数列全体のなすベクトル空間 $R^N = \{ \{a_n\} | a_n \in R\}$ の部分空間 $W$ を、3項間漸化式 $a_{n+2} = a_{n+1} + a_n$ を満たす数列全体 $W = \{ \{a_n\} | \text{すべての自然数 $n$ について } a_{n+2} = a_{n+1} + a_n \}$ として定義する。線形写像 $f: W \rightarrow R^2$ を $f(\{a_n\}) = \begin{bmatrix} a_1 \\ a_2 \end{bmatrix}$ で定める。 $f: W \rightarrow R^2$ が同型写像であることを示す。
2025/7/13
1. 問題の内容
数列全体のなすベクトル空間 の部分空間 を、3項間漸化式 を満たす数列全体
W = \{ \{a_n\} | \text{すべての自然数 n について } a_{n+2} = a_{n+1} + a_n \}
として定義する。線形写像 を で定める。
が同型写像であることを示す。
2. 解き方の手順
同型写像であることを示すには、 が線形であり、かつ全単射であることを示す必要があります。
問題文より、 が線形写像であることはすでに与えられているので、 が全単射であることを示します。
(1) が単射であることを示す
であると仮定します。すなわち、 かつ であるとします。
数列 は漸化式 を満たすので、、同様に 、…となります。
したがって、すべての に対して となり、数列 はゼロ数列 となります。
これは、 の核が であることを意味するので、 は単射です。
(2) が全射であることを示す
任意の を考えます。
数列 を , となるように定義し、さらに漸化式 を満たすように定義します。
このとき、 となるので、任意の に対して、ある数列 が存在します。
したがって、 は全射です。
(3) が同型写像であることの結論
は線形写像であり、かつ単射であり、かつ全射なので、 は同型写像です。
3. 最終的な答え
は同型写像である。