ある企業に対し、信用度に応じてAまたはBの格付けがされる。格付けされた企業の1年後の格付けの推移が確率で与えられている。現在Aに格付けされている企業が3年以内にランク外になる確率を求める問題である。

1. 問題の内容

ある企業に対し、信用度に応じてAまたはBの格付けがされる。格付けされた企業の1年後の格付けの推移が確率で与えられている。現在Aに格付けされている企業が3年以内にランク外になる確率を求める問題である。

2. 解き方の手順

まず、状態遷移図を考えると、A -> B -> ランク外という経路でしかランク外になれないことがわかる。

Aから1年後にA, B, ランク外になる確率をそれぞれ$P_A, P_B, P_R$とする。

同様に、Bから1年後にA, B, ランク外になる確率をそれぞれ$Q_A, Q_B, Q_R$とする。

問題文より、$P_A=0.9$, $P_B=0.1$, $P_R=0$, $Q_A=0$, $Q_B=0.8$, $Q_R=0.2$である。

$n$年後にランク外となる確率を$R_n$とおく。

$R_0 = 0$である。

1年後、$R_1 = 0$

2年後：Aにいる企業が2年後にランク外になるには、1年後にBに移行し、さらに1年後にランク外になる必要がある。

$R_2 = P_B \times Q_R = 0.1 \times 0.2 = 0.02$

3年後：Aにいる企業が3年後にランク外になるには、以下の2つの経路がある。

(1) 1年後にAに留まり、その後2年後にランク外になる場合。

(2) 1年後にBに移行し、その後2年後にランク外になる場合。

(1)はありえない。Aにいる企業はランク外にならないから。

(2)について考える。1年後にBに移行する確率は$P_B = 0.1$である。その後2年でランク外になる確率を$X_2$とする。$X_2$は、Bにいる状態から2年以内にランク外になる確率である。

まず1年後にランク外になる確率は$Q_R=0.2$である。

1年後にBにいて、さらに1年後にランク外になるには、1年後にBに留まって、その後ランク外になる必要がある。

つまり、$X_2 = Q_R + Q_B \times Q_R = 0.2 + 0.8 \times 0.2 = 0.2 + 0.16 = 0.36$

したがって、3年以内にランク外となる確率は$R_3 = P_B \times X_2 = 0.1 \times 0.36 = 0.036$

3. 最終的な答え

0.036