位置 $x$ が時間 $t$ の関数 $x(t)$ で与えられているとき、その逆関数 $t(x)$ を用いて、速度 $v$ で運動する物体の加速度 $a$ が、 $a = -v^3 \frac{d^2 t}{dx^2}$ と表されることを示す。さらに、等加速度運動 $x(t) = \frac{1}{2}gt^2$ の場合に、この関係が成り立つことを確認する。

応用数学力学運動加速度微分逆関数
2025/4/16

1. 問題の内容

位置 xx が時間 tt の関数 x(t)x(t) で与えられているとき、その逆関数 t(x)t(x) を用いて、速度 vv で運動する物体の加速度 aa が、
a=v3d2tdx2a = -v^3 \frac{d^2 t}{dx^2}
と表されることを示す。さらに、等加速度運動 x(t)=12gt2x(t) = \frac{1}{2}gt^2 の場合に、この関係が成り立つことを確認する。

2. 解き方の手順

(1) 加速度 aavvxx の関数として表す。まず、速度 vv は位置 xx の時間微分で与えられるので、
v=dxdtv = \frac{dx}{dt}
次に、加速度 aa は速度 vv の時間微分で与えられるので、
a=dvdta = \frac{dv}{dt}
これを xx の微分で表すために、連鎖律を用いると、
a=dvdxdxdt=vdvdxa = \frac{dv}{dx} \frac{dx}{dt} = v \frac{dv}{dx}
ここで、dvdx\frac{dv}{dx}t(x)t(x) を用いて表すことを考える。v=dxdtv = \frac{dx}{dt} より、dtdx=1v\frac{dt}{dx} = \frac{1}{v} である。したがって、
dvdx=ddx(dxdt)=ddx(1dt/dx)=ddx((dtdx)1)=(dtdx)2d2tdx2=v2d2tdx2\frac{dv}{dx} = \frac{d}{dx} (\frac{dx}{dt}) = \frac{d}{dx} (\frac{1}{dt/dx}) = \frac{d}{dx} ((\frac{dt}{dx})^{-1}) = - (\frac{dt}{dx})^{-2} \frac{d^2 t}{dx^2} = -v^2 \frac{d^2 t}{dx^2}
これを aa の式に代入すると、
a=vdvdx=v(v2d2tdx2)=v3d2tdx2a = v \frac{dv}{dx} = v(-v^2 \frac{d^2 t}{dx^2}) = -v^3 \frac{d^2 t}{dx^2}
これで、加速度が a=v3d2tdx2a = -v^3 \frac{d^2 t}{dx^2} と表されることが示された。
(2) 等加速度運動 x(t)=12gt2x(t) = \frac{1}{2}gt^2 の場合を考える。まず、この式から t(x)t(x) を求めると、
t(x)=2xgt(x) = \sqrt{\frac{2x}{g}}
次に、d2tdx2\frac{d^2 t}{dx^2} を計算する。
dtdx=12(2xg)1/22g=12gx\frac{dt}{dx} = \frac{1}{2} (\frac{2x}{g})^{-1/2} \cdot \frac{2}{g} = \frac{1}{\sqrt{2gx}}
d2tdx2=ddx(12gx)=ddx((2g)1/2x1/2)=(2g)1/2(12)x3/2=1212gx3/2=1212gx3/2\frac{d^2 t}{dx^2} = \frac{d}{dx} (\frac{1}{\sqrt{2gx}}) = \frac{d}{dx} ((2g)^{-1/2} x^{-1/2}) = (2g)^{-1/2} (-\frac{1}{2}) x^{-3/2} = -\frac{1}{2} \frac{1}{\sqrt{2g}} x^{-3/2} = -\frac{1}{2} \sqrt{\frac{1}{2g}} x^{-3/2}
また、速度 vv
v=dxdt=gtv = \frac{dx}{dt} = gt
であるので、t=2xgt = \sqrt{\frac{2x}{g}} より、
v=g2xg=2gxv = g \sqrt{\frac{2x}{g}} = \sqrt{2gx}
したがって、
v3d2tdx2=(2gx)3(1212gx3/2)=(2gx)3/2122gx3=(2gx)3/22(2gx)1/2x=2gx2x=g-v^3 \frac{d^2 t}{dx^2} = - (\sqrt{2gx})^3 (-\frac{1}{2} \sqrt{\frac{1}{2g}} x^{-3/2}) = (2gx)^{3/2} \frac{1}{2 \sqrt{2gx^3}} = \frac{(2gx)^{3/2}}{2 (2gx)^{1/2} x} = \frac{2gx}{2x} = g
これは等加速度運動の加速度に等しい。

3. 最終的な答え

加速度は a=v3d2tdx2a = -v^3 \frac{d^2 t}{dx^2} で表される。等加速度運動の場合、x(t)=12gt2x(t) = \frac{1}{2}gt^2 を用いて計算した結果も a=ga = g となり、上記の関係が成り立つことが確認された。

「応用数学」の関連問題

与えられた回路において、キルヒホッフの法則を用いて各電流 $I_1$, $I_2$, $I_3$ を求める。回路には6Vと3Vの電源、4Ωと1Ωの抵抗が含まれている。また、問題文中に以下の式が与えられ...

キルヒホッフの法則連立方程式回路解析物理
2025/4/18

静止している観測者に向かって、音源が一定の速さで近づいている。音源は一定の振動数 $f$ [Hz] の音を時間 $t$ [s] だけ出した。観測者が音波を観測する時間は $t$ [s] より長いか短い...

物理波動ドップラー効果音響
2025/4/18

与えられた管路の長さ $L = 524 \text{ mm}$、管内径 $d = 2.9 \text{ mm}$、メスシリンダーに溜める水の体積 $V = 0.0001 \text{ m}^3$、水温...

流体力学レイノルズ数管摩擦係数物理
2025/4/18

真空の中を光が1.0秒間に進む距離を求める問題です。

物理光速距離単位変換科学
2025/4/18

メートル原器で測定すると、1mあたり0.1μmの誤差が生じる。10cmの誤差が生じる時の測定距離を求める。

誤差比例計算単位換算
2025/4/18

画像に記載された復習問題を解きます。これらの問題は、単位換算、質量パーセント濃度の計算、および水の比熱を利用した温度変化の計算を含みます。特に、問題9と10を解きます。 * 問題9:150gの水溶...

濃度計算比熱単位換算割合
2025/4/18

エレベーターが一定の速さ $2.0 \, \text{m/s}$ で上昇しているとき、15秒間に上昇する距離を求める問題です。

物理運動距離速さ時間
2025/4/17

自動車が30分で27km走る時の速さを、メートル毎秒(m/s)とキロメートル毎時(km/h)で求めます。

速度距離時間単位変換
2025/4/17

与えられた連立方程式 $Ma = T$ $ma = mg - T$ を、定数 $m, M, g$を用いて、$T$と$a$を求める問題です。

連立方程式物理力学線形代数
2025/4/17

与えられた分数の計算を実行し、単位を考慮して答えを求めます。分数は、$\frac{28.0 \, \text{g/mol}}{6.022 \times 10^{23} \, \text{/mol}}$...

分数計算指数計算単位換算物理化学
2025/4/17