行列の階数は、その行列の線形独立な行(または列)の最大数です。行基本変形(行簡約化)によって階段行列に変形し、0でない行の数を数えることで階数を求めることができます。
(1) 行列 12110−2211 について、行基本変形を行います。 まず、2行目から1行目の2倍を引き、3行目から1行目を引きます。
1001−2−32−3−1 次に、3行目から2行目の3/2倍を引きます。
1001−202−37/2 この階段行列には0でない行が3つあるため、階数は3です。
(2) 行列 21112111a について、行列式を計算します。 21112111a=2(2a−1)−1(a−1)+1(1−2)=4a−2−a+1−1=3a−2 3a−2=0 のとき、a=32 となります。このとき、行列式は0となり、階数は3未満になります。 a=32 のとき、行列式は0でなく、階数は3です。 a=32 のとき、行列は 211121112/3 となります。 1行目から2行目の2倍を引くと、011−321−112/3 2行目から3行目を引くと、20111111/32/3 211121112/3→1121212/311→10011−12/31/3−1/3→1001102/31/30 したがって、a=32 のとき、階数は2です。 (3) 行列 1212−13−1−12−1514065 について、行基本変形を行います。 2行目から1行目の2倍を引き、3行目から1行目を引き、4行目から1行目の2倍を引きます。
1000−15012−53−34−82−3 4行目と2行目を入れ替えます。
1000−11052−33−54−32−8 4行目から2行目の5倍を引きます。
1000−11002−33104−327 4行目から3行目の10/3倍を引きます。
1000−11002−3304−321/3 この階段行列には0でない行が4つあるため、階数は4です。