正の実数 $t$ に対して、$xy$ 平面上の放物線 $C: y = x^2 + tx + t^2$ を考える。 (1) 実数 $t$ が範囲 $t > 0$ を動くとき、放物線 $C$ の頂点の軌跡を求め、図示する。 (2) 実数 $t$ が範囲 $t > 0$ を動くとき、放物線 $C$ の通過する領域を求め、図示する。

幾何学放物線軌跡通過領域二次関数不等式
2025/7/20

1. 問題の内容

正の実数 tt に対して、xyxy 平面上の放物線 C:y=x2+tx+t2C: y = x^2 + tx + t^2 を考える。
(1) 実数 tt が範囲 t>0t > 0 を動くとき、放物線 CC の頂点の軌跡を求め、図示する。
(2) 実数 tt が範囲 t>0t > 0 を動くとき、放物線 CC の通過する領域を求め、図示する。

2. 解き方の手順

(1) 頂点の軌跡を求める。
まず、放物線 CC の式を平方完成する。
y=x2+tx+t2=(x+t2)2(t2)2+t2=(x+t2)2+34t2y = x^2 + tx + t^2 = (x + \frac{t}{2})^2 - (\frac{t}{2})^2 + t^2 = (x + \frac{t}{2})^2 + \frac{3}{4}t^2
したがって、頂点の座標は (t2,34t2)(-\frac{t}{2}, \frac{3}{4}t^2) である。
頂点の座標を (X,Y)(X, Y) とすると、
X=t2X = -\frac{t}{2}
Y=34t2Y = \frac{3}{4}t^2
t=2Xt = -2X より、
Y=34(2X)2=34(4X2)=3X2Y = \frac{3}{4}(-2X)^2 = \frac{3}{4}(4X^2) = 3X^2
t>0t > 0 より、2X>0-2X > 0 つまり、X<0X < 0 である。
よって、頂点の軌跡は、y=3x2y = 3x^2x<0x < 0 の部分である。
(2) 放物線 CC の通過領域を求める。
y=x2+tx+t2y = x^2 + tx + t^2tt についての二次方程式とみると、
t2+xt+x2y=0t^2 + xt + x^2 - y = 0
tt が実数解を持つための条件は、判別式 D0D \ge 0 である。
D=x24(x2y)=x24x2+4y=3x2+4y0D = x^2 - 4(x^2 - y) = x^2 - 4x^2 + 4y = -3x^2 + 4y \ge 0
4y3x24y \ge 3x^2
y34x2y \ge \frac{3}{4}x^2
t>0t > 0 より、
t=x±3x2+4y2>0t = \frac{-x \pm \sqrt{-3x^2 + 4y}}{2} > 0
x±3x2+4y>0-x \pm \sqrt{-3x^2 + 4y} > 0
3x2+4y>x\sqrt{-3x^2 + 4y} > x
i) x<0x < 0 のとき、常に 3x2+4y>x\sqrt{-3x^2 + 4y} > x は成り立つ。
したがって、y34x2y \ge \frac{3}{4}x^2
ii) x0x \ge 0 のとき、両辺を2乗して
3x2+4y>x2-3x^2 + 4y > x^2
4y>4x24y > 4x^2
y>x2y > x^2
したがって、通過領域は y34x2y \ge \frac{3}{4}x^2 であり、x0x \ge 0 では、y>x2y > x^2 である。
しかし、yx2y \ge x^2 ならば、y>x2y > x^2 となるので、y34x2y \ge \frac{3}{4}x^2 となることはない。
そのため、通過領域は y34x2y \ge \frac{3}{4}x^2 である。

3. 最終的な答え

(1) 頂点の軌跡: y=3x2y = 3x^2 (x<0x < 0)
(2) 放物線Cの通過領域: y34x2y \ge \frac{3}{4}x^2

「幾何学」の関連問題

直線 $y = \frac{1}{3}x + 2$ と直線 $y = -x + 6$ が点Pで交わっている。 直線 $y = \frac{1}{3}x + 2$ とy軸との交点をA、直線 $y = -...

座標平面直線交点面積図形
2025/7/21

底面の円の半径が $r$ cm、高さが $h$ cm の円錐の体積を $V$ cm$^3$ とするとき、 (1) $V$ を $r, h$ を使った式で表しなさい。 (2) (1) の式を $h$ に...

円錐体積公式数式変形
2025/7/21

三角形ABCにおいて、$\angle CAB = 60^\circ$, $\angle BCA = 45^\circ$とする。 (1) 三角形ABCの外接円の半径が$2\sqrt{2}$のとき、辺AB...

三角形正弦定理余弦定理外接円角度面積
2025/7/21

$\triangle ABC$において、$\angle CAB = 60^\circ$, $\angle BCA = 45^\circ$ とする。 (1) $\triangle ABC$ の外接円の半...

三角形正弦定理余弦定理外接円面積
2025/7/21

一辺の長さが6の立方体ABCD-EFGHと半径1の球面Sがある。Sの中心は辺AD上にある。点PがS上を動くとき、三角錐P-EBCの体積の最小値と最大値を求めよ。

立体図形三角錐体積最大値最小値
2025/7/21

折れ線グラフから、以下の情報を読み取る問題です。 * 午前10時の気温と水温 * 気温と水温が等しくなる時刻 * 気温と水温の差が最も大きい時刻とその差 また、平行線に関する角度を求める問...

グラフ折れ線グラフ角度平行線同位角錯角
2025/7/21

同じ大きさの9つの正方形からなる図形において、〇、●、◆の3種類の頂点が16個ある。〇を1個、●を1個、◆を2個選んでできる凹四角形の個数を求める。ただし、凹四角形とは内角の大きさが180°より大きく...

図形凹四角形組み合わせ格子点数え上げ
2025/7/21

半径1の2つの扇形 $O_1AA'$ と $O_2BB'$ がある。中心角は $360^\circ - \theta$ であり、$0^\circ < \theta < 180^\circ$ である。$...

扇形平行移動三角関数角度線分の長さ
2025/7/21

問題は、与えられた等式が成り立つとき、三角形ABCがどのような三角形になるかを問うものです。具体的には、以下の2つの場合について答える必要があります。 (1) $a \sin A + b \sin B...

三角形正弦定理余弦定理直角三角形ピタゴラスの定理
2025/7/21

中心角 $60^\circ$, 半径1の扇形が直線上を滑らずに1回転するとき、扇形が通過した部分の面積を求めよ。

扇形面積回転
2025/7/21