三角形OABにおいて、ベクトル$\overrightarrow{OA} = \vec{a}$, $\overrightarrow{OB} = \vec{b}$とする。 (1) 角AOBの二等分線上のベクトル$\vec{p}$が、ある実数tを用いて $\vec{p} = t(\frac{\vec{a}}{|\vec{a}|} + \frac{\vec{b}}{|\vec{b}|})$ と表されることを示せ。 (2) 角AOBの二等分線と辺ABの交点をDとするとき、$AD:DB = OA:OB$ であることを、(1)を利用して示せ。

幾何学ベクトル三角形角の二等分線内分点
2025/4/23
## 問題9

1. 問題の内容

三角形OABにおいて、ベクトルOA=a\overrightarrow{OA} = \vec{a}, OB=b\overrightarrow{OB} = \vec{b}とする。
(1) 角AOBの二等分線上のベクトルp\vec{p}が、ある実数tを用いて p=t(aa+bb)\vec{p} = t(\frac{\vec{a}}{|\vec{a}|} + \frac{\vec{b}}{|\vec{b}|}) と表されることを示せ。
(2) 角AOBの二等分線と辺ABの交点をDとするとき、AD:DB=OA:OBAD:DB = OA:OB であることを、(1)を利用して示せ。

2. 解き方の手順

(1)
角AOBの二等分線上の点Pを考える。OA\overrightarrow{OA}方向の単位ベクトルをea=aa\vec{e_a} = \frac{\vec{a}}{|\vec{a}|}OB\overrightarrow{OB}方向の単位ベクトルをeb=bb\vec{e_b} = \frac{\vec{b}}{|\vec{b}|}とする。
OP\overrightarrow{OP}ea\vec{e_a}eb\vec{e_b}の和の方向にあり、ある実数tを用いて OP=t(ea+eb)\overrightarrow{OP} = t(\vec{e_a} + \vec{e_b}) と表せる。
よって、p=t(aa+bb)\vec{p} = t(\frac{\vec{a}}{|\vec{a}|} + \frac{\vec{b}}{|\vec{b}|})が成り立つ。
(2)
点Dは角AOBの二等分線と辺ABの交点なので、OD\overrightarrow{OD}はある実数kを用いて OD=k(aa+bb)\overrightarrow{OD} = k(\frac{\vec{a}}{|\vec{a}|} + \frac{\vec{b}}{|\vec{b}|}) と表せる。
また、点Dは辺AB上にあるので、OD=(1s)a+sb\overrightarrow{OD} = (1-s)\vec{a} + s\vec{b} と表せる(sは実数)。
したがって、
k(aa+bb)=(1s)a+sbk(\frac{\vec{a}}{|\vec{a}|} + \frac{\vec{b}}{|\vec{b}|}) = (1-s)\vec{a} + s\vec{b}
係数を比較するために両辺に ab|\vec{a}||\vec{b}| をかけると
k(ba+ab)=(1s)aba+sabbk(|\vec{b}|\vec{a} + |\vec{a}|\vec{b}) = (1-s)|\vec{a}||\vec{b}|\vec{a} + s|\vec{a}||\vec{b}|\vec{b}
係数を比較すると
kb=(1s)abk|\vec{b}| = (1-s)|\vec{a}||\vec{b}|
ka=sabk|\vec{a}| = s|\vec{a}||\vec{b}|
よって、
k=(1s)ak = (1-s)|\vec{a}|
k=sbk = s|\vec{b}|
したがって、(1s)a=sb(1-s)|\vec{a}| = s|\vec{b}| より、
a=sb+sa|\vec{a}| = s|\vec{b}| + s|\vec{a}|
a=s(a+b)|\vec{a}| = s(|\vec{a}| + |\vec{b}|)
s=aa+bs = \frac{|\vec{a}|}{|\vec{a}| + |\vec{b}|}
1s=ba+b1-s = \frac{|\vec{b}|}{|\vec{a}| + |\vec{b}|}
ゆえに、OD=ba+aba+b\overrightarrow{OD} = \frac{|\vec{b}|\vec{a} + |\vec{a}|\vec{b}}{|\vec{a}|+|\vec{b}|}
AD=ODOA=ba+aba+ba=abaaa+b=aa+b(ba)\overrightarrow{AD} = \overrightarrow{OD} - \overrightarrow{OA} = \frac{|\vec{b}|\vec{a} + |\vec{a}|\vec{b}}{|\vec{a}|+|\vec{b}|} - \vec{a} = \frac{|\vec{a}|\vec{b} - |\vec{a}|\vec{a}}{|\vec{a}|+|\vec{b}|} = \frac{|\vec{a}|}{|\vec{a}|+|\vec{b}|}(\vec{b}-\vec{a})
DB=OBOD=bba+aba+b=bbbaa+b=ba+b(ba)\overrightarrow{DB} = \overrightarrow{OB} - \overrightarrow{OD} = \vec{b} - \frac{|\vec{b}|\vec{a} + |\vec{a}|\vec{b}}{|\vec{a}|+|\vec{b}|} = \frac{|\vec{b}|\vec{b} - |\vec{b}|\vec{a}}{|\vec{a}|+|\vec{b}|} = \frac{|\vec{b}|}{|\vec{a}|+|\vec{b}|}(\vec{b}-\vec{a})
AD:DB=AD:DB=aa+bba:ba+bba=a:bAD:DB = |\overrightarrow{AD}|:|\overrightarrow{DB}| = \frac{|\vec{a}|}{|\vec{a}|+|\vec{b}|}|\vec{b}-\vec{a}| : \frac{|\vec{b}|}{|\vec{a}|+|\vec{b}|}|\vec{b}-\vec{a}| = |\vec{a}| : |\vec{b}|
OA:OB=a:bOA:OB = |\vec{a}|:|\vec{b}|
したがって、AD:DB=OA:OBAD:DB = OA:OB が成り立つ。

3. 最終的な答え

(1) p=t(aa+bb)\vec{p} = t(\frac{\vec{a}}{|\vec{a}|} + \frac{\vec{b}}{|\vec{b}|})
(2) AD:DB=OA:OBAD:DB = OA:OB

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