点A(1, 2, 2)を通り、法線ベクトル $\vec{n} = (2, 3, 1)$ を持つ平面$\alpha$と、2点B(7, -4, 1), C(-3, -1, 5)が与えられています。 (1) 2点B, Cが平面$\alpha$に関して同じ側にあることを示してください。 (2) 平面$\alpha$に関して点Bと対称な点B'の座標を求めてください。 (3) 平面$\alpha$上の点で、BP + PCを最小にする点Pの座標を求めてください。

1. 問題の内容

点A(1, 2, 2)を通り、法線ベクトル $\vec{n} = (2, 3, 1)$ を持つ平面$\alpha$と、2点B(7, -4, 1), C(-3, -1, 5)が与えられています。

(1) 2点B, Cが平面$\alpha$に関して同じ側にあることを示してください。

(2) 平面$\alpha$に関して点Bと対称な点B'の座標を求めてください。

(3) 平面$\alpha$上の点で、BP + PCを最小にする点Pの座標を求めてください。

2. 解き方の手順

(1) 平面$\alpha$の方程式を求めます。平面$\alpha$は点A(1, 2, 2)を通り、法線ベクトルが$\vec{n} = (2, 3, 1)$なので、平面$\alpha$の方程式は次のようになります。

$$2(x - 1) + 3(y - 2) + 1(z - 2) = 0$$

これを整理すると、

$$2x + 3y + z - 10 = 0$$

点Bと点Cが平面$\alpha$に関して同じ側にあることを示すためには、平面の方程式にそれぞれの点の座標を代入したときの符号が同じであることを示します。

点B(7, -4, 1)を代入すると、

$$2(7) + 3(-4) + 1 - 10 = 14 - 12 + 1 - 10 = -7 < 0$$

点C(-3, -1, 5)を代入すると、

$$2(-3) + 3(-1) + 5 - 10 = -6 - 3 + 5 - 10 = -14 < 0$$

両方とも負の値なので、点Bと点Cは平面$\alpha$に関して同じ側にあります。

(2) 点B(7, -4, 1)と平面$\alpha: 2x + 3y + z - 10 = 0$に関して対称な点B'(x', y', z')を求めます。

まず、線分BB'が平面$\alpha$に垂直であることから、ベクトル$\vec{BB'}$は法線ベクトル$\vec{n} = (2, 3, 1)$と平行になります。したがって、

$$\vec{BB'} = (x' - 7, y' + 4, z' - 1) = k(2, 3, 1)$$

となる実数kが存在します。これから、

$$x' = 7 + 2k$$

$$y' = -4 + 3k$$

$$z' = 1 + k$$

次に、線分BB'の中点Mが平面$\alpha$上にあることから、Mの座標を求め、平面$\alpha$の方程式に代入します。

Mの座標は、

$$M\left(\frac{7+x'}{2}, \frac{-4+y'}{2}, \frac{1+z'}{2}\right) = \left(\frac{14+2k}{2}, \frac{-8+3k}{2}, \frac{2+k}{2}\right) = \left(7+k, -4+\frac{3}{2}k, 1+\frac{1}{2}k\right)$$

これを平面$\alpha$の方程式に代入すると、

$$2(7+k) + 3\left(-4+\frac{3}{2}k\right) + \left(1+\frac{1}{2}k\right) - 10 = 0$$

$$14 + 2k - 12 + \frac{9}{2}k + 1 + \frac{1}{2}k - 10 = 0$$

$$5k - 7 = 0$$

$$k = \frac{7}{5}$$

したがって、

$$x' = 7 + 2\left(\frac{7}{5}\right) = 7 + \frac{14}{5} = \frac{49}{5}$$

$$y' = -4 + 3\left(\frac{7}{5}\right) = -4 + \frac{21}{5} = \frac{1}{5}$$

$$z' = 1 + \frac{7}{5} = \frac{12}{5}$$

よって、点B'の座標は $\left(\frac{49}{5}, \frac{1}{5}, \frac{12}{5}\right)$です。

(3) 平面$\alpha$上の点で、BP + PCを最小にする点Pの座標を求めます。点B'は点Bの平面$\alpha$に関する対称点なので、BP = B'Pが成り立ちます。したがって、BP + PC = B'P + PCとなります。B'P + PCが最小となるのは、3点B', P, Cが一直線上にあるときです。

直線B'Cの方程式を求めます。

$$\vec{B'C} = \left(-3 - \frac{49}{5}, -1 - \frac{1}{5}, 5 - \frac{12}{5}\right) = \left(-\frac{64}{5}, -\frac{6}{5}, \frac{13}{5}\right)$$

したがって、直線B'Cは、

$$\frac{x - \frac{49}{5}}{-\frac{64}{5}} = \frac{y - \frac{1}{5}}{-\frac{6}{5}} = \frac{z - \frac{12}{5}}{\frac{13}{5}} = t$$

と表せます。

この直線と平面$\alpha$の交点Pの座標を(x, y, z)とすると、

$$x = \frac{49}{5} - \frac{64}{5}t$$

$$y = \frac{1}{5} - \frac{6}{5}t$$

$$z = \frac{12}{5} + \frac{13}{5}t$$

これらを平面$\alpha$の方程式に代入すると、

$$2\left(\frac{49}{5} - \frac{64}{5}t\right) + 3\left(\frac{1}{5} - \frac{6}{5}t\right) + \left(\frac{12}{5} + \frac{13}{5}t\right) - 10 = 0$$

$$\frac{98}{5} - \frac{128}{5}t + \frac{3}{5} - \frac{18}{5}t + \frac{12}{5} + \frac{13}{5}t - \frac{50}{5} = 0$$

$$63 - 133t = 0$$

$$t = \frac{63}{133} = \frac{9}{19}$$

したがって、

$$x = \frac{49}{5} - \frac{64}{5} \cdot \frac{9}{19} = \frac{49 \cdot 19 - 64 \cdot 9}{5 \cdot 19} = \frac{931 - 576}{95} = \frac{355}{95} = \frac{71}{19}$$

$$y = \frac{1}{5} - \frac{6}{5} \cdot \frac{9}{19} = \frac{19 - 6 \cdot 9}{5 \cdot 19} = \frac{19 - 54}{95} = -\frac{35}{95} = -\frac{7}{19}$$

$$z = \frac{12}{5} + \frac{13}{5} \cdot \frac{9}{19} = \frac{12 \cdot 19 + 13 \cdot 9}{5 \cdot 19} = \frac{228 + 117}{95} = \frac{345}{95} = \frac{69}{19}$$

よって、点Pの座標は $\left(\frac{71}{19}, -\frac{7}{19}, \frac{69}{19}\right)$です。

3. 最終的な答え

(1) 2点BとCは平面$\alpha$に関して同じ側にある。

(2) 点B'の座標: $\left(\frac{49}{5}, \frac{1}{5}, \frac{12}{5}\right)$

(3) 点Pの座標: $\left(\frac{71}{19}, -\frac{7}{19}, \frac{69}{19}\right)$