$\triangle ABC$の外接円の中心$O$を基準とし、頂点$A, B, C$の位置ベクトルをそれぞれ$\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}$とする。$\vec{h} = \vec{a} + \vec{b} + \vec{c}$を位置ベクトルとする点を$H$とし、$\triangle ABC$の重心を$G$とする。 (1) 3点$O, G, H$が同一直線上にあることを示す。 (2) $(\vec{h} - \vec{a}) \cdot (\vec{b} - \vec{c}) = 0$を示す。 (3) 点$H$が$\triangle ABC$の垂心(各頂点から対辺に引いた垂線の交点)であることを示す。

幾何学ベクトル外接円重心垂心内積
2025/4/23
## 問題10

1. 問題の内容

ABC\triangle ABCの外接円の中心OOを基準とし、頂点A,B,CA, B, Cの位置ベクトルをそれぞれa,b,c\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}とする。h=a+b+c\vec{h} = \vec{a} + \vec{b} + \vec{c}を位置ベクトルとする点をHHとし、ABC\triangle ABCの重心をGGとする。
(1) 3点O,G,HO, G, Hが同一直線上にあることを示す。
(2) (ha)(bc)=0(\vec{h} - \vec{a}) \cdot (\vec{b} - \vec{c}) = 0を示す。
(3) 点HHABC\triangle ABCの垂心(各頂点から対辺に引いた垂線の交点)であることを示す。

2. 解き方の手順

(1)
重心GGの位置ベクトルg\vec{g}は、g=a+b+c3\vec{g} = \frac{\vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3}と表せる。
ここで、h=a+b+c\vec{h} = \vec{a} + \vec{b} + \vec{c}なので、g=h3\vec{g} = \frac{\vec{h}}{3}となる。
よって、h=3g\vec{h} = 3\vec{g}
これは、OH=3OG\vec{OH} = 3\vec{OG}であることを意味する。
したがって、3点O,G,HO, G, Hは同一直線上にあり、OG:GH=1:2OG : GH = 1:2となる。
(2)
(ha)(bc)=(a+b+ca)(bc)=(b+c)(bc)(\vec{h} - \vec{a}) \cdot (\vec{b} - \vec{c}) = (\vec{a} + \vec{b} + \vec{c} - \vec{a}) \cdot (\vec{b} - \vec{c}) = (\vec{b} + \vec{c}) \cdot (\vec{b} - \vec{c})
=b2c2= |\vec{b}|^2 - |\vec{c}|^2
ここで、b|\vec{b}|c|\vec{c}|はそれぞれ円OOの半径であるので、b=c|\vec{b}| = |\vec{c}|
したがって、b2c2=0|\vec{b}|^2 - |\vec{c}|^2 = 0
よって、(ha)(bc)=0 (\vec{h} - \vec{a}) \cdot (\vec{b} - \vec{c}) = 0
(3)
(2)より(ha)(bc)=0(\vec{h} - \vec{a}) \cdot (\vec{b} - \vec{c}) = 0なので、AHBC\vec{AH} \perp \vec{BC}
同様に、(hb)(ac)=(a+b+cb)(ac)=(a+c)(ac)=a2c2=0(\vec{h} - \vec{b}) \cdot (\vec{a} - \vec{c}) = (\vec{a} + \vec{b} + \vec{c} - \vec{b}) \cdot (\vec{a} - \vec{c}) = (\vec{a} + \vec{c}) \cdot (\vec{a} - \vec{c}) = |\vec{a}|^2 - |\vec{c}|^2 = 0なので、BHAC\vec{BH} \perp \vec{AC}
よって、点HHABC\triangle ABCの頂点AAから辺BCBCへ下ろした垂線上にあり、かつ頂点BBから辺ACACへ下ろした垂線状にある。
したがって、点HHABC\triangle ABCの垂心である。

3. 最終的な答え

(1) 3点O,G,HO, G, Hは同一直線上にある。
(2) (ha)(bc)=0(\vec{h} - \vec{a}) \cdot (\vec{b} - \vec{c}) = 0
(3) 点HHABC\triangle ABCの垂心である。

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