$\sqrt{3}$が有理数でないことを背理法で証明する。$\sqrt{3}$が有理数であると仮定し、$\sqrt{3} = \frac{q}{p}$($p, q$は互いに素な正の整数)と表される。この仮定から矛盾を導くことによって、$\sqrt{3}$が有理数でないことを示す。

数論無理数背理法平方根整数の性質
2025/7/4

1. 問題の内容

3\sqrt{3}が有理数でないことを背理法で証明する。3\sqrt{3}が有理数であると仮定し、3=qp\sqrt{3} = \frac{q}{p}p,qp, qは互いに素な正の整数)と表される。この仮定から矛盾を導くことによって、3\sqrt{3}が有理数でないことを示す。

2. 解き方の手順

(1) 3=qp\sqrt{3} = \frac{q}{p} の両辺を2乗すると、 3=q2p23 = \frac{q^2}{p^2}。よって、3p2=q23p^2 = q^2
これから、q2q^2は3の倍数である。
(2) q=3s+tq = 3s + tss は0以上の整数、0t<30 \leq t < 3)とおく。
q2=(3s+t)2=9s2+6st+t2=3(3s2+2st)+t2q^2 = (3s + t)^2 = 9s^2 + 6st + t^2 = 3(3s^2 + 2st) + t^2 となる。
(3) q2=3p2q^2 = 3p^2は3の倍数であるため、t2t^2も3の倍数でなければならない。
0t<30 \leq t < 3 であるから、tt0,1,20, 1, 2 のいずれかである。
t=0t = 0 のとき t2=0t^2 = 0
t=1t = 1 のとき t2=1t^2 = 1
t=2t = 2 のとき t2=4t^2 = 4
t2t^2が3の倍数となるのは、t=0t=0 のときのみ。
(4) したがって、t=0t = 0 でなければならない。このことから、q=3sq = 3s となる。
(5) q=3sq = 3s3p2=q23p^2 = q^2 に代入すると、3p2=(3s)2=9s23p^2 = (3s)^2 = 9s^2。よって、p2=3s2p^2 = 3s^2 となる。
(6) すると、上と同様にして、p2p^2 は3の倍数であるから、pp も3の倍数となる。
(7) ppqq がともに3の倍数であることは、ppqq が互いに素であるという条件に矛盾する。

3. 最終的な答え

以下に空欄を埋めた結果を示します。
q2q^2は3の倍数である。
q=3s+tq=3s+tとおく。
ただし、ssは0以上の整数、ttは3未満0以上の整数である。
このとき、q2=9s2+6st+t2q^2=9s^2 + 6st + t^2
したがって、q2q^2が3の倍数であるためには、0t<30 \leq t < 3なので、t=0t=0でなければならない。このことから、q=3sq=3sとなり、 3p2=9s23p^2=9s^2から p2=3s2p^2=3s^2 となる。すると、上と同様にして、ppは3の倍数となる。これはp,qp,q の条件に矛盾するため、3\sqrt{3}は有理数ではない。

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