(9) 任意の整数 $n$ に対して、$n^2$ を4で割ったときの余りが0か1であることを示す。 (10) 整数 $a, b, c$ が $a^2 + b^2 = c^2$ を満たしているとき、$a, b$ のうち少なくとも一方が偶数であることを示す。

数論整数の性質合同算術剰余背理法
2025/6/25

1. 問題の内容

(9) 任意の整数 nn に対して、n2n^2 を4で割ったときの余りが0か1であることを示す。
(10) 整数 a,b,ca, b, ca2+b2=c2a^2 + b^2 = c^2 を満たしているとき、a,ba, b のうち少なくとも一方が偶数であることを示す。

2. 解き方の手順

(9) 任意の整数 nn に対して、n2n^2 を4で割ったときの余りを考える。
nn が偶数のとき、n=2kn = 2kkk は整数)と表せる。
このとき、n2=(2k)2=4k2n^2 = (2k)^2 = 4k^2 となり、n2n^2 を4で割った余りは0となる。
nn が奇数のとき、n=2k+1n = 2k+1kk は整数)と表せる。
このとき、n2=(2k+1)2=4k2+4k+1=4(k2+k)+1n^2 = (2k+1)^2 = 4k^2 + 4k + 1 = 4(k^2 + k) + 1 となり、n2n^2 を4で割った余りは1となる。
したがって、任意の整数 nn に対して、n2n^2 を4で割ったときの余りは0か1である。
(10) a2+b2=c2a^2 + b^2 = c^2 が成り立つとき、a,ba, b のうち少なくとも一方が偶数であることを背理法で示す。
a,ba, b がともに奇数であると仮定する。
すると、a=2k+1a = 2k+1b=2l+1b = 2l+1k,lk, l は整数)と表せる。
このとき、a2=(2k+1)2=4k2+4k+1=4(k2+k)+1a^2 = (2k+1)^2 = 4k^2 + 4k + 1 = 4(k^2+k) + 1b2=(2l+1)2=4l2+4l+1=4(l2+l)+1b^2 = (2l+1)^2 = 4l^2 + 4l + 1 = 4(l^2+l) + 1 となる。
したがって、a2+b2=4(k2+k)+1+4(l2+l)+1=4(k2+k+l2+l)+2a^2 + b^2 = 4(k^2+k) + 1 + 4(l^2+l) + 1 = 4(k^2+k+l^2+l) + 2 となり、a2+b2a^2 + b^2 を4で割った余りは2となる。
一方、cc が偶数であれば、c2c^2 を4で割った余りは0であり、cc が奇数であれば、c2c^2 を4で割った余りは1である。つまり、c2c^2 を4で割った余りは0か1である。
これは、a2+b2=c2a^2 + b^2 = c^2 であることに矛盾する。
したがって、a,ba, b がともに奇数であるという仮定は誤りであり、a,ba, b のうち少なくとも一方は偶数である。

3. 最終的な答え

(9) 任意の整数 nn に対して、n2n^2 を4で割ったときの余りは0か1である。
(10) 整数 a,b,ca, b, ca2+b2=c2a^2 + b^2 = c^2 を満たしているとき、a,ba, b のうち少なくとも一方は偶数である。

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