需要量 $x$、供給量 $y$、価格 $p$ とし、需要曲線が $x = 180 - p$、供給曲線が $y = 2p$ で与えられている。政府が価格の下限を80に設定したときの生産者余剰の大きさを求める。

応用数学経済学需要曲線供給曲線生産者余剰死荷重従価税
2025/6/4
## 問題9

1. 問題の内容

需要量 xx、供給量 yy、価格 pp とし、需要曲線が x=180px = 180 - p、供給曲線が y=2py = 2p で与えられている。政府が価格の下限を80に設定したときの生産者余剰の大きさを求める。

2. 解き方の手順

まず、価格の下限が設定されていない場合の均衡点を求める。均衡点では需要量と供給量が等しくなるので、
x=yx = y
180p=2p180 - p = 2p
180=3p180 = 3p
p=60p = 60
均衡価格は60である。このとき、均衡数量は
y=2×60=120y = 2 \times 60 = 120
価格の下限が80に設定された場合、価格は80となる。このときの供給量は、
y=2×80=160y = 2 \times 80 = 160
価格下限が設定される前の生産者余剰は、均衡価格60、均衡数量120の時の生産者余剰である。供給曲線は y=2py = 2p であり、p=y2p = \frac{y}{2} と表せる。生産者余剰は、価格と供給曲線の間の領域の面積なので、
生産者余剰=60×1200120y2dy=720012[y22]0120=720014(120)2=720014(14400)=72003600=3600\text{生産者余剰} = 60 \times 120 - \int_0^{120} \frac{y}{2} dy = 7200 - \frac{1}{2} [\frac{y^2}{2}]_0^{120} = 7200 - \frac{1}{4}(120)^2 = 7200 - \frac{1}{4} (14400) = 7200 - 3600 = 3600
価格下限が設定された後の生産者余剰は、価格80、供給量160の時の生産者余剰である。
生産者余剰=80×1600160y2dy=1280012[y22]0160=1280014(160)2=1280014(25600)=128006400=6400\text{生産者余剰} = 80 \times 160 - \int_0^{160} \frac{y}{2} dy = 12800 - \frac{1}{2} [\frac{y^2}{2}]_0^{160} = 12800 - \frac{1}{4}(160)^2 = 12800 - \frac{1}{4}(25600) = 12800 - 6400 = 6400
よって、価格の下限が設定されたことによる生産者余剰の大きさは、
64003600=28006400 - 3600 = 2800
## 問題10

1. 問題の内容

需要量 xx、供給量 yy、価格 pp とし、需要曲線が x=342px = 34 - 2p、供給曲線が y=10+2py = -10 + 2p で与えられている。政府が消費者に財の価格の20%の従価税を課すことにしたときの、課税による死荷重の大きさを求める。

2. 解き方の手順

まず、課税前の均衡点を求める。均衡点では需要量と供給量が等しくなるので、
x=yx = y
342p=10+2p34 - 2p = -10 + 2p
44=4p44 = 4p
p=11p = 11
均衡価格は11である。このとき、均衡数量は
x=342×11=3422=12x = 34 - 2 \times 11 = 34 - 22 = 12
次に、20%の従価税が課せられた後の供給曲線を求める。消費者が支払う価格を pcp_c 、生産者が受け取る価格を psp_s とすると、pc=ps+0.2pcp_c = p_s + 0.2p_c となる。よって、0.8pc=ps0.8p_c = p_s 、つまり、pc=ps0.8=1.25psp_c = \frac{p_s}{0.8} = 1.25p_s となる。課税後の均衡点を求めるためには、x=342pcx = 34 - 2p_cy=10+2psy = -10 + 2p_s を連立させる。
342pc=10+2ps34 - 2p_c = -10 + 2p_s
342(1.25ps)=10+2ps34 - 2(1.25p_s) = -10 + 2p_s
342.5ps=10+2ps34 - 2.5p_s = -10 + 2p_s
44=4.5ps44 = 4.5p_s
ps=444.5=8899.78p_s = \frac{44}{4.5} = \frac{88}{9} \approx 9.78
このときの数量は、
y=10+2(889)=10+1769=90+1769=8699.56y = -10 + 2(\frac{88}{9}) = -10 + \frac{176}{9} = \frac{-90 + 176}{9} = \frac{86}{9} \approx 9.56
pc=1.25ps=1.25×889=54×889=110912.22p_c = 1.25p_s = 1.25 \times \frac{88}{9} = \frac{5}{4} \times \frac{88}{9} = \frac{110}{9} \approx 12.22
死荷重は、DWL=12×(課税額)×(数量の変化)DWL = \frac{1}{2} \times (\text{課税額}) \times (\text{数量の変化})
課税額 =pcps=1109889=229= p_c - p_s = \frac{110}{9} - \frac{88}{9} = \frac{22}{9}
数量の変化 =12869=108869=229= 12 - \frac{86}{9} = \frac{108 - 86}{9} = \frac{22}{9}
DWL=12×229×229=12×48481=242812.99DWL = \frac{1}{2} \times \frac{22}{9} \times \frac{22}{9} = \frac{1}{2} \times \frac{484}{81} = \frac{242}{81} \approx 2.99
より正確に求めるには、
需要関数は x=342px = 34 - 2p より p=17x2p = 17 - \frac{x}{2}
供給関数は y=10+2py = -10 + 2p より p=5+y2p = 5 + \frac{y}{2}
死荷重は、課税による消費者余剰と生産者余剰の減少の合計。
p=11,x=12p = 11, x=12 から、課税後、pc=1109,x=869p_c = \frac{110}{9}, x=\frac{86}{9}
DWL=12×(税額)×(数量減少)=12×(0.2×1109)×(12869)=12×229×229=24281=2.9876543DWL = \frac{1}{2} \times (\text{税額}) \times (\text{数量減少}) = \frac{1}{2} \times (0.2 \times \frac{110}{9}) \times (12-\frac{86}{9}) = \frac{1}{2} \times \frac{22}{9} \times \frac{22}{9} = \frac{242}{81} = 2.987654 \approx 3

3. 最終的な答え

問題9:2800
問題10:3

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