ある業界に新しい企業が参入した。既存企業の1日あたりの売上高は25万円だったが、新しい企業参入後に64日間の売上高を調べたところ、標本平均は20万円、標本標準偏差は5万円だった。新しい企業の参入によって売り上げが減少したといえるか、有意水準5%で左片側検定を行う。 (1) 検定統計量を求める。 (2) 有意水準5%での左片側検定の結果を示す。

確率論・統計学仮説検定t検定左片側検定標本平均標本標準偏差有意水準
2025/7/25

1. 問題の内容

ある業界に新しい企業が参入した。既存企業の1日あたりの売上高は25万円だったが、新しい企業参入後に64日間の売上高を調べたところ、標本平均は20万円、標本標準偏差は5万円だった。新しい企業の参入によって売り上げが減少したといえるか、有意水準5%で左片側検定を行う。
(1) 検定統計量を求める。
(2) 有意水準5%での左片側検定の結果を示す。

2. 解き方の手順

(1) 検定統計量を計算する。
帰無仮説: 新しい企業が参入しても売上高は変わらない(平均は25万円)。
対立仮説: 新しい企業が参入したことで売上高は減少した(平均は25万円より小さい)。
検定統計量 tt は以下の式で計算される。
t=xˉμ0s/nt = \frac{\bar{x} - \mu_0}{s / \sqrt{n}}
ここで、
xˉ\bar{x}: 標本平均 (20万円)
μ0\mu_0: 帰無仮説における母平均 (25万円)
ss: 標本標準偏差 (5万円)
nn: 標本サイズ (64日)
t=20255/64=55/8=8t = \frac{20 - 25}{5 / \sqrt{64}} = \frac{-5}{5/8} = -8
(2) 有意水準5%で左片側検定を行う。
自由度は n1=641=63n-1 = 64 - 1 = 63 である。ただし、標本サイズが大きいので、標準正規分布で近似する。有意水準5%の左片側検定における臨界値は、標準正規分布表から-1.645である。
計算された検定統計量 t=8t = -8 は、臨界値-1.645よりも小さい。したがって、帰無仮説は棄却され、対立仮説が採択される。

3. 最終的な答え

(1) 検定統計量: -8
(2) 有意水準5%で検定(左片側検定)の結果: 帰無仮説は棄却され、対立仮説が採択される。

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