高温物体が空気中に置かれ、ニュートンの冷却の法則に従う。 (a) 冷却の時定数 $\tau$ を用いて、物体の温度 $T$ が従う微分方程式を立てる。 (b) $H(t) = T - T_m$ として、$H$ が従う微分方程式を立てる。ここで、$T_m$は空気の温度である。 (c) 時刻ゼロで $T = T_0$ として、$T(t)$ を求める。 (d) 温度100℃の金属球が室温0℃の部屋に置かれ、20分後に40℃になったとき、30分後の温度を求める。

1. 問題の内容

高温物体が空気中に置かれ、ニュートンの冷却の法則に従う。

(a) 冷却の時定数 $\tau$ を用いて、物体の温度 $T$ が従う微分方程式を立てる。

(b) $H(t) = T - T_m$ として、$H$ が従う微分方程式を立てる。ここで、$T_m$は空気の温度である。

(c) 時刻ゼロで $T = T_0$ として、$T(t)$ を求める。

(d) 温度100℃の金属球が室温0℃の部屋に置かれ、20分後に40℃になったとき、30分後の温度を求める。

2. 解き方の手順

(a) ニュートンの冷却の法則より、$T$の時間変化は温度差に比例するので、以下の微分方程式が成り立つ。

$\frac{dT}{dt} = -\frac{1}{\tau} (T - T_m)$

(b) $H(t) = T - T_m$ を時間で微分すると、$\frac{dH}{dt} = \frac{dT}{dt}$。したがって、(a)の結果を用いると、

$\frac{dH}{dt} = -\frac{1}{\tau} H$

(c) (b)の微分方程式を解く。$\frac{dH}{H} = -\frac{1}{\tau} dt$ より、積分すると、$\ln|H| = -\frac{t}{\tau} + C$。

$H(t) = Ae^{-\frac{t}{\tau}}$ (Aは積分定数)。

$T(t) - T_m = Ae^{-\frac{t}{\tau}}$ となる。

初期条件 $T(0) = T_0$ より、$T_0 - T_m = A$。

したがって、$T(t) = T_m + (T_0 - T_m)e^{-\frac{t}{\tau}}$。

(d) $T_0 = 100$, $T_m = 0$ より、$T(t) = 100e^{-\frac{t}{\tau}}$。

20分後に$T(20) = 40$なので、$40 = 100e^{-\frac{20}{\tau}}$。

$e^{-\frac{20}{\tau}} = \frac{40}{100} = \frac{2}{5}$。

両辺の対数を取ると、$-\frac{20}{\tau} = \ln(\frac{2}{5})$。

$\tau = -\frac{20}{\ln(\frac{2}{5})} = \frac{20}{\ln(\frac{5}{2})}$。

30分後の温度は、$T(30) = 100e^{-\frac{30}{\tau}}$。

$T(30) = 100e^{-\frac{30\ln(\frac{5}{2})}{20}} = 100e^{-\frac{3}{2}\ln(\frac{5}{2})} = 100 (\frac{2}{5})^{\frac{3}{2}} = 100(\frac{2}{5}) \sqrt{\frac{2}{5}} = 40 \sqrt{\frac{2}{5}} = 40 \sqrt{\frac{10}{25}} = \frac{40\sqrt{10}}{5} = 8\sqrt{10} \approx 8 \times 3.16 = 25.28$。

3. 最終的な答え

(a) $\frac{dT}{dt} = -\frac{1}{\tau} (T - T_m)$

(b) $\frac{dH}{dt} = -\frac{1}{\tau} H$

(c) $T(t) = T_m + (T_0 - T_m)e^{-\frac{t}{\tau}}$

(d) $8\sqrt{10}$℃ (約25.28℃)