全体集合 $U$ を自然数全体の集合とし、その部分集合 $A, B, C, D, E$ を次のように定める。 $A = \{x | x \text{は2の倍数}\}$ $B = \{x | x \text{は3の倍数}\}$ $C = \{x | x \text{は4の倍数}\}$ $D = \{x | x \text{は6の倍数}\}$ $E = \{x | x \text{は12の倍数}\}$ 集合 $X$ の補集合を $\overline{X}$ と表し、空集合を $\emptyset$ と表す。 (1) 次のア, イに当てはまるものを、下の0〜5のうちから一つずつ選べ。 $A$ ア $\overline{A} = U$, $A$ イ $\overline{A} = \emptyset$ (2) 次のウに当てはまるものを、下の0〜3のうちから一つ選べ。 ウ $= \emptyset$ (3) 次の エ に当てはまるものを、下の0〜3のうちから一つ選べ。 $A \cap B \cap D$ エ $E$ (4) 次のオに当てはまるものを、下の0〜3のうちから一つ選べ。 $x \in (A \cup C) \cap (\overline{B} \cup \overline{D})$ であることは、$x \in A \cap D$ であるための オ

離散数学集合補集合共通部分和集合必要条件と十分条件
2025/7/27

1. 問題の内容

全体集合 UU を自然数全体の集合とし、その部分集合 A,B,C,D,EA, B, C, D, E を次のように定める。
A={xxは2の倍数}A = \{x | x \text{は2の倍数}\}
B={xxは3の倍数}B = \{x | x \text{は3の倍数}\}
C={xxは4の倍数}C = \{x | x \text{は4の倍数}\}
D={xxは6の倍数}D = \{x | x \text{は6の倍数}\}
E={xxは12の倍数}E = \{x | x \text{は12の倍数}\}
集合 XX の補集合を X\overline{X} と表し、空集合を \emptyset と表す。
(1) 次のア, イに当てはまるものを、下の0〜5のうちから一つずつ選べ。
AAA=U\overline{A} = U, AAA=\overline{A} = \emptyset
(2) 次のウに当てはまるものを、下の0〜3のうちから一つ選べ。
== \emptyset
(3) 次の エ に当てはまるものを、下の0〜3のうちから一つ選べ。
ABDA \cap B \cap DEE
(4) 次のオに当てはまるものを、下の0〜3のうちから一つ選べ。
x(AC)(BD)x \in (A \cup C) \cap (\overline{B} \cup \overline{D}) であることは、xADx \in A \cap D であるための オ

2. 解き方の手順

(1)
ア:AAA\overline{A} を合わせると全体集合になるので、和集合を表す記号 4 ( \cup ) が当てはまる。
AA=UA \cup \overline{A} = U
イ:AAA\overline{A} に共通の要素はないので、共通部分(積集合)は空集合になる。したがって、積集合を表す記号 5 ( \cap ) が当てはまる。
AA=A \cap \overline{A} = \emptyset
(2)
A={xxは2の倍数}A = \{x | x \text{は2の倍数}\}
C={xxは4の倍数}C = \{x | x \text{は4の倍数}\}
A={xxは2の倍数ではない}\overline{A} = \{x | x \text{は2の倍数ではない}\}
C={xxは4の倍数ではない}\overline{C} = \{x | x \text{は4の倍数ではない}\}
AC=AA \cup C = A (∵ CAC \subset A)
AC=A\overline{A \cup C} = \overline{A}
AC=CA \cap C = C (∵ CAC \subset A)
AC={xxは4の倍数であり、かつ2の倍数ではない}\overline{A} \cap C = \{x | x \text{は4の倍数であり、かつ2の倍数ではない}\}
AC=UA \cup \overline{C} = U
AC={xxは2の倍数であり、かつ4の倍数ではない}A \cap \overline{C} = \{x | x \text{は2の倍数であり、かつ4の倍数ではない}\}
したがって、空集合になるのは AC\overline{A} \cap C
(3)
ABD={xxは2の倍数かつ3の倍数かつ6の倍数}A \cap B \cap D = \{x | x \text{は2の倍数かつ3の倍数かつ6の倍数}\}
xx が 2, 3, 6 の倍数であるということは、xx が 6 の倍数であるということと同値。
ABD={xxは6の倍数}=DA \cap B \cap D = \{x | x \text{は6の倍数}\} = D
E={xxは12の倍数}E = \{x | x \text{は12の倍数}\}
DED \supset E なので、ABDEA \cap B \cap D \supset E
(4)
x(AC)(BD)x \in (A \cup C) \cap (\overline{B} \cup \overline{D}) であることは、xADx \in A \cap D であるための条件を考える。
AC=AA \cup C = A (∵ CAC \subset A)
BD={xxは3の倍数ではない、または6の倍数ではない}\overline{B} \cup \overline{D} = \{x | x \text{は3の倍数ではない、または6の倍数ではない}\}
xA(BD)x \in A \cap (\overline{B} \cup \overline{D})
AD={xxは2の倍数かつ6の倍数}={xxは6の倍数}A \cap D = \{x | x \text{は2の倍数かつ6の倍数}\} = \{x | x \text{は6の倍数}\} = D
x(AC)(BD)x \in (A \cup C) \cap (\overline{B} \cup \overline{D})xA(BD)x \in A \cap (\overline{B} \cup \overline{D}) と同じ。
xADx \in A \cap D を仮定すると、xx は6の倍数。よって、xx は2の倍数であり、かつ6の倍数。
このとき、xx は3の倍数ではない、または6の倍数ではない、ということはない。
したがって、xA(BD)x \in A \cap (\overline{B} \cup \overline{D}) は成り立たない。
つまり、x(AC)(BD)x \in (A \cup C) \cap (\overline{B} \cup \overline{D})xADx \in A \cap D であるための必要条件ではない。
x(AC)(BD)x \in (A \cup C) \cap (\overline{B} \cup \overline{D}) を仮定すると、xAx \in A かつ xBDx \in \overline{B} \cup \overline{D}
xxAA に属するので、xx は2の倍数。
xxBD\overline{B} \cup \overline{D} に属するので、xx は3の倍数ではない、または6の倍数ではない。
xx が3の倍数ではないならば、xx は6の倍数ではないので、この時点でxDx \in D が成り立つことはない。
xx が6の倍数ではない場合も、xDx \in D が成り立つことはない。
したがって、x(AC)(BD)x \in (A \cup C) \cap (\overline{B} \cup \overline{D})xADx \in A \cap D であるための十分条件ではない。
ゆえに、必要条件でも十分条件でもない。

3. 最終的な答え

(1) ア: 4, イ: 5
(2) ウ: 1
(3) エ: 3
(4) オ: 3

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