自然数 $a, b, c$ が $a^2 + b^2 = c^2$ を満たすとき、$a, b, c$ のうち少なくとも1つは偶数であることを証明します。

数論ピタゴラス数整数の性質背理法偶数奇数
2025/4/3

1. 問題の内容

自然数 a,b,ca, b, ca2+b2=c2a^2 + b^2 = c^2 を満たすとき、a,b,ca, b, c のうち少なくとも1つは偶数であることを証明します。

2. 解き方の手順

背理法を用いて証明します。つまり、a,b,ca, b, c がすべて奇数であると仮定して矛盾を導きます。
a,b,ca, b, c がすべて奇数であると仮定すると、ある整数 p,q,rp, q, r を用いて以下のように表すことができます。
a=2p+1a = 2p + 1
b=2q+1b = 2q + 1
c=2r+1c = 2r + 1
これを a2+b2=c2a^2 + b^2 = c^2 に代入すると、
(2p+1)2+(2q+1)2=(2r+1)2(2p + 1)^2 + (2q + 1)^2 = (2r + 1)^2
4p2+4p+1+4q2+4q+1=4r2+4r+14p^2 + 4p + 1 + 4q^2 + 4q + 1 = 4r^2 + 4r + 1
4p2+4p+4q2+4q+2=4r2+4r+14p^2 + 4p + 4q^2 + 4q + 2 = 4r^2 + 4r + 1
4(p2+p+q2+q)+2=4(r2+r)+14(p^2 + p + q^2 + q) + 2 = 4(r^2 + r) + 1
左辺は偶数、右辺は奇数となり、矛盾が生じます。
したがって、a,b,ca, b, c がすべて奇数であるという仮定は誤りであり、a,b,ca, b, c のうち少なくとも1つは偶数でなければなりません。

3. 最終的な答え

a,b,ca, b, c のうち少なくとも1つは偶数である。

「数論」の関連問題

(9) 任意の整数 $n$ に対して、$n^2$ を4で割ったときの余りが0か1であることを示す。 (10) 整数 $a, b, c$ が $a^2 + b^2 = c^2$ を満たしているとき、$a...

整数の性質合同算術剰余背理法
2025/6/25

整数 $n$ について、$n^2 + n$ が2の倍数であることを示す問題です。

整数の性質倍数因数分解数学的証明
2025/6/25

整数 $n$ が与えられたとき、式 $2n$ がどんな数を表すかを答える問題です。

整数偶数数の性質
2025/6/25

数列$\{a_n\}$が、$a_1=2$, $a_2=3$, $a_{n+2}=a_{n+1}+a_n$($n=1, 2, 3, \dots$)と定義されているとき、以下の問いに答える問題です。 (1...

数列漸化式数学的帰納法素因数分解整数の性質フィボナッチ数列
2025/6/24

$p$, $q$, $r$ は互いに異なる素数であり、$l$, $m$, $n$ は自然数である。このとき、整数 $p^l q^m r^n$ のすべての約数の和が $\frac{p^{l+1}-1}{...

約数素数等比数列
2025/6/24

$\sqrt{2}$ が無理数であることを用いて、以下の数が無理数であることを証明します。 (1) $2-\sqrt{2}$ (2) $\sqrt{8}$

無理数背理法平方根証明
2025/6/24

実数 $x$ が正の無理数であるとき、$\sqrt{x}$ が無理数であることを証明する問題です。

無理数有理数背理法平方根証明
2025/6/24

すべての自然数 $n$ について、次の不等式が成り立つことを示せ。 $1 + \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \cdots + \frac{1}{n} \geq \frac{2...

不等式数学的帰納法調和級数
2025/6/24

すべての自然数 $n$ について、以下の不等式が成り立つことを示せ。 $$1 + \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \dots + \frac{1}{n} \ge \frac{2...

不等式数学的帰納法調和数列
2025/6/24

(1) 2つの奇数の積が偶数になるか奇数になるか、2つの偶数の積、偶数と奇数の積について考える問題。 (2) 大小2つのサイコロを投げ、大きいサイコロの出目を $a$ 、小さいサイコロの出目を $b$...

整数の性質確率サイコロ積の性質
2025/6/24