(1) 積 X1X2⋯Xn が3の倍数である確率は、全体から3の倍数が出ない確率を引くことで求められます。1回の試行で3の倍数が出る確率は 62=31 なので、3の倍数が出ない確率は 1−31=32 です。したがって、n 回の試行で一度も3の倍数が出ない確率は (32)n です。よって、積が3の倍数である確率は 1−(32)n です。 (2) 積を3で割った余りが2である確率は、1回以上、余りが2である数(2,5)が出ない確率を全体から引くことで求めるという考え方をしているようですが、この考え方ではうまくいきません。
まず、3で割った余りが1となる確率を Pn、余りが2となる確率を Qn、割り切れる確率(余りが0)を Rn とします。 Pn+Qn+Rn=1 が成り立ちます。 P1=62=31 (1,4が出る) Q1=62=31 (2,5が出る) R1=62=31 (3,6が出る) Pn+1 を求めます。X1X2…Xn を3で割った余りが 1 のとき、Xn+1 が 1, 4 (余り1) ならば、X1X2…Xn+1 の余りは 1 となり、Xn+1 が 2, 5 (余り2) ならば、余りは 2 となり、Xn+1 が 3, 6 (余り0) ならば、余りは 0 となります。 同様に、X1X2…Xn を3で割った余りが 2 のとき、Xn+1 が 1, 4 (余り1) ならば、X1X2…Xn+1 の余りは 2 となり、Xn+1 が 2, 5 (余り2) ならば、余りは 1 となり、Xn+1 が 3, 6 (余り0) ならば、余りは 0 となります。 X1X2…Xn が3で割り切れるならば、Xn+1 が何であっても X1X2…Xn+1 は3で割り切れます。 したがって、以下の漸化式が得られます。
Pn+1=Pn⋅31+Qn⋅31 Qn+1=Pn⋅31+Qn⋅31 Rn+1=Pn⋅31+Qn⋅31+Rn Pn+1=Qn+1より、Pn=Qn (n≥1) が成り立ちます。 よって、Pn+Qn+Rn=1 より、2Pn+Rn=1 です。 また、Pn+1=Pn⋅31+Qn⋅31=Pn⋅32 となります。 これから Pn=(32)n−1P1=(32)n−1⋅31 です。 求める答えは Qn ですので、Qn=Pn=31(32)n−1