平面上の点 $(x, y)$ において、保存力 $\vec{F} = -xy^2\vec{i} - x^2y\vec{j}$ が質点に作用している。このとき、原点を基準とした、点 $(1, 2)$ におけるポテンシャルを求める。

応用数学ベクトル解析ポテンシャル勾配積分保存力
2025/6/5

1. 問題の内容

平面上の点 (x,y)(x, y) において、保存力 F=xy2ix2yj\vec{F} = -xy^2\vec{i} - x^2y\vec{j} が質点に作用している。このとき、原点を基準とした、点 (1,2)(1, 2) におけるポテンシャルを求める。

2. 解き方の手順

保存力 F\vec{F} とポテンシャル UU の関係は以下の通りである。
F=U\vec{F} = -\nabla U
ここで、\nabla は勾配を表す演算子である。二次元の場合、=xi+yj\nabla = \frac{\partial}{\partial x}\vec{i} + \frac{\partial}{\partial y}\vec{j} となる。
したがって、
Fx=Ux=xy2F_x = -\frac{\partial U}{\partial x} = -xy^2
Fy=Uy=x2yF_y = -\frac{\partial U}{\partial y} = -x^2y
まず、FxF_x の式から UU を求める。
U(x,y)=Fxdx=xy2dx=12x2y2+f(y)U(x, y) = -\int F_x dx = \int xy^2 dx = \frac{1}{2}x^2y^2 + f(y)
ここで、f(y)f(y)xx に依存しない任意の関数である。
次に、この UUyy で偏微分する。
Uy=y(12x2y2+f(y))=x2y+f(y)\frac{\partial U}{\partial y} = \frac{\partial}{\partial y} (\frac{1}{2}x^2y^2 + f(y)) = x^2y + f'(y)
これが Fy=x2y-F_y = x^2y に等しいはずなので、
x2y+f(y)=x2yx^2y + f'(y) = x^2y
したがって、f(y)=0f'(y) = 0 となる。
これを積分すると、f(y)=Cf(y) = C (定数)となる。
したがって、
U(x,y)=12x2y2+CU(x, y) = \frac{1}{2}x^2y^2 + C
原点を基準とするので、U(0,0)=0U(0, 0) = 0 となるように CC を定める。
U(0,0)=12(0)2(0)2+C=0U(0, 0) = \frac{1}{2}(0)^2(0)^2 + C = 0
したがって、C=0C = 0 である。
よって、ポテンシャルは
U(x,y)=12x2y2U(x, y) = \frac{1}{2}x^2y^2
(1,2)(1, 2) におけるポテンシャルは、
U(1,2)=12(1)2(2)2=12(1)(4)=2U(1, 2) = \frac{1}{2}(1)^2(2)^2 = \frac{1}{2}(1)(4) = 2

3. 最終的な答え

2

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