複素数 $\alpha$ と $\beta$ について、以下の等式と不等式が成立することを示します。 (1) $|1 - \overline{\alpha}\beta|^2 - |\alpha - \beta|^2 = (1 - |\alpha|^2)(1 - |\beta|^2)$ (2) $\left| \frac{\alpha - \beta}{1 - \overline{\alpha}\beta} \right| < 1$ ただし $|\alpha| < 1, |\beta| < 1$
2025/4/12
1. 問題の内容
複素数 と について、以下の等式と不等式が成立することを示します。
(1)
(2) ただし
2. 解き方の手順
(1) 等式を証明します。複素数 に対して、 を利用します。
まず、左辺を展開します。
したがって、左辺は
次に、右辺を展開します。
左辺と右辺は等しいので、与えられた等式は成立します。
(2) 不等式を証明します。 かつ のとき、 を示す必要があります。
は と同値です。
両辺を2乗すると、 となります。
(1)の結果から、 です。
より であり、 より です。したがって、
が成立します。
すなわち、 より、 が成立します。
よって、 、つまり、 が成立します。
3. 最終的な答え
(1) は成立する。
(2) のとき、 は成立する。