問題は、テクネチウム99m($^{99m}Tc$)の放射性崩壊に関する3つの問いに答えるものです。 (1) $^{99m}Tc$の崩壊定数を求め、崩壊によって放出される放射線の名前を答えます。 (2) 2.6 ngの$^{99m}Tc$を含む注射剤の放射能をベクレル(Bq)単位で求めます。 (3) $^{99m}Tc$注射剤の有効期限が33時間であるとき、33時間後の放射能が元の放射能の何パーセントか計算します。

応用数学放射性崩壊指数関数半減期ベクレル
2025/7/18

1. 問題の内容

問題は、テクネチウム99m(99mTc^{99m}Tc)の放射性崩壊に関する3つの問いに答えるものです。
(1) 99mTc^{99m}Tcの崩壊定数を求め、崩壊によって放出される放射線の名前を答えます。
(2) 2.6 ngの99mTc^{99m}Tcを含む注射剤の放射能をベクレル(Bq)単位で求めます。
(3) 99mTc^{99m}Tc注射剤の有効期限が33時間であるとき、33時間後の放射能が元の放射能の何パーセントか計算します。

2. 解き方の手順

(1) 崩壊定数の計算と放射線の種類の特定
半減期 T1/2T_{1/2}と崩壊定数 λ\lambda の関係は以下で表されます。
λ=ln2T1/2\lambda = \frac{ln2}{T_{1/2}}
問題文より、99mTc^{99m}Tcの半減期は6時間なので、
λ=0.696=0.115 hr1\lambda = \frac{0.69}{6} = 0.115 \ hr^{-1}
99mTc^{99m}Tcの壊変により放出される放射線は、ガンマ線です。
(2) 放射能の計算
まず、99mTc^{99m}Tcの原子量を99とします。

2. 6 ngの$^{99m}Tc$の物質量(mol)を計算します。

n=2.6×109 g99 g/mol=2.626×1011 moln = \frac{2.6 \times 10^{-9} \ g}{99 \ g/mol} = 2.626 \times 10^{-11} \ mol
99mTc^{99m}Tcの原子数を計算します。アボガドロ定数 NA=6.0×1023 mol1N_A = 6.0 \times 10^{23} \ mol^{-1}を使用します。
N=n×NA=2.626×1011 mol×6.0×1023 mol1=1.5756×1013 atomsN = n \times N_A = 2.626 \times 10^{-11} \ mol \times 6.0 \times 10^{23} \ mol^{-1} = 1.5756 \times 10^{13} \ atoms
放射能 AA は、A=λNA = \lambda N で計算できます。λ\lambda は秒単位に変換する必要があります。
λ=0.115 hr1=0.1153600 s1=3.194×105 s1\lambda = 0.115 \ hr^{-1} = \frac{0.115}{3600} \ s^{-1} = 3.194 \times 10^{-5} \ s^{-1}
A=3.194×105 s1×1.5756×1013 atoms=5.03×108 BqA = 3.194 \times 10^{-5} \ s^{-1} \times 1.5756 \times 10^{13} \ atoms = 5.03 \times 10^{8} \ Bq
(3) 放射能の割合の計算
放射能は時間とともに指数関数的に減少します。
A(t)=A0eλtA(t) = A_0 e^{-\lambda t}
ここで、A(t)A(t) は時間 tt 後の放射能、A0A_0 は初期放射能、λ\lambda は崩壊定数です。
t=33t = 33 時間後の放射能は、
A(33)=A0e0.115×33=A0e3.795A(33) = A_0 e^{-0.115 \times 33} = A_0 e^{-3.795}
e3.7950.0224e^{-3.795} \approx 0.0224
A(33)=0.0224A0A(33) = 0.0224 A_0
したがって、33時間後の放射能は元の放射能の2.24 %です。

3. 最終的な答え

(1) 崩壊定数: 0.115 hr1hr^{-1}、放射線の種類: ガンマ線
(2) 放射能: 5.03×1085.03 \times 10^8 Bq
(3) 放射能の割合: 2.24 %

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