$n$ を自然数とするとき、$y = \sin x$ の第 $n$ 次導関数を求める。

解析学三角関数微分導関数数学的帰納法
2025/7/30

1. 問題の内容

nn を自然数とするとき、y=sinxy = \sin x の第 nn 次導関数を求める。

2. 解き方の手順

まず、sinx\sin x の導関数をいくつか計算して、規則性を見つける。
y=sinxy = \sin x
y=cosx=sin(x+π2)y' = \cos x = \sin(x + \frac{\pi}{2})
y=sinx=sin(x+π)=sin(x+2π2)y'' = -\sin x = \sin(x + \pi) = \sin(x + 2\frac{\pi}{2})
y=cosx=sin(x+3π2)y''' = -\cos x = \sin(x + \frac{3\pi}{2})
y=sinx=sin(x+2π)=sin(x+4π2)y'''' = \sin x = \sin(x + 2\pi) = \sin(x + 4\frac{\pi}{2})
上記から、sinx\sin x を微分するたびに、引数に π2\frac{\pi}{2} が加算されていることがわかる。
したがって、第 nn 次導関数は、
y(n)=sin(x+nπ2)y^{(n)} = \sin(x + n\frac{\pi}{2}) と推測できる。
これを数学的帰納法を用いて証明する。
(1) n=1n = 1 のとき
y=cosx=sin(x+π2)y' = \cos x = \sin(x + \frac{\pi}{2}) となり、成り立つ。
(2) n=kn = k のとき、y(k)=sin(x+kπ2)y^{(k)} = \sin(x + k\frac{\pi}{2}) が成り立つと仮定する。
(3) n=k+1n = k+1 のとき
y(k+1)=ddxy(k)=ddxsin(x+kπ2)=cos(x+kπ2)y^{(k+1)} = \frac{d}{dx} y^{(k)} = \frac{d}{dx} \sin(x + k\frac{\pi}{2}) = \cos(x + k\frac{\pi}{2})
cos(x+kπ2)=sin((x+kπ2)+π2)=sin(x+(k+1)π2)\cos(x + k\frac{\pi}{2}) = \sin((x + k\frac{\pi}{2}) + \frac{\pi}{2}) = \sin(x + (k+1)\frac{\pi}{2})
したがって、n=k+1n = k+1 のときも成り立つ。
(1)(2)(3)より、数学的帰納法によって、y=sinxy = \sin x の第 nn 次導関数は、y(n)=sin(x+nπ2)y^{(n)} = \sin(x + n\frac{\pi}{2}) である。

3. 最終的な答え

sin(x+nπ2)\sin(x + n\frac{\pi}{2})

「解析学」の関連問題

与えられた4つの極限値を求める問題です。 (1) $\lim_{x \to 1} \frac{x^3 - 4x^2 + 2x + 1}{x^5 - 1}$ (2) $\lim_{x \to 0} \f...

極限ロピタルの定理微分指数関数対数関数三角関数
2025/8/2

与えられた曲線上の、指定された $x$ 座標に対応する点における法線の方程式を求める問題です。 (1) $y = x^3 - 3x^2 - 1$ で、$x = 3$ の場合。 (2) $y = \ta...

微分接線法線導関数
2025/8/2

与えられた曲線上の、指定された $x$ 座標に対応する点における接線の方程式を求める問題です。具体的には、以下の4つの曲線と対応する $x$ の値に対して接線を求めます。 (1) $y = x^2 -...

微分接線導関数
2025/8/2

与えられた関数の指定された $x$ の値における接線の方程式を求める。 (1) $y = x^2 - x$ , $x=3$ (2) $y = \frac{1}{x}$ , $x=2$ (3) $y =...

微分接線導関数
2025/8/2

問題は以下の4つのパートに分かれています。 (1) 三角関数の値を求める問題 (2) 対数の計算問題 (3) 関数の微分問題 (4) 不定積分/定積分の計算問題

三角関数対数微分積分定積分不定積分
2025/8/2

与えられた関数 $y = \cos x^3$ の微分を求めなさい。

微分合成関数連鎖律三角関数
2025/8/2

関数 $y = \sin(x^2)$ を微分せよ。

微分合成関数三角関数
2025/8/2

与えられた関数を微分する問題です。 (1) $y = \sin^{-1} 3x$ (2) $y = \sin^{-1} \frac{x}{3}$ (3) $y = \cos^{-1} 3x$ (4) ...

微分逆三角関数合成関数の微分
2025/8/2

関数 $y = \cos(x^2)$ を微分してください。

微分連鎖律三角関数合成関数
2025/8/2

$\frac{13}{12}\pi = \frac{\pi}{3} + \frac{3}{4}\pi$ および $\frac{19}{12}\pi = \frac{3}{4}\pi + \frac{5...

三角関数加法定理sincostan三角関数の値
2025/8/2