確率変数$X$が二項分布$B(n, p)$に従い、その分散が$\frac{8}{9}$である。また、$X$が値$n-1$をとる確率は、$X$が値$n$をとる確率の8倍である。このとき、$n$と$p$の値を求め、さらに$E(X^2 - 3X + 5)$の値を求める。

確率論・統計学二項分布分散期待値確率変数
2025/7/26

1. 問題の内容

確率変数XXが二項分布B(n,p)B(n, p)に従い、その分散が89\frac{8}{9}である。また、XXが値n1n-1をとる確率は、XXが値nnをとる確率の8倍である。このとき、nnppの値を求め、さらにE(X23X+5)E(X^2 - 3X + 5)の値を求める。

2. 解き方の手順

(1) 二項分布B(n,p)B(n, p)に従う確率変数XXの分散はnp(1p)np(1-p)で与えられるので、
np(1p)=89np(1-p) = \frac{8}{9}
である。
また、XXn1n-1をとる確率はnCn1pn1(1p)n(n1)=npn1(1p)nC_{n-1}p^{n-1}(1-p)^{n-(n-1)} = n p^{n-1} (1-p)であり、XXnnをとる確率はnCnpn(1p)nn=pnnC_n p^n (1-p)^{n-n} = p^nである。
問題文より、XXが値n1n-1をとる確率は、XXが値nnをとる確率の8倍なので、
npn1(1p)=8pnn p^{n-1} (1-p) = 8 p^n
p0p \ne 0より、pn1p^{n-1}で割ると、
n(1p)=8pn (1-p) = 8p
n=8p+npn = 8p + np
n(1p)=8pn(1-p) = 8p
1p=8pn1-p = \frac{8p}{n}
n=89n = \frac{8}{9}を代入して
np(1p)=89np(1-p) = \frac{8}{9}
より
n×p×8pn=89n \times p \times \frac{8p}{n} = \frac{8}{9}
8p2=898 p^2 = \frac{8}{9}
p2=19p^2 = \frac{1}{9}
p=13p = \frac{1}{3} (p>0p > 0より)
n(113)=8×13n (1 - \frac{1}{3}) = 8 \times \frac{1}{3}
n×23=83n \times \frac{2}{3} = \frac{8}{3}
n=4n = 4
(2) E(X23X+5)=E(X2)3E(X)+5E(X^2 - 3X + 5) = E(X^2) - 3E(X) + 5
二項分布B(n,p)B(n, p)に従う確率変数XXの期待値はE(X)=npE(X) = npで与えられるので、
E(X)=4×13=43E(X) = 4 \times \frac{1}{3} = \frac{4}{3}
また、V(X)=E(X2)(E(X))2V(X) = E(X^2) - (E(X))^2より、E(X2)=V(X)+(E(X))2E(X^2) = V(X) + (E(X))^2
V(X)=89V(X) = \frac{8}{9}なので、
E(X2)=89+(43)2=89+169=249=83E(X^2) = \frac{8}{9} + (\frac{4}{3})^2 = \frac{8}{9} + \frac{16}{9} = \frac{24}{9} = \frac{8}{3}
E(X23X+5)=833×43+5=83123+153=113=226E(X^2 - 3X + 5) = \frac{8}{3} - 3 \times \frac{4}{3} + 5 = \frac{8}{3} - \frac{12}{3} + \frac{15}{3} = \frac{11}{3} = \frac{22}{6}

3. 最終的な答え

(1) n=4n = 4, p=13p = \frac{1}{3}
(2) E(X23X+5)=226E(X^2 - 3X + 5) = \frac{22}{6}

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