実数 $a, k$ に対して、2つの関数 $f(x) = x^2 + (2-2a)x - 6a + 3$ と $g(x) = 2x^2 - 2ax - \frac{1}{2}a^2 + 2a + k$ が与えられています。$f(x)$ の最小値を $M$, $g(x)$ の最小値を $m$ とします。 (1) $a=0$ のときの $M$ の値を求めます。 (2) $m$ を $a, k$ を用いて表します。 (3) $M$ と $m$ の小さくない方を $a$ の関数とみなし、$h(a)$ とします。すなわち、$M \ge m$ のとき $h(a) = M$, $M \le m$ のとき $h(a) = m$ です。 (i) $k=-1$ のとき、$h(a) = -\frac{1}{4}$ となるような $a$ の値を求めます。 (ii) $h(a)$ が異なる3個以上の $a$ の値に対して同じ値をとることがあるような $k$ のとり得る値の範囲を求めます。

代数学二次関数平方完成最大・最小関数のグラフ
2025/4/20

1. 問題の内容

実数 a,ka, k に対して、2つの関数 f(x)=x2+(22a)x6a+3f(x) = x^2 + (2-2a)x - 6a + 3g(x)=2x22ax12a2+2a+kg(x) = 2x^2 - 2ax - \frac{1}{2}a^2 + 2a + k が与えられています。f(x)f(x) の最小値を MM, g(x)g(x) の最小値を mm とします。
(1) a=0a=0 のときの MM の値を求めます。
(2) mma,ka, k を用いて表します。
(3) MMmm の小さくない方を aa の関数とみなし、h(a)h(a) とします。すなわち、MmM \ge m のとき h(a)=Mh(a) = M, MmM \le m のとき h(a)=mh(a) = m です。
(i) k=1k=-1 のとき、h(a)=14h(a) = -\frac{1}{4} となるような aa の値を求めます。
(ii) h(a)h(a) が異なる3個以上の aa の値に対して同じ値をとることがあるような kk のとり得る値の範囲を求めます。

2. 解き方の手順

(1) a=0a=0 のとき、f(x)=x2+2x+3f(x) = x^2 + 2x + 3 となります。平方完成すると f(x)=(x+1)2+2f(x) = (x+1)^2 + 2 となるため、M=2M = 2 です。
(2) g(x)=2x22ax12a2+2a+k=2(x2ax)12a2+2a+k=2(xa2)22(a2)212a2+2a+k=2(xa2)212a212a2+2a+k=2(xa2)2a2+2a+kg(x) = 2x^2 - 2ax - \frac{1}{2}a^2 + 2a + k = 2(x^2 - ax) - \frac{1}{2}a^2 + 2a + k = 2(x - \frac{a}{2})^2 - 2(\frac{a}{2})^2 - \frac{1}{2}a^2 + 2a + k = 2(x - \frac{a}{2})^2 - \frac{1}{2}a^2 - \frac{1}{2}a^2 + 2a + k = 2(x - \frac{a}{2})^2 - a^2 + 2a + k となります。
したがって、m=a2+2a+km = -a^2 + 2a + k です。
(3) (i) k=1k=-1 のとき、m=a2+2a1=(a1)2m = -a^2 + 2a - 1 = -(a-1)^2 です。
また、f(x)=x2+(22a)x6a+3=(x+1a)2(1a)26a+3=(x+1a)2(12a+a2)6a+3=(x+1a)2a24a+2f(x) = x^2 + (2-2a)x - 6a + 3 = (x + 1 - a)^2 - (1-a)^2 - 6a + 3 = (x+1-a)^2 - (1 - 2a + a^2) - 6a + 3 = (x+1-a)^2 - a^2 - 4a + 2 より、M=a24a+2M = -a^2 - 4a + 2 です。
h(a)=14h(a) = -\frac{1}{4} となる場合を考えます。
MmM \ge m のとき、h(a)=M=a24a+2=14h(a) = M = -a^2 - 4a + 2 = -\frac{1}{4} より、a2+4a94=0a^2 + 4a - \frac{9}{4} = 0 となります。これを解くと、a=4±16+92=4±52=12,92a = \frac{-4 \pm \sqrt{16 + 9}}{2} = \frac{-4 \pm 5}{2} = \frac{1}{2}, -\frac{9}{2} となります。
MmM \le m のとき、h(a)=m=a2+2a1=14h(a) = m = -a^2 + 2a - 1 = -\frac{1}{4} より、a22a+34=0a^2 - 2a + \frac{3}{4} = 0 となります。これを解くと、a=2±432=2±12=32,12a = \frac{2 \pm \sqrt{4 - 3}}{2} = \frac{2 \pm 1}{2} = \frac{3}{2}, \frac{1}{2} となります。
a=12a = \frac{1}{2} のとき、M=(12)24(12)+2=142+2=14M = -(\frac{1}{2})^2 - 4(\frac{1}{2}) + 2 = -\frac{1}{4} - 2 + 2 = -\frac{1}{4}m=(12)2+2(12)1=14+11=14m = -(\frac{1}{2})^2 + 2(\frac{1}{2}) - 1 = -\frac{1}{4} + 1 - 1 = -\frac{1}{4} なので、M=mM = m が成り立ちます。
a=92a = -\frac{9}{2} のとき、M=(92)24(92)+2=814+18+2=814+20=14M = -(-\frac{9}{2})^2 - 4(-\frac{9}{2}) + 2 = -\frac{81}{4} + 18 + 2 = -\frac{81}{4} + 20 = -\frac{1}{4}m=(92)2+2(92)1=81491=81410=1214m = -(-\frac{9}{2})^2 + 2(-\frac{9}{2}) - 1 = -\frac{81}{4} - 9 - 1 = -\frac{81}{4} - 10 = -\frac{121}{4} なので、M>mM > m が成り立ちます。
a=32a = \frac{3}{2} のとき、M=(32)24(32)+2=946+2=944=254M = -(\frac{3}{2})^2 - 4(\frac{3}{2}) + 2 = -\frac{9}{4} - 6 + 2 = -\frac{9}{4} - 4 = -\frac{25}{4}m=(32)2+2(32)1=94+31=94+2=14m = -(\frac{3}{2})^2 + 2(\frac{3}{2}) - 1 = -\frac{9}{4} + 3 - 1 = -\frac{9}{4} + 2 = -\frac{1}{4} なので、M<mM < m が成り立ちます。
したがって、h(a)=14h(a) = -\frac{1}{4} となる aa の値は、92,12,32-\frac{9}{2}, \frac{1}{2}, \frac{3}{2} です。
(ii) M=a24a+2M = -a^2 - 4a + 2, m=a2+2a+km = -a^2 + 2a + k
Mm=(a24a+2)(a2+2a+k)=6a+2kM - m = (-a^2 - 4a + 2) - (-a^2 + 2a + k) = -6a + 2 - k
M=mM = m となるのは 6a+2k=0-6a + 2 - k = 0、すなわち a=2k6a = \frac{2-k}{6} のときです。
h(a)h(a) が異なる3個以上の aa の値に対して同じ値をとるためには、M(a)M(a)m(a)m(a) のグラフが接する必要があります。
Mm=0M - m = 0 となるのは、a=(2k)/6a = (2-k)/6 です。M=a24a+2M = -a^2 - 4a + 2, m=a2+2a+km = -a^2 + 2a + k でした。このときのMM の値を求めると、
(2k6)24(2k6)+2-(\frac{2-k}{6})^2 -4(\frac{2-k}{6}) + 2 となります。
接する条件は、kk の値を調整して、M(a)=m(a)M(a)=m(a) となる aa の値が3つ以上存在することです。
MMmmが接するとき、接点の個数は1つとなります。M=mM=mとなるaaは1つ。h(a)h(a)が同じ値になるには、少なくともMMmmが交わらない必要があります。
h(a)h(a) が同じ値をとるためには、M=cM = c または m=cm = c が3つ以上の解を持つ必要があります。M,mM, m は2次関数なので、M=mM = m が3個以上の異なる解を持つことはありません。したがって、M=mM=mとならないときに、h(a)h(a)が同じ値を取るのは、MMmmが交わらないとき。
交わらないということは、M(a)>m(a)M(a)>m(a)またはM(a)<m(a)M(a)<m(a)が常に成り立つということ。
条件より、異なる3個以上の aa の値に対して h(a)h(a) が同じ値をとるということは、M(a)M(a)または m(a)m(a)が定数となる必要がありますが、aaの関数なのでありえません。したがって、M(a)M(a)m(a)m(a) のグラフが接することが条件となります。

3. 最終的な答え

(1) M=2M = 2
(2) m=a2+2a+km = -a^2 + 2a + k
(3) (i) a=92,12,32a = -\frac{9}{2}, \frac{1}{2}, \frac{3}{2}
(ii) 該当する kk の値は存在しない。

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