1からnまでの数字が書かれたカードがあり、数字kが書かれたカードはk枚存在する。この中から1枚のカードを取り出すとき、取り出したカードに書かれた数を確率変数Xとする。(1)確率変数Xがkである確率$p_k$を求めよ。(2)確率変数Xの平均値mを求めよ。(3)確率変数Xの標準偏差$\sigma$を求めよ。

確率論・統計学確率期待値標準偏差確率変数分布
2025/7/28

1. 問題の内容

1からnまでの数字が書かれたカードがあり、数字kが書かれたカードはk枚存在する。この中から1枚のカードを取り出すとき、取り出したカードに書かれた数を確率変数Xとする。(1)確率変数Xがkである確率pkp_kを求めよ。(2)確率変数Xの平均値mを求めよ。(3)確率変数Xの標準偏差σ\sigmaを求めよ。

2. 解き方の手順

(1)確率pkp_kの導出
まず、カードの総数を計算します。
カードの総数は、1+2+3+...+n = n(n+1)2\frac{n(n+1)}{2}枚です。
X=kX=kである確率は、kkと書かれたカードの枚数をカードの総数で割ったものです。
したがって、pk=kn(n+1)2=2kn(n+1)p_k = \frac{k}{\frac{n(n+1)}{2}} = \frac{2k}{n(n+1)}です。
(2)平均値mの導出
平均値mは、確率変数Xの期待値として計算されます。
m=E[X]=k=1nkpk=k=1nk2kn(n+1)=2n(n+1)k=1nk2m = E[X] = \sum_{k=1}^{n} k \cdot p_k = \sum_{k=1}^{n} k \cdot \frac{2k}{n(n+1)} = \frac{2}{n(n+1)} \sum_{k=1}^{n} k^2
ここで、k=1nk2=n(n+1)(2n+1)6\sum_{k=1}^{n} k^2 = \frac{n(n+1)(2n+1)}{6}であるため、
m=2n(n+1)n(n+1)(2n+1)6=2n+13m = \frac{2}{n(n+1)} \cdot \frac{n(n+1)(2n+1)}{6} = \frac{2n+1}{3}
(3)標準偏差σ\sigmaの導出
標準偏差σ\sigmaを求めるために、まず分散V[X]V[X]を計算します。
V[X]=E[X2](E[X])2V[X] = E[X^2] - (E[X])^2
E[X2]=k=1nk2pk=k=1nk22kn(n+1)=2n(n+1)k=1nk3E[X^2] = \sum_{k=1}^{n} k^2 \cdot p_k = \sum_{k=1}^{n} k^2 \cdot \frac{2k}{n(n+1)} = \frac{2}{n(n+1)} \sum_{k=1}^{n} k^3
ここで、k=1nk3=(n(n+1)2)2\sum_{k=1}^{n} k^3 = (\frac{n(n+1)}{2})^2であるため、
E[X2]=2n(n+1)(n(n+1)2)2=n(n+1)2E[X^2] = \frac{2}{n(n+1)} \cdot (\frac{n(n+1)}{2})^2 = \frac{n(n+1)}{2}
したがって、V[X]=n(n+1)2(2n+13)2=n(n+1)24n2+4n+19=9n2+9n8n28n218=n2+n218=(n1)(n+2)18V[X] = \frac{n(n+1)}{2} - (\frac{2n+1}{3})^2 = \frac{n(n+1)}{2} - \frac{4n^2+4n+1}{9} = \frac{9n^2+9n-8n^2-8n-2}{18} = \frac{n^2+n-2}{18} = \frac{(n-1)(n+2)}{18}
標準偏差σ\sigmaは、分散の平方根として計算されます。
σ=V[X]=(n1)(n+2)18=(n1)(n+2)18=2(n1)(n+2)6\sigma = \sqrt{V[X]} = \sqrt{\frac{(n-1)(n+2)}{18}} = \sqrt{\frac{(n-1)(n+2)}{18}} = \frac{\sqrt{2(n-1)(n+2)}}{6}

3. 最終的な答え

(1) pk=2kn(n+1)p_k = \frac{2k}{n(n+1)}
(2) m=2n+13m = \frac{2n+1}{3}
(3) σ=2(n1)(n+2)6\sigma = \frac{\sqrt{2(n-1)(n+2)}}{6}

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