数列 $\{a_n\}$ が次の漸化式で定義されている: $a_1 = 2$ $a_{n+1} = \frac{1}{2}(a_n + \frac{2}{a_n})$ (n=1, 2, 3, ...) このとき、以下のことを示す。 (1) すべての $n$ について $a_n \ge \sqrt{2}$ (2) 数列 $\{a_n\}$ は単調減少する。 (3) 数列 $\{a_n\}$ は $\sqrt{2}$ に収束する。

1. 問題の内容

数列 $\{a_n\}$ が次の漸化式で定義されている:

$a_1 = 2$

$a_{n+1} = \frac{1}{2}(a_n + \frac{2}{a_n})$ (n=1, 2, 3, ...)

このとき、以下のことを示す。

(1) すべての $n$ について $a_n \ge \sqrt{2}$

(2) 数列 $\{a_n\}$ は単調減少する。

(3) 数列 $\{a_n\}$ は $\sqrt{2}$ に収束する。

2. 解き方の手順

(1) すべての $n$ について $a_n \ge \sqrt{2}$ を示す。数学的帰納法を用いる。

(i) $n=1$ のとき、$a_1 = 2 \ge \sqrt{2}$ なので成立。

(ii) $n=k$ のとき、$a_k \ge \sqrt{2}$ と仮定する。このとき、$a_{k+1} \ge \sqrt{2}$ を示す。

$a_{k+1} = \frac{1}{2}(a_k + \frac{2}{a_k})$

相加相乗平均の不等式より、

$\frac{a_k + \frac{2}{a_k}}{2} \ge \sqrt{a_k \cdot \frac{2}{a_k}} = \sqrt{2}$

よって、$a_{k+1} \ge \sqrt{2}$

したがって、すべての $n$ について $a_n \ge \sqrt{2}$ が成り立つ。

(2) 数列 $\{a_n\}$ は単調減少することを示す。すなわち、$a_{n+1} \le a_n$ を示す。

$a_{n+1} - a_n = \frac{1}{2}(a_n + \frac{2}{a_n}) - a_n = \frac{1}{2}(\frac{2}{a_n} - a_n) = \frac{1 - a_n^2/2}{a_n} = \frac{2-a_n^2}{2a_n}$

(1) より $a_n \ge \sqrt{2}$ であるから、$a_n^2 \ge 2$。よって $2 - a_n^2 \le 0$。

また、$a_n > 0$ であるから、$2a_n > 0$。

したがって、$a_{n+1} - a_n = \frac{2-a_n^2}{2a_n} \le 0$ となり、$a_{n+1} \le a_n$ が成り立つ。

よって、数列 $\{a_n\}$ は単調減少する。

(3) 数列 $\{a_n\}$ は $\sqrt{2}$ に収束することを示す。

(1) より $a_n \ge \sqrt{2}$ であり、(2) より単調減少であるから、数列 $\{a_n\}$ は下に有界な単調減少数列である。

したがって、数列 $\{a_n\}$ は収束する。

$\lim_{n \to \infty} a_n = \alpha$ とおく。このとき、$\alpha \ge \sqrt{2}$ である。

漸化式 $a_{n+1} = \frac{1}{2}(a_n + \frac{2}{a_n})$ で $n \to \infty$ とすると、

$\alpha = \frac{1}{2}(\alpha + \frac{2}{\alpha})$

$2\alpha = \alpha + \frac{2}{\alpha}$

$\alpha = \frac{2}{\alpha}$

$\alpha^2 = 2$

$\alpha = \pm \sqrt{2}$

$\alpha \ge \sqrt{2}$ より、$\alpha = \sqrt{2}$。

したがって、数列 $\{a_n\}$ は $\sqrt{2}$ に収束する。

3. 最終的な答え

(1) すべての $n$ について $a_n \ge \sqrt{2}$

(2) 数列 $\{a_n\}$ は単調減少する。

(3) 数列 $\{a_n\}$ は $\sqrt{2}$ に収束する。