一辺の長さが10cmの正三角形ABCがある。辺AB, AC上にそれぞれ点D, EをDE//BCとなるようにとり、線分DEを折り目として紙を折る。DEの長さを$x$ cmとし、三角形ADEのうち四角形BCEDと重なり合う部分の面積を$S$ cm$^2$とするとき、以下の問いに答える。ただし、$5 < x < 10$とする。 (1) $S$を$x$を用いて表せ。 (2) $S$の最大値と、そのときの$x$の値を求めよ。

幾何学正三角形面積折り返し相似最大値
2025/4/20

1. 問題の内容

一辺の長さが10cmの正三角形ABCがある。辺AB, AC上にそれぞれ点D, EをDE//BCとなるようにとり、線分DEを折り目として紙を折る。DEの長さをxx cmとし、三角形ADEのうち四角形BCEDと重なり合う部分の面積をSS cm2^2とするとき、以下の問いに答える。ただし、5<x<105 < x < 10とする。
(1) SSxxを用いて表せ。
(2) SSの最大値と、そのときのxxの値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) DEDEを折り目として三角形ADEADEを折り返すと、折り返された三角形と四角形BCEDBCEDが重なる部分ができる。この重なる部分の面積がSSである。ここで、三角形ADEADEを折り返した三角形を三角形ADEAD'Eとする。
DE//BCDE//BCより、三角形ADEADEは正三角形である。
したがって、三角形ADEADEの面積は、
\frac{\sqrt{3}}{4}x^2
三角形ABCABCの面積は、
\frac{\sqrt{3}}{4} \cdot 10^2 = 25\sqrt{3}
四角形BCEDBCEDの面積は、
25\sqrt{3} - \frac{\sqrt{3}}{4}x^2
三角形ADEADEを折り返した三角形ADEAD'Eと四角形BCEDBCEDが重なる部分の面積SSは、
S = (\triangle ADE + \text{四角形} BCED) - \triangle ABC = (\frac{\sqrt{3}}{4}x^2 + 25\sqrt{3} - \frac{\sqrt{3}}{4}x^2) - 25\sqrt{3}
これは誤り。
5<x<105<x<10のとき、折り返した三角形ADEADEと四角形BCEDBCEDが重なる部分は、五角形となる。この五角形の面積は、三角形ADEADEの面積の2倍から、四角形BCEDBCEDと重ならない部分の面積を引いたものと考える。
三角形ADEを線分DEで折り返した時、三角形ADEのうち四角形BCEDと重なり合う部分の面積をSとすると、
S = 2 \cdot (\frac{\sqrt{3}}{4} x^2) - (\text{図形AD'Eのうち三角形ABCの外にはみ出た部分の面積})
図形AD'Eのうち三角形ABCの外にはみ出た部分は、三角形ADEをDEで折り返したときにできる三角形を考えることで求めることができる。三角形ABCの外にはみ出る面積は、三角形ABCと重ならない三角形の面積に等しい。
ここで、三角形ADEを線分DEで折り返してできる三角形をAD'Eとし、辺BCと線分DD'の交点をF, 辺BCとEE'の交点をGとする。
S=ADEDBFECGS = \triangle ADE - \triangle D'BF - \triangle E'CG
である。三角形D'BFと三角形E'CGは合同な三角形なので、DBF=ECG\triangle D'BF = \triangle E'CGが成り立つ。
DDB=DDE+EDB=ADE+EDB=60+EDB\angle D'DB = \angle D'DE + \angle EDB = \angle ADE + \angle EDB = 60^\circ + \angle EDBである。
DBF=60\angle DBF = 60^\circであるから、DBF=60\angle D'BF = 60^\circとなるためには、BD=BFBD = BFである必要がある。
DE//BCDE//BCより、ADEABC\triangle ADE \sim \triangle ABCであり、その相似比はx:10x:10である。
AD=AE=xAD = AE = xであるから、BD=CE=10xBD = CE = 10 - xである。
DBFADE\triangle D'BF \equiv \triangle ADE
S = \frac{\sqrt{3}}{4} x^2 - \frac{\sqrt{3}}{4}(10-x)^2
S = \frac{\sqrt{3}}{4}(x^2 - (100 - 20x + x^2)) = \frac{\sqrt{3}}{4}(20x - 100) = 5\sqrt{3}(x-5)
(2) S=53(x5)S = 5\sqrt{3}(x-5)xxの一次関数であり、xxが増加するにつれてSSも増加する。したがって、5<x<105 < x < 10において、SSが最大となるのは、x=10x=10のときである。しかし、x<10x < 10であるため、xxは10に限りなく近づくことができる。そのため、x=10x=10を代入することはできないが、Sはx=10x=10に近いほど大きくなる。
xxx<10x < 10を満たしながら10に近づくとき、S=53(x5)S = 5\sqrt{3}(x-5)53(105)=2535\sqrt{3}(10-5) = 25\sqrt{3}に近づく。

3. 最終的な答え

(1) S=53(x5)S = 5\sqrt{3}(x-5)
(2) SSの最大値は存在しないが、xxが10に限りなく近づくとき、SS25325\sqrt{3}に限りなく近づく。

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