関数 $f(t)$ が与えられています。 $ f(t) = \begin{cases} 0 & (0 < t < 3) \\ (t-3)^2 & (t \geq 3) \end{cases} $ この関数のラプラス変換 $F(s) = \mathcal{L}[f(t)]$ を求める問題です。

応用数学ラプラス変換微分方程式ステップ関数デルタ関数
2025/7/15
## 問題1

1. 問題の内容

関数 f(t)f(t) が与えられています。
f(t)={0(0<t<3)(t3)2(t3) f(t) = \begin{cases} 0 & (0 < t < 3) \\ (t-3)^2 & (t \geq 3) \end{cases}
この関数のラプラス変換 F(s)=L[f(t)]F(s) = \mathcal{L}[f(t)] を求める問題です。

2. 解き方の手順

まず、f(t)f(t) をステップ関数を用いて表します。u(t)u(t) をヘビサイドのステップ関数とすると、
f(t)=(t3)2u(t3) f(t) = (t-3)^2 u(t-3)
となります。
次に、ラプラス変換の性質を利用します。tt に関する関数 g(t)g(t) について、
L[g(ta)u(ta)]=easG(s) \mathcal{L}[g(t-a)u(t-a)] = e^{-as}G(s)
ここで、G(s)=L[g(t)]G(s) = \mathcal{L}[g(t)] です。
今回の問題では、g(t)=t2g(t) = t^2 であり、a=3a = 3 です。
g(t)=t2g(t) = t^2 のラプラス変換は、
L[t2]=2s3 \mathcal{L}[t^2] = \frac{2}{s^3}
したがって、G(s)=2s3G(s) = \frac{2}{s^3} となります。
これらを合わせて、
L[f(t)]=L[(t3)2u(t3)]=e3s2s3 \mathcal{L}[f(t)] = \mathcal{L}[(t-3)^2 u(t-3)] = e^{-3s} \frac{2}{s^3}

3. 最終的な答え

F(s)=2e3ss3 F(s) = \frac{2e^{-3s}}{s^3}
## 問題2

1. 問題の内容

次の微分方程式をラプラス変換を用いて解く問題です。
yy6y=0,y(0)=1,y(0)=2 y'' - y' - 6y = 0, \quad y(0) = 1, \quad y'(0) = 2

2. 解き方の手順

まず、与えられた微分方程式の両辺をラプラス変換します。
L[y]=s2Y(s)sy(0)y(0)=s2Y(s)s2\mathcal{L}[y''] = s^2Y(s) - sy(0) - y'(0) = s^2Y(s) - s - 2
L[y]=sY(s)y(0)=sY(s)1\mathcal{L}[y'] = sY(s) - y(0) = sY(s) - 1
L[y]=Y(s)\mathcal{L}[y] = Y(s)
ここで、Y(s)=L[y(t)]Y(s) = \mathcal{L}[y(t)] です。
したがって、ラプラス変換された方程式は次のようになります。
(s2Y(s)s2)(sY(s)1)6Y(s)=0 (s^2Y(s) - s - 2) - (sY(s) - 1) - 6Y(s) = 0
これを整理すると、
(s2s6)Y(s)=s+1 (s^2 - s - 6)Y(s) = s + 1
Y(s)=s+1s2s6=s+1(s3)(s+2) Y(s) = \frac{s+1}{s^2 - s - 6} = \frac{s+1}{(s-3)(s+2)}
部分分数分解を行います。
s+1(s3)(s+2)=As3+Bs+2 \frac{s+1}{(s-3)(s+2)} = \frac{A}{s-3} + \frac{B}{s+2}
s+1=A(s+2)+B(s3) s+1 = A(s+2) + B(s-3)
s=3s=3 のとき、4=5A4 = 5A より、A=45A = \frac{4}{5}
s=2s=-2 のとき、1=5B-1 = -5B より、B=15B = \frac{1}{5}
したがって、
Y(s)=4/5s3+1/5s+2 Y(s) = \frac{4/5}{s-3} + \frac{1/5}{s+2}
逆ラプラス変換を行います。
y(t)=L1[Y(s)]=L1[4/5s3]+L1[1/5s+2] y(t) = \mathcal{L}^{-1}[Y(s)] = \mathcal{L}^{-1}\left[\frac{4/5}{s-3}\right] + \mathcal{L}^{-1}\left[\frac{1/5}{s+2}\right]
y(t)=45e3t+15e2t y(t) = \frac{4}{5}e^{3t} + \frac{1}{5}e^{-2t}

3. 最終的な答え

y(t)=45e3t+15e2t y(t) = \frac{4}{5}e^{3t} + \frac{1}{5}e^{-2t}
## 問題3

1. 問題の内容

次の微分方程式をラプラス変換を用いて解く問題です。
yy6y=δ(t),y(0)=1,y(0)=2 y'' - y' - 6y = \delta(t), \quad y(0) = 1, \quad y'(0) = 2
ここで δ(t)\delta(t) はデルタ関数であり、L[δ(t)]=1\mathcal{L}[\delta(t)] = 1 です。

2. 解き方の手順

問題2と同様に、与えられた微分方程式の両辺をラプラス変換します。
L[y]=s2Y(s)sy(0)y(0)=s2Y(s)s2\mathcal{L}[y''] = s^2Y(s) - sy(0) - y'(0) = s^2Y(s) - s - 2
L[y]=sY(s)y(0)=sY(s)1\mathcal{L}[y'] = sY(s) - y(0) = sY(s) - 1
L[y]=Y(s)\mathcal{L}[y] = Y(s)
L[δ(t)]=1\mathcal{L}[\delta(t)] = 1
ここで、Y(s)=L[y(t)]Y(s) = \mathcal{L}[y(t)] です。
したがって、ラプラス変換された方程式は次のようになります。
(s2Y(s)s2)(sY(s)1)6Y(s)=1 (s^2Y(s) - s - 2) - (sY(s) - 1) - 6Y(s) = 1
これを整理すると、
(s2s6)Y(s)=s+3 (s^2 - s - 6)Y(s) = s + 3
Y(s)=s+3s2s6=s+3(s3)(s+2) Y(s) = \frac{s+3}{s^2 - s - 6} = \frac{s+3}{(s-3)(s+2)}
部分分数分解を行います。
s+3(s3)(s+2)=As3+Bs+2 \frac{s+3}{(s-3)(s+2)} = \frac{A}{s-3} + \frac{B}{s+2}
s+3=A(s+2)+B(s3) s+3 = A(s+2) + B(s-3)
s=3s=3 のとき、6=5A6 = 5A より、A=65A = \frac{6}{5}
s=2s=-2 のとき、1=5B1 = -5B より、B=15B = -\frac{1}{5}
したがって、
Y(s)=6/5s31/5s+2 Y(s) = \frac{6/5}{s-3} - \frac{1/5}{s+2}
逆ラプラス変換を行います。
y(t)=L1[Y(s)]=L1[6/5s3]L1[1/5s+2] y(t) = \mathcal{L}^{-1}[Y(s)] = \mathcal{L}^{-1}\left[\frac{6/5}{s-3}\right] - \mathcal{L}^{-1}\left[\frac{1/5}{s+2}\right]
y(t)=65e3t15e2t y(t) = \frac{6}{5}e^{3t} - \frac{1}{5}e^{-2t}

3. 最終的な答え

y(t)=65e3t15e2t y(t) = \frac{6}{5}e^{3t} - \frac{1}{5}e^{-2t}

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