以下の2階線形非同次微分方程式を初期条件 $y(0) = 1$, $y'(0) = 1$ のもとで解きます。 $y'' - 3y' + 2y = 1$

解析学微分方程式2階線形微分方程式初期条件特性方程式
2025/7/14
## (5) の問題

1. 問題の内容

以下の2階線形非同次微分方程式を初期条件 y(0)=1y(0) = 1, y(0)=1y'(0) = 1 のもとで解きます。
y3y+2y=1y'' - 3y' + 2y = 1

2. 解き方の手順

まず、同次方程式 y3y+2y=0y'' - 3y' + 2y = 0 を解きます。特性方程式は r23r+2=0r^2 - 3r + 2 = 0 となり、これは (r1)(r2)=0(r - 1)(r - 2) = 0 と因数分解できます。したがって、特性根は r1=1r_1 = 1r2=2r_2 = 2 です。同次方程式の一般解は次のようになります。
yh(x)=c1ex+c2e2xy_h(x) = c_1e^x + c_2e^{2x}
次に、非同次方程式の特殊解を求めます。右辺が定数なので、特殊解を yp(x)=Ay_p(x) = AAAは定数)と仮定します。これを微分方程式に代入すると、 00+2A=10 - 0 + 2A = 1 となり、A=12A = \frac{1}{2} となります。したがって、特殊解は yp(x)=12y_p(x) = \frac{1}{2} です。
微分方程式の一般解は、同次方程式の一般解と特殊解の和で与えられます。
y(x)=yh(x)+yp(x)=c1ex+c2e2x+12y(x) = y_h(x) + y_p(x) = c_1e^x + c_2e^{2x} + \frac{1}{2}
次に、初期条件 y(0)=1y(0) = 1y(0)=1y'(0) = 1 を使って定数 c1c_1c2c_2 を決定します。
y(0)=c1e0+c2e0+12=c1+c2+12=1y(0) = c_1e^0 + c_2e^{0} + \frac{1}{2} = c_1 + c_2 + \frac{1}{2} = 1
c1+c2=12c_1 + c_2 = \frac{1}{2}
y(x)=c1ex+2c2e2xy'(x) = c_1e^x + 2c_2e^{2x}
y(0)=c1e0+2c2e0=c1+2c2=1y'(0) = c_1e^0 + 2c_2e^{0} = c_1 + 2c_2 = 1
連立方程式
c1+c2=12c_1 + c_2 = \frac{1}{2}
c1+2c2=1c_1 + 2c_2 = 1
を解きます。
2番目の式から1番目の式を引くと、c2=12c_2 = \frac{1}{2} となります。これを1番目の式に代入すると、c1+12=12c_1 + \frac{1}{2} = \frac{1}{2} となり、c1=0c_1 = 0 となります。
したがって、解は次のようになります。
y(x)=0ex+12e2x+12=12e2x+12y(x) = 0e^x + \frac{1}{2}e^{2x} + \frac{1}{2} = \frac{1}{2}e^{2x} + \frac{1}{2}

3. 最終的な答え

y(x)=12e2x+12y(x) = \frac{1}{2}e^{2x} + \frac{1}{2}
## (6) の問題

1. 問題の内容

以下の2階線形非同次微分方程式を初期条件 y(0)=1y(0) = 1, y(0)=0y'(0) = 0 のもとで解きます。
y2y+3y=1y'' - 2y' + 3y = 1

2. 解き方の手順

まず、同次方程式 y2y+3y=0y'' - 2y' + 3y = 0 を解きます。特性方程式は r22r+3=0r^2 - 2r + 3 = 0 となります。解の公式より、r=2±4122=2±82=1±i2r = \frac{2 \pm \sqrt{4 - 12}}{2} = \frac{2 \pm \sqrt{-8}}{2} = 1 \pm i\sqrt{2} となります。したがって、特性根は r1=1+i2r_1 = 1 + i\sqrt{2}r2=1i2r_2 = 1 - i\sqrt{2} です。同次方程式の一般解は次のようになります。
yh(x)=ex(c1cos(2x)+c2sin(2x))y_h(x) = e^x(c_1\cos(\sqrt{2}x) + c_2\sin(\sqrt{2}x))
次に、非同次方程式の特殊解を求めます。右辺が定数なので、特殊解を yp(x)=Ay_p(x) = AAAは定数)と仮定します。これを微分方程式に代入すると、 00+3A=10 - 0 + 3A = 1 となり、A=13A = \frac{1}{3} となります。したがって、特殊解は yp(x)=13y_p(x) = \frac{1}{3} です。
微分方程式の一般解は、同次方程式の一般解と特殊解の和で与えられます。
y(x)=yh(x)+yp(x)=ex(c1cos(2x)+c2sin(2x))+13y(x) = y_h(x) + y_p(x) = e^x(c_1\cos(\sqrt{2}x) + c_2\sin(\sqrt{2}x)) + \frac{1}{3}
次に、初期条件 y(0)=1y(0) = 1y(0)=0y'(0) = 0 を使って定数 c1c_1c2c_2 を決定します。
y(0)=e0(c1cos(0)+c2sin(0))+13=c1+13=1y(0) = e^0(c_1\cos(0) + c_2\sin(0)) + \frac{1}{3} = c_1 + \frac{1}{3} = 1
c1=23c_1 = \frac{2}{3}
y(x)=ex(c1cos(2x)+c2sin(2x))+ex(c12sin(2x)+c22cos(2x))y'(x) = e^x(c_1\cos(\sqrt{2}x) + c_2\sin(\sqrt{2}x)) + e^x(-c_1\sqrt{2}\sin(\sqrt{2}x) + c_2\sqrt{2}\cos(\sqrt{2}x))
y(x)=ex((c1+2c2)cos(2x)+(c22c1)sin(2x))y'(x) = e^x((c_1 + \sqrt{2}c_2)\cos(\sqrt{2}x) + (c_2 - \sqrt{2}c_1)\sin(\sqrt{2}x))
y(0)=(c1+2c2)=0y'(0) = (c_1 + \sqrt{2}c_2) = 0
23+2c2=0\frac{2}{3} + \sqrt{2}c_2 = 0
c2=232=23c_2 = -\frac{2}{3\sqrt{2}} = -\frac{\sqrt{2}}{3}
したがって、解は次のようになります。
y(x)=ex(23cos(2x)23sin(2x))+13y(x) = e^x(\frac{2}{3}\cos(\sqrt{2}x) - \frac{\sqrt{2}}{3}\sin(\sqrt{2}x)) + \frac{1}{3}

3. 最終的な答え

y(x)=ex(23cos(2x)23sin(2x))+13y(x) = e^x(\frac{2}{3}\cos(\sqrt{2}x) - \frac{\sqrt{2}}{3}\sin(\sqrt{2}x)) + \frac{1}{3}

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