この問題は、2期間を生きる個人の消費選択に関する問題です。個人の効用関数は $U(c_1, c_2) = \ln c_1 + \frac{1}{3} \ln c_2$ であり、若年期の所得は100、老年期の所得は315、利子率は5%です。 (1) 消費の組が $(c_1, c_2)$ の時の限界代替率(MRS)が $\frac{3c_2}{c_1}$ となることを示します。 (2) 若年期と老年期の最適な消費量 $c_1^*, c_2^*$ を計算します。 (3) この個人が若年期にいくら貯蓄、あるいは借入れを行うか計算します。
2025/7/21
1. 問題の内容
この問題は、2期間を生きる個人の消費選択に関する問題です。個人の効用関数は であり、若年期の所得は100、老年期の所得は315、利子率は5%です。
(1) 消費の組が の時の限界代替率(MRS)が となることを示します。
(2) 若年期と老年期の最適な消費量 を計算します。
(3) この個人が若年期にいくら貯蓄、あるいは借入れを行うか計算します。
2. 解き方の手順
(1) 限界代替率の計算
限界代替率(MRS)は、効用関数を各消費財で偏微分したものの比の絶対値で表されます。
効用関数 を で偏微分すると、
次に、効用関数を で偏微分すると、
したがって、限界代替率は、
これにより、限界代替率が となることが示されました。
(2) 最適な消費量の計算
予算制約式は、若年期の消費と老年期の消費の現在価値の合計が、所得の現在価値の合計に等しいという式で表されます。
ここで、, , です。
効用最大化の条件は、限界代替率が相対価格に等しくなることです。
これを予算制約式に代入します。
したがって、最適な消費量は , です。
(3) 貯蓄額の計算
若年期の所得は100、最適な消費量は300なので、
貯蓄 = 所得 - 消費
貯蓄 = 100 - 300 = -200
したがって、この個人は若年期に200の借入れを行います。
3. 最終的な答え
(1) 限界代替率は である。
(2) 若年期の最適な消費量は300、老年期の最適な消費量は105である。
(3) この個人は若年期に200の借入れを行う。