与えられた関数 $f(x)$ について、以下の問いに答えます。 (1) $x=0$ における連続性を調べます。 (2) $x=0$ における左微分係数 $f'_{-}(0)$ と右微分係数 $f'_{+}(0)$ を求め、$x=0$ における微分可能性を調べます。

解析学関数の連続性微分可能性左微分係数右微分係数極限マクローリン展開
2025/8/2

1. 問題の内容

与えられた関数 f(x)f(x) について、以下の問いに答えます。
(1) x=0x=0 における連続性を調べます。
(2) x=0x=0 における左微分係数 f(0)f'_{-}(0) と右微分係数 f+(0)f'_{+}(0) を求め、x=0x=0 における微分可能性を調べます。

2. 解き方の手順

(1) 連続性について
x=0x=0 で連続であるためには、以下の3つの条件が満たされる必要があります。
i. f(0)f(0) が定義されている。
ii. limx0f(x)\lim_{x \to 0} f(x) が存在する。
iii. limx0f(x)=f(0)\lim_{x \to 0} f(x) = f(0)
まず、f(0)f(0) を計算します。x0x \le 0 の場合、f(x)=(x+1)2f(x) = (x+1)^2 なので、f(0)=(0+1)2=1f(0) = (0+1)^2 = 1 です。
次に、limx0f(x)\lim_{x \to 0} f(x) を調べます。左極限と右極限をそれぞれ計算します。
左極限:
limx0f(x)=limx0(x+1)2=(0+1)2=1\lim_{x \to 0^-} f(x) = \lim_{x \to 0^-} (x+1)^2 = (0+1)^2 = 1
右極限:
limx0+f(x)=limx0+sinxx=1\lim_{x \to 0^+} f(x) = \lim_{x \to 0^+} \frac{\sin x}{x} = 1
左極限と右極限が一致するので、limx0f(x)=1\lim_{x \to 0} f(x) = 1 です。
最後に、limx0f(x)=f(0)\lim_{x \to 0} f(x) = f(0) であることを確認します。limx0f(x)=1\lim_{x \to 0} f(x) = 1 であり、f(0)=1f(0) = 1 なので、条件は満たされます。
(2) 微分可能性について
f(0)f'_{-}(0)f+(0)f'_{+}(0) を計算します。
f(0)=limh0f(0+h)f(0)h=limh0(h+1)21h=limh0h2+2h+11h=limh0h2+2hh=limh0(h+2)=2f'_{-}(0) = \lim_{h \to 0^-} \frac{f(0+h) - f(0)}{h} = \lim_{h \to 0^-} \frac{(h+1)^2 - 1}{h} = \lim_{h \to 0^-} \frac{h^2 + 2h + 1 - 1}{h} = \lim_{h \to 0^-} \frac{h^2 + 2h}{h} = \lim_{h \to 0^-} (h+2) = 2
f+(0)=limh0+f(0+h)f(0)h=limh0+sinhh1h=limh0+sinhhh2f'_{+}(0) = \lim_{h \to 0^+} \frac{f(0+h) - f(0)}{h} = \lim_{h \to 0^+} \frac{\frac{\sin h}{h} - 1}{h} = \lim_{h \to 0^+} \frac{\sin h - h}{h^2}
ここで、sinh\sin h のマクローリン展開を利用します。sinh=hh33!+h55!...\sin h = h - \frac{h^3}{3!} + \frac{h^5}{5!} - ...
f+(0)=limh0+hh33!+h55!...hh2=limh0+h36+h5120...h2=limh0+(h6+h3120...)=0f'_{+}(0) = \lim_{h \to 0^+} \frac{h - \frac{h^3}{3!} + \frac{h^5}{5!} - ... - h}{h^2} = \lim_{h \to 0^+} \frac{-\frac{h^3}{6} + \frac{h^5}{120} - ...}{h^2} = \lim_{h \to 0^+} (-\frac{h}{6} + \frac{h^3}{120} - ...) = 0
f(0)=2f'_{-}(0) = 2 であり、f+(0)=0f'_{+}(0) = 0 であるため、f(0)f+(0)f'_{-}(0) \ne f'_{+}(0) となり、x=0x=0 において微分可能ではありません。

3. 最終的な答え

(1) x=0x=0 において連続である。
(2) f(0)=2f'_{-}(0) = 2, f+(0)=0f'_{+}(0) = 0, x=0x=0 において微分可能ではない。

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