ある国のマクロ経済の構成が与えられています。 * 消費関数: $C = 30 + 0.8(Y - T)$ * 投資関数: $I = 150 - 5i$ * 政府支出: $G = 70$, 租税: $T = 50$ * 財市場の均衡条件: $Y = C + I + G$ * 実質貨幣需要関数: $L = 0.1Y - 10i + 70$ * 名目貨幣供給量: $M = 100$, 物価水準: $P = 2$ * 完全雇用 GDP: $Y_F = 800$ これらの条件の下で、以下の問いに答えます。 * 3-1: IS曲線とLM曲線をそれぞれ求めなさい。 * 3-2: 均衡GDP $Y^*$ と均衡利子率 $i^*$ を求めなさい。 * 3-3: 政府支出が $G = 85$ に増加するときの最終的な物価水準 $P^*$ を求めなさい。 * 3-4: 政府支出が $G = 70$ のまま、名目貨幣供給量 $M = 300$ に増加するときの最終的な物価水準 $P^*$ を求めなさい。

応用数学マクロ経済学IS-LMモデル財市場貨幣市場均衡物価水準
2025/7/22
以下に問題の解答を示します。

1. 問題の内容

ある国のマクロ経済の構成が与えられています。
* 消費関数: C=30+0.8(YT)C = 30 + 0.8(Y - T)
* 投資関数: I=1505iI = 150 - 5i
* 政府支出: G=70G = 70, 租税: T=50T = 50
* 財市場の均衡条件: Y=C+I+GY = C + I + G
* 実質貨幣需要関数: L=0.1Y10i+70L = 0.1Y - 10i + 70
* 名目貨幣供給量: M=100M = 100, 物価水準: P=2P = 2
* 完全雇用 GDP: YF=800Y_F = 800
これらの条件の下で、以下の問いに答えます。
* 3-1: IS曲線とLM曲線をそれぞれ求めなさい。
* 3-2: 均衡GDP YY^* と均衡利子率 ii^* を求めなさい。
* 3-3: 政府支出が G=85G = 85 に増加するときの最終的な物価水準 PP^* を求めなさい。
* 3-4: 政府支出が G=70G = 70 のまま、名目貨幣供給量 M=300M = 300 に増加するときの最終的な物価水準 PP^* を求めなさい。

2. 解き方の手順

3-1: IS曲線とLM曲線を求める
IS曲線:
Y=C+I+GY = C + I + G に各関数を代入します。
Y=30+0.8(Y50)+1505i+70Y = 30 + 0.8(Y - 50) + 150 - 5i + 70
Y=30+0.8Y40+1505i+70Y = 30 + 0.8Y - 40 + 150 - 5i + 70
0.2Y=2105i0.2Y = 210 - 5i
Y=105025iY = 1050 - 25i
IS曲線は、Y=105025iY = 1050 - 25i となります。
LM曲線:
L=M/PL = M/P
0.1Y10i+70=100/20.1Y - 10i + 70 = 100/2
0.1Y10i+70=500.1Y - 10i + 70 = 50
0.1Y=10i200.1Y = 10i - 20
Y=100i200Y = 100i - 200
LM曲線は、Y=100i200Y = 100i - 200 となります。
3-2: 均衡GDP YY^* と均衡利子率 ii^* を求める
IS曲線とLM曲線を連立させて解きます。
105025i=100i2001050 - 25i = 100i - 200
1250=125i1250 = 125i
i=10i = 10
これをLM曲線に代入して、
Y=100(10)200Y = 100(10) - 200
Y=1000200Y = 1000 - 200
Y=800Y = 800
均衡利子率 i=10i^* = 10、均衡GDP Y=800Y^* = 800 となります。
3-3: 政府支出が G=85G = 85 に増加した時の最終的な物価水準 PP^* を求める
政府支出が G=85G = 85 に増加すると、新たなIS曲線は
Y=30+0.8(Y50)+1505i+85Y = 30 + 0.8(Y - 50) + 150 - 5i + 85
Y=30+0.8Y40+1505i+85Y = 30 + 0.8Y - 40 + 150 - 5i + 85
0.2Y=2255i0.2Y = 225 - 5i
Y=112525iY = 1125 - 25i
完全雇用GDPは YF=800Y_F = 800 なので、 Y=800Y = 800 となる時の利子率 ii を求めます。
800=112525i800 = 1125 - 25i
25i=32525i = 325
i=13i = 13
新たなLM曲線は、YF=800Y_F = 800で決まるので
L=0.1YF10i+70=0.1(800)10(13)+70=80130+70=20L = 0.1Y_F - 10i + 70 = 0.1(800) - 10(13) + 70 = 80 - 130 + 70 = 20
貨幣市場の均衡式 L=M/PL = M/P より、
20=100/P20 = 100/P
P=100/20P = 100/20
P=5P = 5
最終的な物価水準は、P=5P^* = 5 となります。
3-4: 政府支出が G=70G = 70 のまま、名目貨幣供給量 M=300M = 300 に増加した時の最終的な物価水準 PP^* を求める
M=300M = 300 になると、 LM曲線は
0.1Y10i+70=300/P0.1Y - 10i + 70 = 300/P
完全雇用GDPは YF=800Y_F = 800 なので
0.1(800)10i+70=300/P0.1(800) - 10i + 70 = 300/P
8010i+70=300/P80 - 10i + 70 = 300/P
15010i=300/P150 - 10i = 300/P
IS曲線は、Y=105025iY = 1050 - 25i で、YF=800Y_F=800なので、
800=105025i800 = 1050 - 25i
25i=25025i = 250
i=10i = 10
15010(10)=300/P150 - 10(10) = 300/P
150100=300/P150 - 100 = 300/P
50=300/P50 = 300/P
P=300/50P = 300/50
P=6P = 6
最終的な物価水準は、P=6P^* = 6 となります。

3. 最終的な答え

3-1: IS曲線: Y=105025iY = 1050 - 25i, LM曲線: Y=100i200Y = 100i - 200
3-2: 均衡GDP: Y=800Y^* = 800, 均衡利子率: i=10i^* = 10
3-3: 最終的な物価水準: P=5P^* = 5
3-4: 最終的な物価水準: P=6P^* = 6

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