与えられた3つの関数について、原点(0,0)における連続性を調べます。関数はそれぞれ以下のように定義されています。 (1) $ f(x,y) = \begin{cases} \frac{x^2 - y^2}{\sqrt{x^2 + y^2}} & (x,y) \neq (0,0) \\ 0 & (x,y) = (0,0) \end{cases} $ (2) $ f(x,y) = \begin{cases} \frac{xy^2}{x^2 + y^4} & (x,y) \neq (0,0) \\ 0 & (x,y) = (0,0) \end{cases} $ (3) $ f(x,y) = \begin{cases} x\sin\frac{y}{x} & x \neq 0 \\ 0 & x = 0 \end{cases} $

解析学多変数関数連続性極限
2025/7/14

1. 問題の内容

与えられた3つの関数について、原点(0,0)における連続性を調べます。関数はそれぞれ以下のように定義されています。
(1)
f(x,y)={x2y2x2+y2(x,y)(0,0)0(x,y)=(0,0) f(x,y) = \begin{cases} \frac{x^2 - y^2}{\sqrt{x^2 + y^2}} & (x,y) \neq (0,0) \\ 0 & (x,y) = (0,0) \end{cases}
(2)
f(x,y)={xy2x2+y4(x,y)(0,0)0(x,y)=(0,0) f(x,y) = \begin{cases} \frac{xy^2}{x^2 + y^4} & (x,y) \neq (0,0) \\ 0 & (x,y) = (0,0) \end{cases}
(3)
f(x,y)={xsinyxx00x=0 f(x,y) = \begin{cases} x\sin\frac{y}{x} & x \neq 0 \\ 0 & x = 0 \end{cases}

2. 解き方の手順

関数の連続性を調べるには、極限値 lim(x,y)(0,0)f(x,y)\lim_{(x,y)\to (0,0)} f(x,y) が存在し、その値が f(0,0)f(0,0) と一致することを確認する必要があります。
(1) 極座標変換 x=rcosθx = r\cos\theta, y=rsinθy = r\sin\theta を用います。すると、
x2y2x2+y2=r2cos2θr2sin2θr2=r2(cos2θsin2θ)r=r(cos2θsin2θ)=rcos(2θ) \frac{x^2 - y^2}{\sqrt{x^2 + y^2}} = \frac{r^2\cos^2\theta - r^2\sin^2\theta}{\sqrt{r^2}} = \frac{r^2(\cos^2\theta - \sin^2\theta)}{r} = r(\cos^2\theta - \sin^2\theta) = r\cos(2\theta)
r0r \to 0のとき、rcos(2θ)r0|r\cos(2\theta)| \leq r \to 0 なので、lim(x,y)(0,0)f(x,y)=0=f(0,0)\lim_{(x,y)\to (0,0)} f(x,y) = 0 = f(0,0)。したがって、(1)は連続です。
(2) y2=axy^2 = ax となるような経路に沿って (0,0)(0,0) に近づくと、
lim(x,y)(0,0)xy2x2+y4=limx0x(ax)x2+(ax)2=limx0ax2x2+a2x2=limx0a1+a2=a1+a2 \lim_{(x,y)\to (0,0)} \frac{xy^2}{x^2 + y^4} = \lim_{x\to 0} \frac{x(ax)}{x^2 + (ax)^2} = \lim_{x\to 0} \frac{ax^2}{x^2 + a^2x^2} = \lim_{x\to 0} \frac{a}{1 + a^2} = \frac{a}{1 + a^2}
この値は aa に依存するので、極限値は存在しません。したがって、(2)は不連続です。
(3) x0x \neq 0のとき、
xsinyxx |x\sin\frac{y}{x}| \leq |x|
(x,y)(0,0)(x,y)\to (0,0)のとき、x0|x| \to 0なので、lim(x,y)(0,0)xsinyx=0=f(0,0)\lim_{(x,y)\to (0,0)} x\sin\frac{y}{x} = 0 = f(0,0)。したがって、(3)は連続です。

3. 最終的な答え

(1) 連続
(2) 不連続
(3) 連続

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