三角形ABCの頂点の位置ベクトルがそれぞれ$\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}$で与えられています。辺BC, CA, ABをそれぞれ2:1に内分する点をP, Q, Rとします。三角形ABCの重心をG、三角形PQRの重心をG'とします。 (1) 点G'の位置ベクトル$\vec{g'}$を$\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}$を用いて表してください。 (2) 等式$\vec{GA} + \vec{GB} + \vec{GC} = \vec{0}$が成り立つことを示してください。

幾何学ベクトル重心内分点空間ベクトル
2025/4/20

1. 問題の内容

三角形ABCの頂点の位置ベクトルがそれぞれa,b,c\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}で与えられています。辺BC, CA, ABをそれぞれ2:1に内分する点をP, Q, Rとします。三角形ABCの重心をG、三角形PQRの重心をG'とします。
(1) 点G'の位置ベクトルg\vec{g'}a,b,c\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}を用いて表してください。
(2) 等式GA+GB+GC=0\vec{GA} + \vec{GB} + \vec{GC} = \vec{0}が成り立つことを示してください。

2. 解き方の手順

(1)
まず、点P, Q, Rの位置ベクトルp,q,r\vec{p}, \vec{q}, \vec{r}を求めます。
Pは辺BCを2:1に内分するので、
p=1b+2c2+1=b+2c3\vec{p} = \frac{1\vec{b} + 2\vec{c}}{2+1} = \frac{\vec{b} + 2\vec{c}}{3}
Qは辺CAを2:1に内分するので、
q=1c+2a2+1=c+2a3\vec{q} = \frac{1\vec{c} + 2\vec{a}}{2+1} = \frac{\vec{c} + 2\vec{a}}{3}
Rは辺ABを2:1に内分するので、
r=1a+2b2+1=a+2b3\vec{r} = \frac{1\vec{a} + 2\vec{b}}{2+1} = \frac{\vec{a} + 2\vec{b}}{3}
次に、三角形PQRの重心G'の位置ベクトルg\vec{g'}を求めます。重心は各頂点の位置ベクトルの平均なので、
g=p+q+r3=13(b+2c3+c+2a3+a+2b3)\vec{g'} = \frac{\vec{p} + \vec{q} + \vec{r}}{3} = \frac{1}{3} \left( \frac{\vec{b} + 2\vec{c}}{3} + \frac{\vec{c} + 2\vec{a}}{3} + \frac{\vec{a} + 2\vec{b}}{3} \right)
g=19(b+2c+c+2a+a+2b)\vec{g'} = \frac{1}{9} ( \vec{b} + 2\vec{c} + \vec{c} + 2\vec{a} + \vec{a} + 2\vec{b})
g=19(3a+3b+3c)\vec{g'} = \frac{1}{9} (3\vec{a} + 3\vec{b} + 3\vec{c})
g=a+b+c3\vec{g'} = \frac{\vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3}
(2)
三角形ABCの重心Gの位置ベクトルg\vec{g}は、
g=a+b+c3\vec{g} = \frac{\vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3}
GA=ag=aa+b+c3=2abc3\vec{GA} = \vec{a} - \vec{g} = \vec{a} - \frac{\vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3} = \frac{2\vec{a} - \vec{b} - \vec{c}}{3}
GB=bg=ba+b+c3=2bac3\vec{GB} = \vec{b} - \vec{g} = \vec{b} - \frac{\vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3} = \frac{2\vec{b} - \vec{a} - \vec{c}}{3}
GC=cg=ca+b+c3=2cab3\vec{GC} = \vec{c} - \vec{g} = \vec{c} - \frac{\vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3} = \frac{2\vec{c} - \vec{a} - \vec{b}}{3}
よって、
GA+GB+GC=2abc3+2bac3+2cab3\vec{GA} + \vec{GB} + \vec{GC} = \frac{2\vec{a} - \vec{b} - \vec{c}}{3} + \frac{2\vec{b} - \vec{a} - \vec{c}}{3} + \frac{2\vec{c} - \vec{a} - \vec{b}}{3}
GA+GB+GC=(2aaa)+(2bbb)+(2ccc)3\vec{GA} + \vec{GB} + \vec{GC} = \frac{(2\vec{a} - \vec{a} - \vec{a}) + (2\vec{b} - \vec{b} - \vec{b}) + (2\vec{c} - \vec{c} - \vec{c})}{3}
GA+GB+GC=03=0\vec{GA} + \vec{GB} + \vec{GC} = \frac{\vec{0}}{3} = \vec{0}

3. 最終的な答え

(1) g=a+b+c3\vec{g'} = \frac{\vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3}
(2) GA+GB+GC=0\vec{GA} + \vec{GB} + \vec{GC} = \vec{0}

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