複素数平面上の3点 $A(z)$, $B(z^3)$, $C(z^5)$ について、以下の問題を解きます。 (1) A, B, Cが異なる3点となるための $z$ の条件を求めます。 (2) 異なる3点 A, B, Cが同一直線上にあるような $z$ をすべて求めます。 (3) A, B, Cが正三角形の頂点になるとき、$z^2$ の値をすべて求め、さらに A, B, Cがこの順に反時計回りの位置にあるような $z$ をすべて求めます。 (4) 直線 ACと直線 BCが垂直であるとき、$|z| < 1$ が成り立つことを示します。

1. 問題の内容

複素数平面上の3点 $A(z)$, $B(z^3)$, $C(z^5)$ について、以下の問題を解きます。

(1) A, B, Cが異なる3点となるための $z$ の条件を求めます。

(2) 異なる3点 A, B, Cが同一直線上にあるような $z$ をすべて求めます。

(3) A, B, Cが正三角形の頂点になるとき、$z^2$ の値をすべて求め、さらに A, B, Cがこの順に反時計回りの位置にあるような $z$ をすべて求めます。

(4) 直線 ACと直線 BCが垂直であるとき、$|z| < 1$ が成り立つことを示します。

2. 解き方の手順

(1) A, B, Cが異なる3点である条件は、$z \ne z^3$, $z \ne z^5$, $z^3 \ne z^5$ です。

$z \ne z^3 \Leftrightarrow z(z^2-1) \ne 0 \Leftrightarrow z \ne 0, \pm 1$

$z \ne z^5 \Leftrightarrow z(z^4-1) \ne 0 \Leftrightarrow z \ne 0, \pm 1, \pm i$

$z^3 \ne z^5 \Leftrightarrow z^3(z^2-1) \ne 0 \Leftrightarrow z \ne 0, \pm 1$

したがって、$z \ne 0, \pm 1, \pm i$

(2) A, B, Cが同一直線上にある条件は、$\frac{z^3-z}{z^5-z}$が実数であることです。

$\frac{z^3-z}{z^5-z} = \frac{z(z^2-1)}{z(z^4-1)} = \frac{z^2-1}{z^4-1} = \frac{z^2-1}{(z^2-1)(z^2+1)} = \frac{1}{z^2+1}$

$\frac{1}{z^2+1}$が実数であるためには、$z^2+1$が実数である必要があります。

$z = x+yi$ ($x, y$は実数)とすると、 $z^2 = (x+yi)^2 = x^2 - y^2 + 2xyi$ です。

$z^2 + 1 = x^2 - y^2 + 1 + 2xyi$ が実数であるためには、$2xy = 0$が必要です。

$x=0$ または $y=0$ です。

$x=0$のとき、$z = yi$で、$z \ne 0, \pm 1, \pm i$なので、$y \ne 0, \pm 1$。

$y=0$のとき、$z = x$で、$z \ne 0, \pm 1$。

したがって、$z$は実数で $z \ne 0, \pm 1$であるか、$z$は純虚数で $z \ne 0, \pm i$。

まとめると、$z$は実数または純虚数で、$z \ne 0, \pm 1, \pm i$。

(3) A, B, Cが正三角形の頂点である条件は、$\frac{z^3-z}{z^5-z} = \pm i \frac{\sqrt{3}}{3}$であることです。

$\frac{z^3-z}{z^5-z} = \frac{1}{z^2+1} = \pm i \frac{\sqrt{3}}{3}$

$z^2 + 1 = \frac{3}{\pm i\sqrt{3}} = \frac{3(\mp i\sqrt{3})}{3} = \mp i\sqrt{3}$

$z^2 = -1 \mp i\sqrt{3}$

$z^2 = -1 + i\sqrt{3} = 2(\cos(\frac{2\pi}{3}) + i\sin(\frac{2\pi}{3}))$, $z^2 = -1 - i\sqrt{3} = 2(\cos(\frac{4\pi}{3}) + i\sin(\frac{4\pi}{3}))$

$z^2 = -1 \pm i\sqrt{3}$

A, B, Cがこの順に反時計回りの位置にあるとき、$\frac{z^3-z}{z^5-z} = e^{\frac{i\pi}{3}} = \cos(\frac{\pi}{3}) + i\sin(\frac{\pi}{3}) = \frac{1}{2} + i\frac{\sqrt{3}}{2}$

$\frac{1}{z^2+1} = \frac{1}{2} + i\frac{\sqrt{3}}{2} = e^{\frac{i\pi}{3}}$

$z^2+1 = e^{-\frac{i\pi}{3}} = \frac{1}{2} - i\frac{\sqrt{3}}{2}$

$z^2 = -\frac{1}{2} - i\frac{\sqrt{3}}{2}$

$z = \pm \sqrt{-\frac{1}{2} - i\frac{\sqrt{3}}{2}}$

(4) 直線 ACと直線 BCが垂直である条件は、$\frac{z^5-z}{z^5-z^3}$が純虚数であることです。

$\frac{z^5-z}{z^5-z^3} = \frac{z(z^4-1)}{z^3(z^2-1)} = \frac{z^4-1}{z^2(z^2-1)} = \frac{(z^2-1)(z^2+1)}{z^2(z^2-1)} = \frac{z^2+1}{z^2} = 1 + \frac{1}{z^2}$

$1+\frac{1}{z^2}$が純虚数であることは、実部が1であることから不可能です。したがって、直線ACと直線BCが垂直になることはありません。問題文に誤りがある可能性があります。

もし、(BC)/(AC)が純虚数ならば、$\frac{z^5-z^3}{z^5-z} = \frac{z^3(z^2-1)}{z(z^4-1)} = \frac{z^2(z^2-1)}{(z^2-1)(z^2+1)} = \frac{z^2}{z^2+1}$が純虚数です。

$\frac{z^2}{z^2+1}$を実部と虚部に分けると、$\frac{z^2}{z^2+1} = \frac{x^2-y^2+2xyi}{(x^2-y^2+1)+2xyi} = \frac{(x^2-y^2+2xyi)((x^2-y^2+1)-2xyi)}{((x^2-y^2+1)+2xyi)((x^2-y^2+1)-2xyi)} = \frac{(x^2-y^2+1)(x^2-y^2) + 4x^2y^2+2xy(x^2-y^2+1)-2xy(x^2-y^2)i}{(x^2-y^2+1)^2+4x^2y^2}$

実部が0なので、$(x^2-y^2+1)(x^2-y^2) + 4x^2y^2=0$

$(x^2-y^2)^2 + (x^2-y^2) + 4x^2y^2 = 0$

$(x^2+y^2)^2-2x^2y^2 + (x^2-y^2)= 0$

$|z|^4 + x^2-y^2 = 0$

$|z|^4 + x^2 - y^2 = 0$

$|z|^2 = x^2 + y^2$

$|z|^4+ x^2-y^2 = 0$より、 $|z|^4 = y^2 - x^2$.

$|z| < 1$となるためには、 $x^2+y^2 < 1$が必要。

$y^2 - x^2 \ge 0$。

$z^2+1$を純虚数とすると、$x^2 - y^2 = -1$.

$|z| < 1$が成り立つとき、$|z| = x^2 + y^2 = x^2 + (x^2+1) = 2x^2 + 1 < 1$.

$2x^2 < 0$となり、これはありえない。

よって、$|z| < 1$は成り立たない。

3. 最終的な答え

(1) $z \ne 0, \pm 1, \pm i$

(2) $z$は実数または純虚数で、$z \ne 0, \pm 1, \pm i$

(3) $z^2 = -1 \pm i\sqrt{3}$, $z = \pm \sqrt{-\frac{1}{2} - i\frac{\sqrt{3}}{2}}$

(4) 証明不能。ただし、計算過程は上記参照。