$p$, $q$, $r$ は互いに異なる素数であり、$l$, $m$, $n$ は自然数である。このとき、整数 $p^l q^m r^n$ のすべての約数の和が $\frac{p^{l+1}-1}{p-1} \cdot \frac{q^{m+1}-1}{q-1} \cdot \frac{r^{n+1}-1}{r-1}$ となることを証明する。

数論約数素数等比数列
2025/6/24

1. 問題の内容

pp, qq, rr は互いに異なる素数であり、ll, mm, nn は自然数である。このとき、整数 plqmrnp^l q^m r^n のすべての約数の和が pl+11p1qm+11q1rn+11r1\frac{p^{l+1}-1}{p-1} \cdot \frac{q^{m+1}-1}{q-1} \cdot \frac{r^{n+1}-1}{r-1} となることを証明する。

2. 解き方の手順

整数 plqmrnp^l q^m r^n の約数は、 piqjrkp^i q^j r^k (ただし、0il0 \le i \le l, 0jm0 \le j \le m, 0kn0 \le k \le n)の形で表される。したがって、すべての約数の和 SS は、次のように表される。
S=i=0lj=0mk=0npiqjrkS = \sum_{i=0}^{l} \sum_{j=0}^{m} \sum_{k=0}^{n} p^i q^j r^k
この三重和は、次のように書き換えることができる。
S=(i=0lpi)(j=0mqj)(k=0nrk)S = \left( \sum_{i=0}^{l} p^i \right) \left( \sum_{j=0}^{m} q^j \right) \left( \sum_{k=0}^{n} r^k \right)
各総和は等比数列の和であるため、次の公式を用いることができる。
i=0nai=an+11a1\sum_{i=0}^{n} a^i = \frac{a^{n+1}-1}{a-1}
この公式を適用すると、
i=0lpi=pl+11p1\sum_{i=0}^{l} p^i = \frac{p^{l+1}-1}{p-1}
j=0mqj=qm+11q1\sum_{j=0}^{m} q^j = \frac{q^{m+1}-1}{q-1}
k=0nrk=rn+11r1\sum_{k=0}^{n} r^k = \frac{r^{n+1}-1}{r-1}
したがって、すべての約数の和 SS は次のようになる。
S=pl+11p1qm+11q1rn+11r1S = \frac{p^{l+1}-1}{p-1} \cdot \frac{q^{m+1}-1}{q-1} \cdot \frac{r^{n+1}-1}{r-1}

3. 最終的な答え

整数 plqmrnp^l q^m r^n のすべての約数の和は pl+11p1qm+11q1rn+11r1\frac{p^{l+1}-1}{p-1} \cdot \frac{q^{m+1}-1}{q-1} \cdot \frac{r^{n+1}-1}{r-1} である。

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