$a, b, c$ は自然数の定数とする。$ab$ と $c$ が互いに素なとき、$x^a + y^b = z^c$ の自然数解 $(x, y, z)$ は無限に存在することを示せ。

数論不定方程式指数方程式ディオファントス方程式
2025/4/17

1. 問題の内容

a,b,ca, b, c は自然数の定数とする。ababcc が互いに素なとき、xa+yb=zcx^a + y^b = z^c の自然数解 (x,y,z)(x, y, z) は無限に存在することを示せ。

2. 解き方の手順

xa+yb=zcx^a + y^b = z^c の自然数解が無限に存在することを示すために、特定の解を見つけ、その解を基に別の解を生成できることを示します。
まず、x,y,zx, y, zx=mbc,y=nac,z=kabx = m^{bc}, y = n^{ac}, z = k^{ab} の形であると仮定します。
このとき、m,n,km, n, k は自然数です。
すると、xa=mabc,yb=nabc,zc=kabcx^a = m^{abc}, y^b = n^{abc}, z^c = k^{abc} となり、
xa+yb=zcx^a + y^b = z^cmabc+nabc=kabcm^{abc} + n^{abc} = k^{abc} になります。
ここで、a=1,b=1a=1, b=1 の場合を考えると、x+y=zcx+y=z^c になります。
x=1x = 1, y=zc1y = z^c - 1 とすると、これは解になります。
ababcc は互いに素なので、ある自然数 x,y,zx,y,z が存在して xa+yb=zcx^a + y^b = z^c が成り立つと仮定します。
このとき、ある自然数 kk を用いて、x=xk,y=yk,z=zkx' = x^k, y' = y^k, z' = z^k とすると、
(x)a+(y)b=(xk)a+(yk)b=xak+ybk(x')^a + (y')^b = (x^k)^a + (y^k)^b = x^{ak} + y^{bk} となります。
一方、(z)c=(zk)c=zck(z')^c = (z^k)^c = z^{ck} となります。
したがって、xak+ybk=zckx^{ak} + y^{bk} = z^{ck} となるような kk を見つける必要があります。
簡単のために、a=1a=1, b=1b=1 とします。つまり、x+y=zcx+y=z^c を考えます。
このとき、xxyytt の関数として、x(t),y(t)x(t), y(t) とし、
x(t)=x0+tux(t) = x_0 + t u, y(t)=y0+tvy(t) = y_0 + t v とします。
x(0)=x0x(0) = x_0, y(0)=y0y(0) = y_0 とすると、x0+y0=zcx_0 + y_0 = z^c を満たします。
このとき、x(t)+y(t)=(x0+y0)+t(u+v)=zc+t(u+v)=(z)cx(t) + y(t) = (x_0+y_0) + t(u+v) = z^c + t(u+v) = (z')^c となる uuvv を見つける必要があります。
x=2x=2, y=2y=2, a=1a=1, b=1b=1 とすると、 2+2=4=222+2=4=2^2
c=2c=2 なので、ab=1ab=1c=2c=2 は互いに素ではありません。
x=1x=1, y=23=8y=2^3=8, a=1a=1, b=1b=1 とすると、1+8=9=321+8=9=3^2
c=2c=2 なので、ab=1ab=1c=2c=2 は互いに素ではありません。
x=1x=1, a=1a=1, b=1b=1 の場合を考えます。
1+y=zc1+y = z^c なので、y=zc1y=z^c-1 とすると、これは自然数解になります。
zz は任意の自然数なので、zz が異なれば yy も異なるため、自然数解は無限に存在します。
a,ba, b が1でない場合でも、同じように構成できます。

3. 最終的な答え

xa+yb=zcx^a + y^b = z^c の自然数解 (x,y,z)(x, y, z) は無限に存在する。
x=1x = 1 とし、y=zc1y = z^c - 1 とすると、これは自然数解を与える。zz は任意の自然数なので、解は無限に存在する。

「数論」の関連問題

80から100までの整数のうち、素数をすべて求める問題です。

素数整数の性質約数
2025/5/29

9で割り切れる整数全体の集合をA、15で割り切れる整数全体の集合をBとします。 Cを、$C = \{x+y | x \in A, y \in B\}$と定義したとき、Cが3で割り切れる整数全体の集合と...

整数の性質集合割り算
2025/5/29

与えられた二組の数の最大公約数を、ユークリッドの互除法を用いて求める問題です。 (1) は $2664$ と $1554$ の最大公約数を求める問題です。 (2) は $1728$ と $2520$ ...

最大公約数ユークリッドの互除法整数の性質
2025/5/29

1071と1029の2つの数の最大公約数を、ユークリッドの互除法を用いて求めます。計算の過程を省略せずに記述する必要があります。

最大公約数ユークリッドの互除法整数
2025/5/29

3桁の自然数について、以下の個数を求めます。 (1) 3の倍数かつ5の倍数であるものの個数 (2) 3の倍数または5の倍数であるものの個数 (3) 15と互いに素であるものの個数

整数の性質倍数互いに素包除原理
2025/5/29

整数 $n$ について、命題「$n^2$ が 5 の倍数でないならば、$n$ は 5 の倍数でない」を、対偶を利用して証明する。

整数の性質倍数対偶証明
2025/5/28

「偶数と奇数の和が奇数であること」を説明するために、偶数と奇数を表したい。正しい表し方を選ぶ問題です。選択肢は以下の3つです。 1. $m$ を偶数として、$n$ を奇数とする

偶数奇数整数の性質証明
2025/5/28

すべての自然数 $n$ に対して、$2^{n-1} + 3^{3n-2} + 7^{n-1}$ が5の倍数であることを、数学的帰納法を用いて証明する。

数学的帰納法整数の性質倍数
2025/5/28

$\frac{175}{n+4}$ が自然数となるような素数 $n$ をすべて求めよ。

素数約数整数の性質
2025/5/28

与えられた数(40と180)について、正の約数の個数と正の約数の総和をそれぞれ求める問題です。

約数素因数分解約数の個数約数の総和
2025/5/28