サイコロを $n$ 回投げ、$k$ 回目に出る目を $X_k$ とします。積 $X_1 X_2 \cdots X_n$ を3で割ったときの余りが1である確率を求めます。 (1) 積が3の倍数である確率を求めます。 (2) 積を3で割った余りが2である確率を求めます。

確率論・統計学確率サイコロ漸化式余り
2025/7/11

1. 問題の内容

サイコロを nn 回投げ、kk 回目に出る目を XkX_k とします。積 X1X2XnX_1 X_2 \cdots X_n を3で割ったときの余りが1である確率を求めます。
(1) 積が3の倍数である確率を求めます。
(2) 積を3で割った余りが2である確率を求めます。

2. 解き方の手順

(1) 積 X1X2XnX_1 X_2 \cdots X_n が3の倍数である確率は、全体から3の倍数が出ない確率を引くことで求められます。1回の試行で3の倍数が出る確率は 26=13\frac{2}{6} = \frac{1}{3} なので、3の倍数が出ない確率は 113=231 - \frac{1}{3} = \frac{2}{3} です。したがって、nn 回の試行で一度も3の倍数が出ない確率は (23)n(\frac{2}{3})^n です。よって、積が3の倍数である確率は 1(23)n1 - (\frac{2}{3})^n です。
(2) 積を3で割った余りが2である確率は、1回以上、余りが2である数(2,5)が出ない確率を全体から引くことで求めるという考え方をしているようですが、この考え方ではうまくいきません。
まず、3で割った余りが1となる確率を PnP_n、余りが2となる確率を QnQ_n、割り切れる確率(余りが0)を RnR_n とします。
Pn+Qn+Rn=1P_n + Q_n + R_n = 1 が成り立ちます。
P1=26=13P_1 = \frac{2}{6} = \frac{1}{3} (1,4が出る)
Q1=26=13Q_1 = \frac{2}{6} = \frac{1}{3} (2,5が出る)
R1=26=13R_1 = \frac{2}{6} = \frac{1}{3} (3,6が出る)
Pn+1P_{n+1} を求めます。X1X2XnX_1X_2\dots X_n を3で割った余りが 1 のとき、Xn+1X_{n+1} が 1, 4 (余り1) ならば、X1X2Xn+1X_1X_2\dots X_{n+1} の余りは 1 となり、Xn+1X_{n+1} が 2, 5 (余り2) ならば、余りは 2 となり、Xn+1X_{n+1} が 3, 6 (余り0) ならば、余りは 0 となります。
同様に、X1X2XnX_1X_2\dots X_n を3で割った余りが 2 のとき、Xn+1X_{n+1} が 1, 4 (余り1) ならば、X1X2Xn+1X_1X_2\dots X_{n+1} の余りは 2 となり、Xn+1X_{n+1} が 2, 5 (余り2) ならば、余りは 1 となり、Xn+1X_{n+1} が 3, 6 (余り0) ならば、余りは 0 となります。
X1X2XnX_1X_2\dots X_n が3で割り切れるならば、Xn+1X_{n+1} が何であっても X1X2Xn+1X_1X_2\dots X_{n+1} は3で割り切れます。
したがって、以下の漸化式が得られます。
Pn+1=Pn13+Qn13P_{n+1} = P_n \cdot \frac{1}{3} + Q_n \cdot \frac{1}{3}
Qn+1=Pn13+Qn13Q_{n+1} = P_n \cdot \frac{1}{3} + Q_n \cdot \frac{1}{3}
Rn+1=Pn13+Qn13+RnR_{n+1} = P_n \cdot \frac{1}{3} + Q_n \cdot \frac{1}{3} + R_n
Pn+1=Qn+1P_{n+1}=Q_{n+1}より、Pn=QnP_n=Q_n (n1n \ge 1) が成り立ちます。
よって、Pn+Qn+Rn=1P_n + Q_n + R_n = 1 より、2Pn+Rn=12 P_n + R_n = 1 です。
また、Pn+1=Pn13+Qn13=Pn23P_{n+1} = P_n \cdot \frac{1}{3} + Q_n \cdot \frac{1}{3} = P_n \cdot \frac{2}{3} となります。
これから Pn=(23)n1P1=(23)n113P_n = (\frac{2}{3})^{n-1} P_1 = (\frac{2}{3})^{n-1} \cdot \frac{1}{3} です。
求める答えは QnQ_n ですので、Qn=Pn=13(23)n1Q_n = P_n = \frac{1}{3}(\frac{2}{3})^{n-1}

3. 最終的な答え

(1) 積が3の倍数である確率: 1(23)n1 - (\frac{2}{3})^n
(2) 積を3で割った余りが2である確率: 13(23)n1\frac{1}{3} (\frac{2}{3})^{n-1}

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