曲線 $C: y = x^3 - kx$ 上の点 $A(a, a^3 - ka)$ における接線 $l_1$ を引く。$l_1$ と $C$ の $A$ 以外の交点を $B$ とする。点 $B$ における $C$ の接線を $l_2$ とする。 (1) $B$ の $x$ 座標を求める。 (2) $l_1$ と $l_2$ が直交するとき、$a$ と $k$ が満たす条件を求める。 (3) $l_1$ と $l_2$ が直交する $a$ が存在するような $k$ の値の範囲を求める。

## 問題1

1. 問題の内容

曲線 $C: y = x^3 - kx$ 上の点 $A(a, a^3 - ka)$ における接線 $l_1$ を引く。$l_1$ と $C$ の $A$ 以外の交点を $B$ とする。点 $B$ における $C$ の接線を $l_2$ とする。

(1) $B$ の $x$ 座標を求める。

(2) $l_1$ と $l_2$ が直交するとき、$a$ と $k$ が満たす条件を求める。

(3) $l_1$ と $l_2$ が直交する $a$ が存在するような $k$ の値の範囲を求める。

2. 解き方の手順

(1)

$C: y = x^3 - kx$ より、$y' = 3x^2 - k$。点 $A(a, a^3 - ka)$ における接線 $l_1$ の方程式は、

$y - (a^3 - ka) = (3a^2 - k)(x - a)$

$y = (3a^2 - k)x - 2a^3$

$l_1$ と $C$ の交点の $x$ 座標は、

$x^3 - kx = (3a^2 - k)x - 2a^3$

$x^3 - 3a^2x + 2a^3 = 0$

$(x - a)^2(x + 2a) = 0$

$x = a, -2a$

よって、点 $B$ の $x$ 座標は $-2a$。

(2)

点 $B(-2a, -8a^3 + 2ka)$ における接線 $l_2$ の傾きは、

$3(-2a)^2 - k = 12a^2 - k$

$l_1$ と $l_2$ が直交するので、

$(3a^2 - k)(12a^2 - k) = -1$

$36a^4 - 15ka^2 + k^2 = -1$

$36a^4 - 15ka^2 + k^2 + 1 = 0$

(3)

$a$ が存在するためには、$36a^4 - 15ka^2 + k^2 + 1 = 0$ が実数解を持てば良い。$t = a^2$ とおくと、$t \ge 0$ であり、

$36t^2 - 15kt + k^2 + 1 = 0$

判別式 $D = (15k)^2 - 4 \cdot 36 \cdot (k^2 + 1) = 225k^2 - 144k^2 - 144 = 81k^2 - 144 \ge 0$

$k^2 \ge \frac{144}{81} = \frac{16}{9}$

$k \le -\frac{4}{3}, k \ge \frac{4}{3}$

$t = \frac{15k \pm \sqrt{81k^2 - 144}}{72} \ge 0$

$15k \pm \sqrt{81k^2 - 144} \ge 0$

$k \ge \frac{4}{3}$ のとき、$15k > 0$ より、$15k + \sqrt{81k^2 - 144} > 0$ は常に成立。

$15k - \sqrt{81k^2 - 144} \ge 0$

$15k \ge \sqrt{81k^2 - 144}$

$225k^2 \ge 81k^2 - 144$

$144k^2 \ge -144$ これは常に成立。

$k \le -\frac{4}{3}$ のとき、$15k < 0$ より、$15k - \sqrt{81k^2 - 144} < 0$ であるから、$15k + \sqrt{81k^2 - 144} \ge 0$ を考える。

$15k \ge - \sqrt{81k^2 - 144}$

$225k^2 \le 81k^2 - 144$

$144k^2 \le -144$ これは成立しない。

しかし、$k \le -\frac{4}{3}$ の場合は、$15k - \sqrt{81k^2 - 144} \ge 0$が成立しないだけで、$15k + \sqrt{81k^2 - 144} \ge 0$が成立する可能性は残されている。

実際、$k \le -\frac{4}{3}$ のとき、$t = \frac{15k + \sqrt{81k^2-144}}{72} \ge 0$ を満たす $k$ が存在するので、$k \le -\frac{4}{3}$ の場合も解となる。

## 問題2

1. 問題の内容

実数 $x, y$ が条件 $x^2 + xy + y^2 = 6$ を満たしながら動くとき、$x^2y + xy^2 + x^2 - 2xy - y^2 + x + y$ がとりうる値の範囲を求める。

2. 解き方の手順

与えられた式を変形する。

$x^2y + xy^2 + x^2 - 2xy - y^2 + x + y = xy(x+y) + (x+y) - (y-x)^2 = (xy+1)(x+y)-(y-x)^2$

$x+y = s, xy = t$ とおくと、$x^2 + xy + y^2 = (x+y)^2 - xy = s^2 - t = 6$ より、$t = s^2 - 6$

求める式の値は、

$(s^2-6+1)s - (y-x)^2 = (s^2-5)s - (y-x)^2 = s^3-5s - (x-y)^2$

$(x-y)^2 = (x+y)^2 - 4xy = s^2 - 4(s^2-6) = -3s^2+24$

従って、求める式の値は

$s^3-5s-(-3s^2+24) = s^3+3s^2-5s-24 = f(s)$

$x,y$ は実数なので、$s^2-4t = s^2-4(s^2-6) = -3s^2+24 \ge 0$

$3s^2 \le 24$

$s^2 \le 8$

$-2\sqrt{2} \le s \le 2\sqrt{2}$

$f'(s) = 3s^2 + 6s - 5$

$f'(s) = 0$ となるのは、$s = \frac{-6 \pm \sqrt{36+60}}{6} = \frac{-6 \pm \sqrt{96}}{6} = \frac{-6 \pm 4\sqrt{6}}{6} = -1 \pm \frac{2\sqrt{6}}{3}$

$s_1 = -1 - \frac{2\sqrt{6}}{3} \approx -2.63$

$s_2 = -1 + \frac{2\sqrt{6}}{3} \approx 0.63$

$s$ の範囲は $-2\sqrt{2} \le s \le 2\sqrt{2}$ である。$-2\sqrt{2} \approx -2.83, 2\sqrt{2} \approx 2.83$

$f(-2\sqrt{2}) = (-2\sqrt{2})^3 + 3(-2\sqrt{2})^2 - 5(-2\sqrt{2}) - 24 = -16\sqrt{2} + 24 + 10\sqrt{2} - 24 = -6\sqrt{2} \approx -8.49$

$f(2\sqrt{2}) = (2\sqrt{2})^3 + 3(2\sqrt{2})^2 - 5(2\sqrt{2}) - 24 = 16\sqrt{2} + 24 - 10\sqrt{2} - 24 = 6\sqrt{2} \approx 8.49$

$f(s_1) = f(-1 - \frac{2\sqrt{6}}{3})$

$f(s_2) = f(-1 + \frac{2\sqrt{6}}{3})$

$f(s)$ の増減を考えると、$s = -2\sqrt{2}$ で最小値を取り、s = $2\sqrt{2}$ で最大値を取る。

$x^2+xy+y^2 = 6$ から $xy = 6-x^2-y^2 \le 6$ はわかる。

範囲は $f(-2\sqrt{2}) \le x^2y+xy^2+x^2-2xy-y^2+x+y \le f(2\sqrt{2})$

$-6\sqrt{2} \le x^2y+xy^2+x^2-2xy-y^2+x+y \le 6\sqrt{2}$

3. 最終的な答え

$-6\sqrt{2} \le x^2y+xy^2+x^2-2xy-y^2+x+y \le 6\sqrt{2}$