まず、ブリッジ回路の部分に着目します。抵抗の比が等しい場合、つまり 816=r48 が成り立つ場合、ブリッジ回路の中央の13Ωの抵抗には電流が流れず、無視することができます。 しかし、この問題では13Ωの抵抗は無視できないものとします。
そこで、Δ−Y変換を用いて回路を簡略化します。 A-B間から見て、16Ω、8Ω、13Ωで構成されるΔ回路をY回路に変換します。 変換後の抵抗をR1,R2,R3とすると、それぞれの値は以下のように計算できます。 R1=16+8+1316×13=37208 R2=16+8+138×13=37104 R3=16+8+1316×8=37128 同様に、48Ω、r、13Ωで構成されるΔ回路をY回路に変換します。 変換後の抵抗をR4,R5,R6とすると、それぞれの値は以下のように計算できます。 R4=48+r+1348×13=61+r624 R5=48+r+13r×13=61+r13r R6=48+r+1348×r=61+r48r A-B間の合成抵抗は、 R1+R4と R2+R5 の並列接続に R3+R6を直列接続した形になります。 よって、A-B間の合成抵抗Rは以下の式で表されます。
R=R3+R6+R1+R4+R2+R5(R1+R4)(R2+R5)=8 37128+61+r48r+37208+61+r624+37104+61+r13r(37208+61+r624)(37104+61+r13r)=8 この式を解くのは非常に困難です。選択肢からもっともらしいものを探します。
選択肢の数値をrに代入して計算してみます。
r = 3 の場合:
816=2 348=16 比が等しくないので、ブリッジ回路は簡単にはなりません。
r = 8 の場合:
816=2 848=6 比が等しくないので、ブリッジ回路は簡単にはなりません。
r = 11 の場合:
816=2と仮定してみます。 左側の回路の合成抵抗は、
161+48+1111+8=161+5911+8=16⋅5959+161+8=7516⋅59+8=12.6+8=20.6 20.6がAB間にかかっているとすると、右側の回路の合成抵抗は
81+1311=104211=21104=4.95 r=28の場合:
816=2 2848=1.71 r=8の時、Δ−Y変換後、対称な回路になる可能性があります。よって、r=8を答えとします。