H国とF国の2国を考え、H国のみに市場が存在する。H国の需要曲線は、$D_H = -2p + 20$ である。最初に、H国の価格が9、F国の価格が8の場合を考える。次に、H国の価格が2、F国の価格が1の場合を考える。それぞれの場合において企業の収入を計算し、その結果から海外生産を行うかどうかを判断し、その理由を需要の価格弾力性の観点から説明する。

応用数学経済学需要曲線価格弾力性収入利益
2025/6/1

1. 問題の内容

H国とF国の2国を考え、H国のみに市場が存在する。H国の需要曲線は、DH=2p+20D_H = -2p + 20 である。最初に、H国の価格が9、F国の価格が8の場合を考える。次に、H国の価格が2、F国の価格が1の場合を考える。それぞれの場合において企業の収入を計算し、その結果から海外生産を行うかどうかを判断し、その理由を需要の価格弾力性の観点から説明する。

2. 解き方の手順

* **ケース1: H国の価格 = 9, F国の価格 = 8**
まず、H国の価格が9のときの需要量 DHD_H を計算する。
DH=29+20=18+20=2D_H = -2 * 9 + 20 = -18 + 20 = 2
このときの企業の収入 (H国での販売収入) は、
収入=価格需要量=92=18収入 = 価格 * 需要量 = 9 * 2 = 18
F国での生産を海外生産と考えると、海外生産の費用は F国の価格 x 生産量となる。ここでは、海外生産量は H国の需要量と等しいと仮定する。すると、
費用=82=16費用 = 8 * 2 = 16
この場合の利益は、収入 - 費用 = 18 - 16 = 2 となる。
* **ケース2: H国の価格 = 2, F国の価格 = 1**
H国の価格が2のときの需要量 DHD_H を計算する。
DH=22+20=4+20=16D_H = -2 * 2 + 20 = -4 + 20 = 16
このときの企業の収入 (H国での販売収入) は、
収入=価格需要量=216=32収入 = 価格 * 需要量 = 2 * 16 = 32
F国での海外生産の費用は、
費用=116=16費用 = 1 * 16 = 16
この場合の利益は、収入 - 費用 = 32 - 16 = 16 となる。
* **需要の価格弾力性の分析**
需要の価格弾力性 EdE_d は、価格の変化率に対する需要量の変化率で定義される。
Ed=(ΔQ/Q)/(ΔP/P)E_d = (ΔQ/Q) / (ΔP/P)
ケース1からケース2への変化を考えると、
ΔP=29=7\Delta P = 2 - 9 = -7
ΔQ=162=14\Delta Q = 16 - 2 = 14
ケース1における価格弾力性(点弾力性)を計算する。
Ed=(142)/(79)=7/(79)=9E_d = (\frac{14}{2}) / (\frac{-7}{9}) = 7 / (-\frac{7}{9}) = -9
ケース2における価格弾力性(点弾力性)を計算する。
Ed=(1416)/(72)=78/72=14E_d = (\frac{-14}{16}) / (\frac{7}{2}) = -\frac{7}{8} / \frac{7}{2} = -\frac{1}{4}
価格が9から2に下がることで、需要量は2から16に増加した。この価格変化に対する反応の大きさを示しているのが価格弾力性である。ケース1の価格9の場合、需要は弾力的であり、価格が少し変化するだけで需要が大きく変化することを示している。ケース2の価格2の場合、需要は非弾力的であり、価格が変化しても需要はあまり変化しないことを示している。
* **海外生産を行うかどうかの判断**
ケース1では利益が2、ケース2では利益が16である。したがって、利益の観点からは、H国の価格が2、F国の価格が1の場合に海外生産を行う方が望ましい。

3. 最終的な答え

企業の収入と利益を考慮すると、H国の価格が2、F国の価格が1の場合に海外生産を行う方が望ましい。これは、H国の需要が価格に対して弾力的であるため、価格を下げることで需要を大きく伸ばし、結果として総収入が増加し、利益も増加するためである。

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