問題4.5は、放射性炭素($^{14}C$)の崩壊に関する問題です。 (a) 半減期が5730年であるとき、崩壊定数を求めます。 (b) 2000年経過後、$^{14}C$原子数が最初の何%になるかを求めます。

応用数学放射性崩壊指数関数半減期対数
2025/7/25

1. 問題の内容

問題4.5は、放射性炭素(14C^{14}C)の崩壊に関する問題です。
(a) 半減期が5730年であるとき、崩壊定数を求めます。
(b) 2000年経過後、14C^{14}C原子数が最初の何%になるかを求めます。

2. 解き方の手順

(a) 崩壊定数 λ\lambda の計算:
放射性崩壊は指数関数的に減少します。ある時間 tt 後の原子数 N(t)N(t) は、初期原子数 N0N_0 を用いて以下のように表されます。
N(t)=N0eλtN(t) = N_0 e^{-\lambda t}
半減期 T1/2T_{1/2} は、原子数が初期値の半分になる時間です。
N(T1/2)=12N0N(T_{1/2}) = \frac{1}{2} N_0
よって、
12N0=N0eλT1/2\frac{1}{2} N_0 = N_0 e^{-\lambda T_{1/2}}
12=eλT1/2\frac{1}{2} = e^{-\lambda T_{1/2}}
両辺の自然対数を取ると、
ln12=λT1/2\ln \frac{1}{2} = -\lambda T_{1/2}
ln2=λT1/2-\ln 2 = -\lambda T_{1/2}
λ=ln2T1/2\lambda = \frac{\ln 2}{T_{1/2}}
半減期 T1/2=5730T_{1/2} = 5730 年なので、
λ=ln25730\lambda = \frac{\ln 2}{5730}
(b) 2000年後の原子数の割合:
2000年後の原子数 N(2000)N(2000) は、
N(2000)=N0eλ×2000N(2000) = N_0 e^{-\lambda \times 2000}
初期原子数に対する割合は、
N(2000)N0=eλ×2000\frac{N(2000)}{N_0} = e^{-\lambda \times 2000}
N(2000)N0=eln25730×2000\frac{N(2000)}{N_0} = e^{-\frac{\ln 2}{5730} \times 2000}
N(2000)N0=e2000ln25730\frac{N(2000)}{N_0} = e^{-\frac{2000 \ln 2}{5730}}
N(2000)N0=eln220005730\frac{N(2000)}{N_0} = e^{\ln 2^{-\frac{2000}{5730}}}
N(2000)N0=220005730\frac{N(2000)}{N_0} = 2^{-\frac{2000}{5730}}
この値を計算し、100を掛ければパーセントで表せます。

3. 最終的な答え

(a) 崩壊定数 λ=ln257300.000121 year1\lambda = \frac{\ln 2}{5730} \approx 0.000121 \text{ year}^{-1}
(b) 2000年後の14C^{14}C原子数は、初期値の 220005730×10078.5%2^{-\frac{2000}{5730}} \times 100 \approx 78.5 \% になります。

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