金貨と銀貨を同時に投げる試行を5回繰り返す。金貨が裏なら0点、金貨が表で銀貨が裏なら1点、金貨が表で銀貨も表なら2点が与えられる。5回の試行で得られる合計点数をXとする。 (1) X=1となる確率を求めよ。 (2) X=3となる確率を求めよ。 (3) Xが偶数となる確率を求めよ。ただし、0は偶数とする。

確率論・統計学確率二項分布期待値
2025/7/27

1. 問題の内容

金貨と銀貨を同時に投げる試行を5回繰り返す。金貨が裏なら0点、金貨が表で銀貨が裏なら1点、金貨が表で銀貨も表なら2点が与えられる。5回の試行で得られる合計点数をXとする。
(1) X=1となる確率を求めよ。
(2) X=3となる確率を求めよ。
(3) Xが偶数となる確率を求めよ。ただし、0は偶数とする。

2. 解き方の手順

(1) X=1となる確率
X=1となるのは、5回の試行のうち1回だけ金貨が表で銀貨が裏になり、残りの4回は金貨が裏になる場合である。
1回の試行で、金貨が表で銀貨が裏になる確率は 12×12=14\frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{4} である。
1回の試行で、金貨が裏になる確率は 12\frac{1}{2} である。
したがって、X=1となる確率は、
P(X=1)=5C1×(14)1×(12)4=5×14×116=564P(X=1) = {}_5 C_1 \times (\frac{1}{4})^1 \times (\frac{1}{2})^4 = 5 \times \frac{1}{4} \times \frac{1}{16} = \frac{5}{64}
(2) X=3となる確率
X=3となるのは、次の2つの場合がある。
(a) 金貨が表で銀貨が裏となるのが3回で、残りの2回は金貨が裏となる。
(b) 金貨が表で銀貨が表となるのが1回、金貨が表で銀貨が裏となるのが1回、残りの3回は金貨が裏となる。
(a)の確率は、5C3(14)3(12)2=10×164×14=10256=5128{}_5 C_3 (\frac{1}{4})^3 (\frac{1}{2})^2 = 10 \times \frac{1}{64} \times \frac{1}{4} = \frac{10}{256} = \frac{5}{128}
(b)の確率は、5C1×4C1×(14)1×(14)1×(12)3=5×4×116×18=20128=532{}_5 C_1 \times {}_4 C_1 \times (\frac{1}{4})^1 \times (\frac{1}{4})^1 \times (\frac{1}{2})^3 = 5 \times 4 \times \frac{1}{16} \times \frac{1}{8} = \frac{20}{128} = \frac{5}{32}
したがって、X=3となる確率は、
P(X=3)=5128+532=5128+20128=25128P(X=3) = \frac{5}{128} + \frac{5}{32} = \frac{5}{128} + \frac{20}{128} = \frac{25}{128}
(3) Xが偶数となる確率
各試行で得られる点数は0, 1, 2のいずれかであり、それぞれの確率は 12,14,14\frac{1}{2}, \frac{1}{4}, \frac{1}{4} である。
Xが偶数になるのは、X = 0, 2, 4, 6, 8, 10 の場合である。
Xが奇数になるのは、X = 1, 3, 5, 7, 9 の場合である。
各試行で得られる点数が偶数である確率は 12+14=34\frac{1}{2} + \frac{1}{4} = \frac{3}{4}、奇数である確率は 14\frac{1}{4} である。
Xが偶数である確率をPevenP_{even}, 奇数である確率をPoddP_{odd}とおくと、
Peven+Podd=1P_{even} + P_{odd} = 1が成り立つ。
それぞれの試行で得られる点数をaia_iとする。
X=a1+a2+a3+a4+a5X = a_1 + a_2 + a_3 + a_4 + a_5
XXが偶数になる確率をpp, 奇数になる確率をqqとする。
1回の試行で、偶数点になる確率はP(ai=0 or 2)=12+14=34P(a_i = 0 \text{ or } 2) = \frac{1}{2} + \frac{1}{4} = \frac{3}{4}
奇数点になる確率はP(ai=1)=14P(a_i = 1) = \frac{1}{4}
(34+14)5=1(\frac{3}{4} + \frac{1}{4})^5 = 1
(3414)5=(12)5=132(\frac{3}{4} - \frac{1}{4})^5 = (\frac{1}{2})^5 = \frac{1}{32}
PevenPodd=(3414)5=132P_{even} - P_{odd} = (\frac{3}{4} - \frac{1}{4})^5 = \frac{1}{32}
Peven+Podd=1P_{even} + P_{odd} = 1
2Peven=1+132=33322P_{even} = 1 + \frac{1}{32} = \frac{33}{32}
Peven=3364P_{even} = \frac{33}{64}

3. 最終的な答え

(1) X=1となる確率は、564\frac{5}{64}
(2) X=3となる確率は、25128\frac{25}{128}
(3) Xが偶数となる確率は、3364\frac{33}{64}

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