$t > 0$ とする。$xy$ 平面上に直線 $l_1: x = t$ と放物線 $C: y = 2x^2$ がある。$C$ と $l_1$ の共有点を $P$ とし、$P$ における $C$ の接線を $l_2$ とする。$l_2$ に関して $l_1$ と対称な直線を $l_3$ とし、$l_3$ と $C$ の共有点のうち $P$ と異なる点を $Q$ とする。以下の問いに答えよ。 (1) 接線 $l_2$ の方程式を求めよ。 (2) 直線 $l_3$ の方程式を求めよ。 (3) 線分 $PQ$ の長さを $t$ を用いて表せ。 (4) $t$ が $t > 0$ の範囲を動くとき、線分 $PQ$ の長さの最小値を求めよ。

幾何学放物線接線対称座標微分
2025/3/6

1. 問題の内容

t>0t > 0 とする。xyxy 平面上に直線 l1:x=tl_1: x = t と放物線 C:y=2x2C: y = 2x^2 がある。CCl1l_1 の共有点を PP とし、PP における CC の接線を l2l_2 とする。l2l_2 に関して l1l_1 と対称な直線を l3l_3 とし、l3l_3CC の共有点のうち PP と異なる点を QQ とする。以下の問いに答えよ。
(1) 接線 l2l_2 の方程式を求めよ。
(2) 直線 l3l_3 の方程式を求めよ。
(3) 線分 PQPQ の長さを tt を用いて表せ。
(4) ttt>0t > 0 の範囲を動くとき、線分 PQPQ の長さの最小値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 点 PP の座標は、直線 l1:x=tl_1: x = t と放物線 C:y=2x2C: y = 2x^2 の交点なので、P(t,2t2)P(t, 2t^2) である。
放物線 C:y=2x2C: y = 2x^2 を微分すると、y=4xy' = 4x である。
PP における接線 l2l_2 の傾きは 4t4t なので、l2l_2 の方程式は、
y2t2=4t(xt)y - 2t^2 = 4t(x - t)
y=4tx4t2+2t2y = 4tx - 4t^2 + 2t^2
y=4tx2t2y = 4tx - 2t^2
(2) 直線 l1:x=tl_1: x = t に関して l2:y=4tx2t2l_2: y = 4tx - 2t^2 と対称な直線 l3l_3 を求める。
l2l_2 上の任意の点 (x,y)(x, y) をとる。直線 l1l_1 に関して (x,y)(x, y) と対称な点を (x,y)(x', y') とすると、
x=2txx' = 2t - x
y=yy' = y
x=2txx = 2t - x'
これを l2l_2 の式に代入すると、
y=4t(2tx)2t2y' = 4t(2t - x') - 2t^2
y=8t24tx2t2y' = 8t^2 - 4tx' - 2t^2
y=4tx+6t2y' = -4tx' + 6t^2
したがって、直線 l3l_3 の方程式は y=4tx+6t2y = -4tx + 6t^2 である。
(3) 点 QQ は直線 l3:y=4tx+6t2l_3: y = -4tx + 6t^2 と放物線 C:y=2x2C: y = 2x^2 の交点である。
2x2=4tx+6t22x^2 = -4tx + 6t^2
x2+2tx3t2=0x^2 + 2tx - 3t^2 = 0
(x+3t)(xt)=0(x + 3t)(x - t) = 0
x=t,3tx = t, -3t
QQ は点 PP と異なるので、x=3tx = -3t である。
したがって、Q(3t,2(3t)2)=Q(3t,18t2)Q(-3t, 2(-3t)^2) = Q(-3t, 18t^2) である。
PQ=(3tt)2+(18t22t2)2=(4t)2+(16t2)2=16t2+256t4=16t2(1+16t2)=4t1+16t2PQ = \sqrt{(-3t - t)^2 + (18t^2 - 2t^2)^2} = \sqrt{(-4t)^2 + (16t^2)^2} = \sqrt{16t^2 + 256t^4} = \sqrt{16t^2(1 + 16t^2)} = 4t\sqrt{1 + 16t^2}
(4) PQ=4t1+16t2PQ = 4t\sqrt{1 + 16t^2} の最小値を求める。
f(t)=4t1+16t2f(t) = 4t\sqrt{1 + 16t^2} とおく。
f(t)=41+16t2+4t121+16t2(32t)=41+16t2+64t21+16t2f'(t) = 4\sqrt{1 + 16t^2} + 4t \frac{1}{2\sqrt{1 + 16t^2}}(32t) = 4\sqrt{1 + 16t^2} + \frac{64t^2}{\sqrt{1 + 16t^2}}
=4(1+16t2)+64t21+16t2=4+64t2+64t21+16t2=4+128t21+16t2= \frac{4(1 + 16t^2) + 64t^2}{\sqrt{1 + 16t^2}} = \frac{4 + 64t^2 + 64t^2}{\sqrt{1 + 16t^2}} = \frac{4 + 128t^2}{\sqrt{1 + 16t^2}}
f(t)>0f'(t) > 0 なので、f(t)f(t) は単調増加である。したがって、t>0t > 0 の範囲では最小値は存在しない。
PQ2=16t2(1+16t2)=16t2+256t4PQ^2 = 16t^2(1+16t^2)=16t^2+256t^4
u=t2u = t^2 とすると、PQ2=16u+256u2PQ^2 = 16u+256u^2
d(PQ2)du=16+512u=0\frac{d(PQ^2)}{du} = 16+512u=0
u=16512=132u = -\frac{16}{512} = -\frac{1}{32}
これは、t>0t>0 の範囲ではない。
ここで、g(t)=PQ=4t1+16t2g(t) = PQ = 4t\sqrt{1 + 16t^2} とする。相加相乗平均の関係を使うことを考える。
PQ=16t2+256t4=16t2(1+16t2)PQ = \sqrt{16t^2 + 256t^4} = \sqrt{16t^2(1 + 16t^2)}
微分して増減表を書いてみる。
g(t)=4+128t21+16t2g'(t) = \frac{4+128t^2}{\sqrt{1+16t^2}}
常に正の値なので、t>0t > 0 においては最小値は存在しない。
PQ=4t1+16t2PQ = 4t \sqrt{1+16t^2}.
u=16t2u = 16t^2 とすると、 t=u/4t = \sqrt{u}/4.
PQ=4(u/4)1+u=u(1+u)=u2+uPQ = 4 (\sqrt{u}/4) \sqrt{1+u} = \sqrt{u(1+u)} = \sqrt{u^2+u}
f(u)=u2+uf(u) = u^2+u を最小化する。 f(u)=2u+1=0f'(u) = 2u+1 = 0, u=1/2u = -1/2.
これは t2>0t^2 > 0 なので矛盾。
tt が限りなく 00 に近づくと、PQPQ も限りなく 00 に近づく。したがって、最小値は存在しない。しかし、問題には最小値を求めよ、と書いてある。
f(t)=16t2+256t4f(t) = 16t^2 + 256t^4
f(t)=32t+1024t3=32t(1+32t2)=0f'(t) = 32t + 1024t^3 = 32t(1 + 32t^2) = 0
t=0t = 0t>0t > 0 に反するので不適。したがって、最小値は存在しない。
ただし、相加相乗平均を使えば、
16t2+1216t2=8t16t^2 + 1 \ge 2\sqrt{16t^2} = 8t.
よって、16t2+256t42256t6=32t316t^2 + 256t^4 \ge 2\sqrt{256t^6} = 32t^3.
4t1+16t24t\sqrt{1 + 16t^2}
PQ2=16t2+256t4=(16t2+1)1+256t4PQ^2 = 16t^2 + 256t^4 = (16t^2 + 1) - 1 + 256t^4

3. 最終的な答え

(1) y=4tx2t2y = 4tx - 2t^2
(2) y=4tx+6t2y = -4tx + 6t^2
(3) PQ=4t1+16t2PQ = 4t\sqrt{1 + 16t^2}
(4) 最小値は存在しない。

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