IS-LMモデルにおいて、初期状態が与えられたとき、(1)政府支出の増加、(2)名目貨幣供給量の増加がそれぞれ均衡実質GDP $Y^*$ と均衡実質利子率 $r^*$ に与える影響を求める問題です。

応用数学IS-LMモデルマクロ経済学連立方程式経済学
2025/7/25

1. 問題の内容

IS-LMモデルにおいて、初期状態が与えられたとき、(1)政府支出の増加、(2)名目貨幣供給量の増加がそれぞれ均衡実質GDP YY^* と均衡実質利子率 rr^* に与える影響を求める問題です。

2. 解き方の手順

(1) 初期状態の均衡点を求める
まず、IS曲線とLM曲線を導出します。
IS曲線:
Y=C+I+GY = C + I + G
C=10+0.7YC = 10 + 0.7Y
I=6050rI = 60 - 50r
G=32G = 32
これらを YY について解くと、
Y=10+0.7Y+6050r+32Y = 10 + 0.7Y + 60 - 50r + 32
0.3Y=10250r0.3Y = 102 - 50r
Y=340(500/3)rY = 340 - (500/3)r (IS曲線)
LM曲線:
M/P=LM/P = L
M=150M = 150
P=3P = 3
L=87+0.2Y50iL = 87 + 0.2Y - 50i
ここで、期待インフレ率が0%なので、名目利子率 ii = 実質利子率 rr となります。
150/3=87+0.2Y50r150/3 = 87 + 0.2Y - 50r
50=87+0.2Y50r50 = 87 + 0.2Y - 50r
0.2Y=50r370.2Y = 50r - 37
Y=250r185Y = 250r - 185 (LM曲線)
IS曲線とLM曲線の連立方程式を解きます。
340(500/3)r=250r185340 - (500/3)r = 250r - 185
525=(1250/3)r525 = (1250/3)r
r=(5253)/1250=1575/1250=1.26r = (525 * 3) / 1250 = 1575 / 1250 = 1.26
Y=2501.26185=315185=130Y = 250 * 1.26 - 185 = 315 - 185 = 130
初期状態の均衡点は (Y,rY^*, r^*) = (130, 1.26)
(2) 財政政策の変化: G=117G = 117 に増加
Y=10+0.7Y+6050r+117Y = 10 + 0.7Y + 60 - 50r + 117
0.3Y=18750r0.3Y = 187 - 50r
Y=(187/0.3)(50/0.3)r=623.33166.67rY = (187 / 0.3) - (50/0.3)r = 623.33 - 166.67r (新しいIS曲線)
LM曲線は変化しないので、
623.33166.67r=250r185623.33 - 166.67r = 250r - 185
808.33=416.67r808.33 = 416.67r
r=808.33/416.67=1.94r = 808.33 / 416.67 = 1.94
Y=2501.94185=485185=300Y = 250 * 1.94 - 185 = 485 - 185 = 300
財政政策後の均衡点は (Y,rY^*, r^*) = (300, 1.94)
(3) 金融政策の変化: M=405M = 405 に増加
405/3=87+0.2Y50r405/3 = 87 + 0.2Y - 50r
135=87+0.2Y50r135 = 87 + 0.2Y - 50r
48=0.2Y50r48 = 0.2Y - 50r
0.2Y=50r+480.2Y = 50r + 48
Y=250r+240Y = 250r + 240 (新しいLM曲線)
IS曲線は変化しないので、
340(500/3)r=250r+240340 - (500/3)r = 250r + 240
100=(1250/3)r100 = (1250/3)r
r=300/1250=0.24r = 300 / 1250 = 0.24
Y=2500.24+240=60+240=300Y = 250 * 0.24 + 240 = 60 + 240 = 300
金融政策後の均衡点は (Y,rY^*, r^*) = (300, 0.24)

3. 最終的な答え

(1) 財政政策の変更: (300, 1.94)
(2) 金融政策の変更: (300, 0.24)

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