$\lim_{x \to -1} \frac{f(x)}{(x+1)^2} = -1$ のとき、なぜ $f(x)$ は $x = -1$ で重根を持つのかを説明せよ。

解析学極限関数の連続性重根微分
2025/4/20

1. 問題の内容

limx1f(x)(x+1)2=1\lim_{x \to -1} \frac{f(x)}{(x+1)^2} = -1 のとき、なぜ f(x)f(x)x=1x = -1 で重根を持つのかを説明せよ。

2. 解き方の手順

まず、与えられた極限の式を考えます。
limx1f(x)(x+1)2=1\lim_{x \to -1} \frac{f(x)}{(x+1)^2} = -1
この極限が存在し、かつ有限な値 1-1 に収束するということは、 xx1-1 に近づくとき、f(x)(x+1)2\frac{f(x)}{(x+1)^2}1-1 に近づくということです。
もし f(1)0f(-1) \neq 0 であるならば、極限は存在しません。なぜなら、分母 (x+1)2(x+1)^2x1x \to -1 のとき 00 に収束するからです。したがって、limx1f(x)(x+1)2\lim_{x \to -1} \frac{f(x)}{(x+1)^2}f(1)0\frac{f(-1)}{0} の形になり、発散するか、定義できなくなります。
したがって、極限が存在するためには、少なくとも f(1)=0f(-1) = 0 である必要があります。つまり、f(x)f(x)x=1x = -1 を根に持ちます。このとき、f(x)f(x)(x+1)(x+1) という因子を持つことになります。
ここで、f(x)=(x+1)g(x)f(x) = (x+1)g(x) と書けるとします。このとき、
limx1(x+1)g(x)(x+1)2=limx1g(x)(x+1)=1\lim_{x \to -1} \frac{(x+1)g(x)}{(x+1)^2} = \lim_{x \to -1} \frac{g(x)}{(x+1)} = -1
もし g(1)0g(-1) \neq 0 であれば、x1x \to -1 のとき g(x)(x+1)\frac{g(x)}{(x+1)} は発散するため、極限は存在しません。したがって、g(1)=0g(-1) = 0 である必要があります。これは g(x)g(x)x=1x = -1 を根に持つことを意味し、g(x)=(x+1)h(x)g(x) = (x+1)h(x) と書けます。
よって、f(x)=(x+1)g(x)=(x+1)(x+1)h(x)=(x+1)2h(x)f(x) = (x+1)g(x) = (x+1)(x+1)h(x) = (x+1)^2 h(x) と書けます。
このとき、
limx1(x+1)2h(x)(x+1)2=limx1h(x)=1\lim_{x \to -1} \frac{(x+1)^2 h(x)}{(x+1)^2} = \lim_{x \to -1} h(x) = -1
h(x)h(x)x=1x = -11-1 に収束するような関数であれば何でも構いません。例えば、h(x)=1h(x) = -1 という定数関数でも良いわけです。
結局、f(x)f(x)(x+1)2(x+1)^2 を因子として持つため、x=1x = -1f(x)f(x) の重根(少なくとも2重根)となります。

3. 最終的な答え

limx1f(x)(x+1)2=1\lim_{x \to -1} \frac{f(x)}{(x+1)^2} = -1 が有限の値を持つためには、f(x)f(x)x=1x=-1 で少なくとも二重根を持つ必要がある。なぜなら、もし f(x)f(x)x=1x=-1 で二重根を持たない場合、上記の極限は存在しないからである。

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