実数 $a, b$ が $0 < a < b < \frac{1}{a} < b^2$ を満たすとき、次の(1)から(4)について、$x$ と $y$ の大小関係を調べ、選択肢の中から正しいものを選ぶ。 (1) $x = \log_a b, y = \log_b a$ のとき (2) $x = \log_a ab, y = 0$ のとき (3) $x = \log_a b^2, y = \log_{\frac{1}{a}} b$ のとき (4) $x = \log_b \frac{b}{a}, y = \log_a \frac{a}{b}$ のとき 選択肢: 0. $x < y$ が必ず成り立つ 1. $x > y$ が必ず成り立つ

代数学対数不等式大小比較
2025/4/23

1. 問題の内容

実数 a,ba, b0<a<b<1a<b20 < a < b < \frac{1}{a} < b^2 を満たすとき、次の(1)から(4)について、xxyy の大小関係を調べ、選択肢の中から正しいものを選ぶ。
(1) x=logab,y=logbax = \log_a b, y = \log_b a のとき
(2) x=logaab,y=0x = \log_a ab, y = 0 のとき
(3) x=logab2,y=log1abx = \log_a b^2, y = \log_{\frac{1}{a}} b のとき
(4) x=logbba,y=logaabx = \log_b \frac{b}{a}, y = \log_a \frac{a}{b} のとき
選択肢:

0. $x < y$ が必ず成り立つ

1. $x > y$ が必ず成り立つ

2. $x = y$ が必ず成り立つ

3. $x < y$ が成り立つことも $x > y$ が成り立つこともあり得る

2. 解き方の手順

(1) x=logab,y=logbax = \log_a b, y = \log_b a のとき
条件より 0<a<b0 < a < b であるから、b>1b > 1 ならば logab>1\log_a b > 1 かつ logba<1\log_b a < 1 なので x>yx > y となる。0<a<b<10 < a < b < 1 の場合、a<ba < b より logab<1\log_a b < 1 かつ logba>1\log_b a > 1 なので x<yx < y となる。条件 0<a<b<1a<b20 < a < b < \frac{1}{a} < b^2 より、もし、b<1b < 1 ならば 1a<b2<1\frac{1}{a} < b^2 < 1 であるから、a>1a > 1 となってしまう。これは 0<a<b0 < a < b に矛盾する。したがって b>1b > 1 であり、x>yx > y が必ず成り立つ。
(2) x=logaab,y=0x = \log_a ab, y = 0 のとき
x=logaa+logab=1+logabx = \log_a a + \log_a b = 1 + \log_a b
条件より a<1aa < \frac{1}{a} であり、a2<1a^2 < 1 となる。したがって 0<a<10 < a < 1 である。a<ba < b より logab<1\log_a b < 1 となるので、x=logaab=1+logabx = \log_a ab = 1 + \log_a b である。
条件より b>1b > 1 であり、0<a<10 < a < 1 より logab<0\log_a b < 0 である。
したがって x=1+logab<1x = 1 + \log_a b < 1 である。また、logab\log_a b の値は aabb の値によって正にも負にもなりうるため、x>y,x<yどちらの場合もありうる。しかし、条件より b>a>0b > a > 0 であるため b>ab > a であり、0<a<10 < a < 1 より logab<0\log_a b < 0 であるため、1+logab1 + \log_a b が必ずしも正とは限らない。したがって、大小関係は確定しない。
b2>1ab^2 > \frac{1}{a} であり、a>0,b>0a > 0, b > 0 であることから、a=1b2a = \frac{1}{b^2} とすれば x=log1b2bb2=log1b21b=12x = \log_{\frac{1}{b^2}} \frac{b}{b^2} = \log_{\frac{1}{b^2}} \frac{1}{b} = \frac{1}{2} となるので x>yx > y となる場合もある。
x<yx < y も成り立ちうるので、選択肢
3.
(3) x=logab2,y=log1abx = \log_a b^2, y = \log_{\frac{1}{a}} b のとき
x=2logabx = 2 \log_a b
y=logabloga1a=logab1=logaby = \frac{\log_a b}{\log_a \frac{1}{a}} = \frac{\log_a b}{-1} = - \log_a b
x=2logab>y=logabx = 2 \log_a b > y = - \log_a b
3logab>03 \log_a b > 0
logab>0\log_a b > 0
a<1a < 1 かつ b<1b < 1 または a>1a > 1 かつ b>1b > 1
条件 0<a<b<1a<b20 < a < b < \frac{1}{a} < b^2 より、0<a<10 < a < 1 かつ 1<b1 < b は起こりえないため、a<1a < 1 かつ b<1b < 1 と、a>1a > 1 かつ b>1b > 1 のどちらかとなる。
しかし、0<a<10 < a < 1 より 1a>1\frac{1}{a} > 1 であるため、0<a<b<1a<b20 < a < b < \frac{1}{a} < b^2 を満たすためには、1<b1 < b である必要がある。そうでない場合、b<1b < 1 であるため、b2<1b^2 < 1 となる。
したがって a<1,b>1a < 1, b > 1 である。
x>yx > y が必ず成り立つ。
(4) x=logbba,y=logaabx = \log_b \frac{b}{a}, y = \log_a \frac{a}{b} のとき
x=logbblogba=1logbax = \log_b b - \log_b a = 1 - \log_b a
y=logaalogab=1logaby = \log_a a - \log_a b = 1 - \log_a b
a<ba < b より logba<1\log_b a < 1 かつ logab>1\log_a b > 1 となる。
したがって 1logba>01 - \log_b a > 0 かつ 1logab<01 - \log_a b < 0 となり、x>yx > y が必ず成り立つ。

3. 最終的な答え

(1) 1
(2) 3
(3) 1
(4) 1

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