半径 $a$ の球の表面積が $4\pi a^2$ で与えられることを、球面の方程式 $x^2 + y^2 + z^2 = a^2$ を用いて、面積素 $dS$ を計算することで示します。

1. 問題の内容

半径 $a$ の球の表面積が $4\pi a^2$ で与えられることを、球面の方程式 $x^2 + y^2 + z^2 = a^2$ を用いて、面積素 $dS$ を計算することで示します。

2. 解き方の手順

まず、球の方程式 $x^2 + y^2 + z^2 = a^2$ から、$z$ について解きます。

$z = \pm \sqrt{a^2 - x^2 - y^2}$

ここで、球面上半分の面積を計算し、それを2倍することで全体の表面積を求めることにします。そのため、$z = \sqrt{a^2 - x^2 - y^2}$ とします。

次に、面積素 $dS$ を求めます。$z = f(x, y)$ で表される曲面の面積素は次の式で与えられます。

$dS = \sqrt{1 + (\frac{\partial z}{\partial x})^2 + (\frac{\partial z}{\partial y})^2} \, dx \, dy$

偏微分を計算します。

$\frac{\partial z}{\partial x} = \frac{-x}{\sqrt{a^2 - x^2 - y^2}}$

$\frac{\partial z}{\partial y} = \frac{-y}{\sqrt{a^2 - x^2 - y^2}}$

これを $dS$ の式に代入します。

$dS = \sqrt{1 + \frac{x^2}{a^2 - x^2 - y^2} + \frac{y^2}{a^2 - x^2 - y^2}} \, dx \, dy$

$dS = \sqrt{\frac{a^2 - x^2 - y^2 + x^2 + y^2}{a^2 - x^2 - y^2}} \, dx \, dy$

$dS = \frac{a}{\sqrt{a^2 - x^2 - y^2}} \, dx \, dy$

球の表面積 $S$ は、$dS$ を積分することで求められます。

$S = 2 \iint dS = 2 \iint \frac{a}{\sqrt{a^2 - x^2 - y^2}} \, dx \, dy$

積分範囲は、$x^2 + y^2 \leq a^2$ です。極座標変換 $x = r\cos\theta$, $y = r\sin\theta$ を行います。$dx \, dy = r \, dr \, d\theta$ であり、積分範囲は $0 \leq r \leq a$, $0 \leq \theta \leq 2\pi$ となります。

$S = 2 \int_0^{2\pi} \int_0^a \frac{a}{\sqrt{a^2 - r^2}} r \, dr \, d\theta$

$u = a^2 - r^2$ と置換すると、$du = -2r \, dr$ となり、$r \, dr = -\frac{1}{2} \, du$ です。

$r=0$ のとき $u=a^2$、$r=a$ のとき $u=0$ となります。

$S = 2 \int_0^{2\pi} \int_{a^2}^0 \frac{a}{\sqrt{u}} (-\frac{1}{2}) \, du \, d\theta$

$S = a \int_0^{2\pi} \int_0^{a^2} u^{-\frac{1}{2}} \, du \, d\theta$

$S = a \int_0^{2\pi} [2u^{\frac{1}{2}}]_0^{a^2} \, d\theta$

$S = a \int_0^{2\pi} 2a \, d\theta$

$S = 2a^2 \int_0^{2\pi} d\theta$

$S = 2a^2 [ \theta ]_0^{2\pi}$

$S = 2a^2 (2\pi)$

$S = 4\pi a^2$

3. 最終的な答え

半径 $a$ の球の表面積は $4\pi a^2$ である。