この問題は、総需要(AD)曲線と総供給(AS)曲線が与えられた経済モデルにおいて、(1) 政府支出の増加と (2) 名目貨幣供給量の増加が、均衡物価水準にどのような影響を与えるかを求める問題です。AD曲線は $Y = 40 + \frac{300}{P}$、AS曲線は $Y = 160P$ で与えられています。

応用数学経済モデル総需要曲線総供給曲線均衡物価水準代数
2025/7/25

1. 問題の内容

この問題は、総需要(AD)曲線と総供給(AS)曲線が与えられた経済モデルにおいて、(1) 政府支出の増加と (2) 名目貨幣供給量の増加が、均衡物価水準にどのような影響を与えるかを求める問題です。AD曲線は Y=40+300PY = 40 + \frac{300}{P}、AS曲線は Y=160PY = 160P で与えられています。

2. 解き方の手順

(1) 政府支出の増加
* まず、初期状態での均衡を求めます。AD曲線とAS曲線を連立させて解きます。
40+300P=160P40 + \frac{300}{P} = 160P
40P+300=160P240P + 300 = 160P^2
160P240P300=0160P^2 - 40P - 300 = 0
4P2P7.5=04P^2 - P - 7.5 = 0
これを解くと、P=1±14(4)(7.5)8=1±1218=1±118P = \frac{1 \pm \sqrt{1 - 4(4)(-7.5)}}{8} = \frac{1 \pm \sqrt{121}}{8} = \frac{1 \pm 11}{8}
P>0P>0 なので、P=128=1.5P = \frac{12}{8} = 1.5
均衡GDPは、Y=160×1.5=240Y = 160 \times 1.5 = 240
* 次に、政府支出が90だけ増加した場合を考えます。政府支出の増加はAD曲線に影響を与えます。
AD曲線を Y=C+I+GY=C+I+G とすると、ここでは、政府支出の変化分だけAD曲線が変化すると考えます。
ただし、問題文から政府支出の変化をAD曲線にどのように反映させるかは不明瞭なため、ここでは、一旦AD曲線を変化させずに考えます。政府支出が増加しても、AD曲線自体はY=40+300PY = 40 + \frac{300}{P} のままとして、AS曲線との均衡を考えます。
40+300P=160P40 + \frac{300}{P} = 160P
これは初期状態と変わらないため、P=1.5P = 1.5Y=240Y=240 が得られます。
問題文を再検討すると、これは「名目貨幣供給量」は変わらず、「政府支出」が増えた、という条件であることに注意します。IS-LMモデルを考えると、政府支出の増加はIS曲線を右シフトさせ、利子率が上昇します。その結果、クラウディング・アウトが起きる可能性もあります。しかし、問題文にそのような情報は与えられていないため、単純にAD曲線が変化しないものとします。
(2) 名目貨幣供給量の増加
* 名目貨幣供給量が510だけ増加した場合を考えます。
この場合は、AD曲線が変化すると考えます。AD曲線が Y=40+300PY = 40 + \frac{300}{P} と与えられているため、名目貨幣供給量が増加すると、AD曲線は右にシフトします。貨幣数量説 MV=PYMV=PY を考えると、名目貨幣供給量Mが増加すると、物価Pが上昇するか、実質GDPのYが増加するかのいずれか、または両方が起こります。
ここで、Mが150から660に変化するため、4.4倍になります。元の AD曲線 Y=40+300PY = 40 + \frac{300}{P}M=150M=150 のときの AD曲線と考え、新しいAD曲線を Y=40+300P×660150=40+300P×4.4=40+1320PY = 40 + \frac{300}{P} \times \frac{660}{150} = 40 + \frac{300}{P} \times 4.4 = 40 + \frac{1320}{P} とします。
この新しいAD曲線とAS曲線を連立させて解きます。
40+1320P=160P40 + \frac{1320}{P} = 160P
40P+1320=160P240P + 1320 = 160P^2
160P240P1320=0160P^2 - 40P - 1320 = 0
4P2P33=04P^2 - P - 33 = 0
P=1±14(4)(33)8=1±5298=1±238P = \frac{1 \pm \sqrt{1 - 4(4)(-33)}}{8} = \frac{1 \pm \sqrt{529}}{8} = \frac{1 \pm 23}{8}
P>0P>0 なので、P=248=3P = \frac{24}{8} = 3

3. 最終的な答え

(1) 政府支出が90だけ増加した場合の均衡物価水準: 1.5
(2) 名目貨幣供給量が510だけ増加した場合の均衡物価水準: 3

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