=32+(32)22×3×32×35=9+94275=180+4510820=11720AD^2 = AB^2+BD^2 - 2 \times AB \times BD \times \cos\theta = 3^2+(\frac{3}{2})^2 - 2 \times 3 \times \frac{3}{2} \times \frac{3}{5} = 9 + \frac{9}{4} - \frac{27}{5} = \frac{180+45-108}{20} = \frac{117}{20}
AD=11720=31325=36510AD = \sqrt{\frac{117}{20}} = \frac{3\sqrt{13}}{2\sqrt{5}} = \frac{3\sqrt{65}}{10}
(3) 線分APの長さ
AIAIBAC\angle BACの二等分線であるから、BAI=12BAC\angle BAI = \frac{1}{2} \angle BACとなる。
三角形ABCは直角三角形なので、BAC=90\angle BAC = 90^{\circ}。したがって、BAI=45\angle BAI = 45^{\circ}となる。
tan45=IHAH=1\tan{45^{\circ}} = \frac{IH}{AH} = 1なので、AH=IH=r=1AH = IH = r = 1
AI=AH2+IH2=12+12=2AI = \sqrt{AH^2 + IH^2} = \sqrt{1^2+1^2} = \sqrt{2}
AP×AQ=(AIr)(AI+r)=AI2r2AP \times AQ = (AI-r)(AI+r) = AI^2-r^2
ここで、AP+AQ=AIAP+AQ=AIとはならない。
方べきの定理を利用する。APAQ=AH2=1AP \cdot AQ = AH^2 = 1
また、AP<AQAP<AQより、AP=AIr=21,AQ=AI+r=2+1AP = AI - r = \sqrt{2}-1, AQ = AI + r = \sqrt{2}+1
AP=21AP = \sqrt{2} - 1

3. 最終的な答え

(1) 線分BHの長さ: 1
(2) 線分ADの長さ: 36510\frac{3\sqrt{65}}{10}
(3) 線分APの長さ: 21\sqrt{2}-1

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