一辺の長さが6の立方体ABCD-EFGHと半径1の球面Sがある。Sの中心は辺AD上にある。点PがS上を動くとき、三角錐P-EBCの体積の最小値と最大値を求めよ。

幾何学立体図形三角錐体積最大値最小値
2025/7/21

1. 問題の内容

一辺の長さが6の立方体ABCD-EFGHと半径1の球面Sがある。Sの中心は辺AD上にある。点PがS上を動くとき、三角錐P-EBCの体積の最小値と最大値を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、三角錐P-EBCの体積を求める。底面は三角形EBCなので、その面積は 12×6×6=18\frac{1}{2} \times 6 \times 6 = 18 である。次に、Pから平面EBCへの垂線の長さをhとする。三角錐P-EBCの体積Vは、V=13×18×h=6hV = \frac{1}{3} \times 18 \times h = 6h となる。
したがって、体積Vを最大化または最小化するには、hを最大化または最小化すればよい。
Sの中心をOとする。Oは辺AD上にあるので、座標をO(0, a, 0) (0 <= a <= 6) とおくことができる。Pは球面S上にあるので、OP = 1である。平面EBCの方程式はx + y - z = 6である。点と平面の距離の公式より、Oから平面EBCへの距離は、0+a0612+12+(1)2=a63\frac{|0 + a - 0 - 6|}{\sqrt{1^2 + 1^2 + (-1)^2}} = \frac{|a-6|}{\sqrt{3}} となる。
Pから平面EBCへの距離hは、Oから平面EBCへの距離に半径1を足したもの、または引いたものになる。つまり、h=a63±1h = \frac{|a-6|}{\sqrt{3}} \pm 1 である。
体積VはV=6h=6(a63±1)=23a6±6V = 6h = 6 (\frac{|a-6|}{\sqrt{3}} \pm 1) = 2\sqrt{3}|a-6| \pm 6 となる。
0a60 \le a \le 6 なので、a6=6a|a-6| = 6-a となる。
したがって、V=23(6a)±6V = 2\sqrt{3}(6-a) \pm 6 である。
Vを最大化するには、aを最小にする、つまりa=0とする。
Vmax=23(60)+6=123+6V_{max} = 2\sqrt{3}(6-0) + 6 = 12\sqrt{3} + 6
Vを最小化するには、aを最大にする、つまりa=6とする。
Vmin=23(66)6=6V_{min} = 2\sqrt{3}(6-6) - 6 = -6 となるが、体積は負にならないので、別の方法で最小値を求める必要がある。
h=a631h = \frac{|a-6|}{\sqrt{3}} - 1 であるから、h0h \ge 0 となるためには a631\frac{|a-6|}{\sqrt{3}} \ge 1 、つまりa63|a-6| \ge \sqrt{3} である必要がある。
a63|a-6| \ge \sqrt{3} より、a63a \le 6 - \sqrt{3} または a6+3a \ge 6 + \sqrt{3} である。ただし、0a60 \le a \le 6 であるから、a63a \le 6 - \sqrt{3} が成り立つ。
最小値を与えるのは、a=63a = 6 - \sqrt{3} のときである。
Vmin=23(6(63))6=23(3)6=66=0V_{min} = 2\sqrt{3}(6 - (6-\sqrt{3})) - 6 = 2\sqrt{3}(\sqrt{3}) - 6 = 6 - 6 = 0 である。
ただし、これはh=0の場合なので、Vの式をよく見るとh=a63±1h= \frac{|a-6|}{\sqrt{3}} \pm 1±\pmは、点Pが平面EBCに関して球の中心Oと同じ側にある場合が+であり、反対側にある場合が-である。
最小値を求めるためにはh=a6310h = \frac{|a-6|}{\sqrt{3}} - 1 \ge 0となる必要がある。0a60 \le a \le 6においてa63\frac{|a-6|}{\sqrt{3}}a=6a=6で最小値0をとる。したがって、そのときh=1h=-1となり、Vは負の値を取り得ないことから最小値は0ではない。a63=1\frac{|a-6|}{\sqrt{3}} = 1となるのはa=63a=6-\sqrt{3}のときで、そのときh=0h=0となり、V=0V=0となる。0a60 \le a \le 6という制約条件のもとでh=6a31h=\frac{6-a}{\sqrt{3}} -1は単調減少関数なので、aをなるべく小さくした方が体積が小さくなる。ところがaを小さくしすぎるとh=6a31<0h=\frac{6-a}{\sqrt{3}} -1 < 0となり、点Pが球面S上に存在できなくなる。よって、hは0よりも大きい必要があり、limh0V=0\lim_{h \to 0} V = 0となる。
最小値は、PがEBCと接するときに0となる。問題文よりPは球面S上を動くので、PがEBCと接することが可能である。
Vmin=6V_{min} = 6

3. 最終的な答え

最小値: 6
最大値: 6+1236 + 12\sqrt{3}

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