問題は、台車Aと台車Bが連結された状態で、糸を切ったり、初速度を与えた後に糸を切ったりした場合に、台車Bがどのような速度で進むかを求める問題、爆発によって物体が分裂した後のAとBの速度を求める問題、2球が衝突した後のそれぞれの速度を求める問題です。

応用数学運動量保存則力学衝突爆発ベクトル
2025/4/24
## 問題の解答

1. 問題の内容

問題は、台車Aと台車Bが連結された状態で、糸を切ったり、初速度を与えた後に糸を切ったりした場合に、台車Bがどのような速度で進むかを求める問題、爆発によって物体が分裂した後のAとBの速度を求める問題、2球が衝突した後のそれぞれの速度を求める問題です。

2. 解き方の手順

**(1) 台車Aと台車Bの問題**
(1) 運動量保存則を用います。糸を切る前は静止しているので、運動量は0です。糸を切った後、台車Aは左向きに0.30 m/sで進むので、台車Bは右向きに進むはずです。運動量保存則より、
0=mAvA+mBvB0 = m_A v_A + m_B v_B
ここで、mA=2.0kgm_A = 2.0 kg, vA=0.30m/sv_A = -0.30 m/s, mB=1.0kgm_B = 1.0 kgなので、
0=2.0(0.30)+1.0vB0 = 2.0 * (-0.30) + 1.0 * v_B
vB=0.60m/sv_B = 0.60 m/s
よって、台車Bは右向きに0.60 m/sで進みます。
(2) 同様に、運動量保存則を用います。初めに左向きに0.40 m/sで進んでいるので、全体の運動量は(mA+mB)(0.40)(m_A + m_B) * (-0.40)です。
糸を切った後、台車Aは左向きに0.70 m/sで進むので、台車Bの速度をvBv_Bとすると、運動量保存則より、
(mA+mB)(0.40)=mAvA+mBvB(m_A + m_B) * (-0.40) = m_A v_A + m_B v_B
(2.0+1.0)(0.40)=2.0(0.70)+1.0vB(2.0 + 1.0) * (-0.40) = 2.0 * (-0.70) + 1.0 * v_B
1.2=1.4+vB-1.2 = -1.4 + v_B
vB=0.20m/sv_B = 0.20 m/s
よって、台車Bは右向きに0.20 m/sで進みます。
**(2) 爆発による物体の分裂**
(1) なめらかな水平面上の運動においては、物体に働く力は重力ですが、重力は鉛直方向なので、運動方向には仕事をしません。また、爆発によって物体AとBが受ける力積は、大きさが等しく、向きが反対です。
爆発の前後で運動量が成り立ちます。
x成分:MV=mAvAx+mBvBxM*V = m_A * v_{Ax} + m_B * v_{Bx}
y成分:0=mAvAy+mBvBy0 = m_A * v_{Ay} + m_B * v_{By}
ここで、mA=23Mm_A = \frac{2}{3}M, mB=13Mm_B = \frac{1}{3}M, vAx=vAcos(45)=vA22v_{Ax} = v_A \cos(45^\circ) = v_A \frac{\sqrt{2}}{2}, vAy=vAsin(45)=vA22v_{Ay} = v_A \sin(45^\circ) = v_A \frac{\sqrt{2}}{2}, vBx=vBcos(30)=vB32v_{Bx} = v_B \cos(-30^\circ) = v_B \frac{\sqrt{3}}{2}, vBy=vBsin(30)=vB12v_{By} = v_B \sin(-30^\circ) = -v_B \frac{1}{2}
なので、
MV=23MvA22+13MvB32MV = \frac{2}{3}M v_A \frac{\sqrt{2}}{2} + \frac{1}{3}M v_B \frac{\sqrt{3}}{2}
0=23MvA2213MvB120 = \frac{2}{3}M v_A \frac{\sqrt{2}}{2} - \frac{1}{3}M v_B \frac{1}{2}
これらを解くと、
vB=2vAv_B = \sqrt{2} v_A
V=23vA+36vB=23vA+66vA=22+66vAV = \frac{\sqrt{2}}{3}v_A + \frac{\sqrt{3}}{6}v_B = \frac{\sqrt{2}}{3}v_A + \frac{\sqrt{6}}{6}v_A = \frac{2\sqrt{2}+\sqrt{6}}{6}v_A
よって、vA=622+6V=6(226)(22)2(6)2V=6(226)86V=3(226)Vv_A = \frac{6}{2\sqrt{2}+\sqrt{6}}V = \frac{6(2\sqrt{2}-\sqrt{6})}{(2\sqrt{2})^2-(\sqrt{6})^2}V = \frac{6(2\sqrt{2}-\sqrt{6})}{8-6}V = 3(2\sqrt{2}-\sqrt{6})V
vB=2vA=3(423)Vv_B = \sqrt{2}v_A = 3(4-2\sqrt{3})V
(2) 爆発による力学的エネルギーの増加は、12mAvA2+12mBvB212MV2\frac{1}{2} m_A v_A^2 + \frac{1}{2} m_B v_B^2 - \frac{1}{2} M V^2で表されます。
12(23M)(3(226)V)2+12(13M)(3(423)V)212MV2=12M(1263+16123)V212MV2\frac{1}{2}(\frac{2}{3}M)(3(2\sqrt{2}-\sqrt{6})V)^2 + \frac{1}{2}(\frac{1}{3}M)(3(4-2\sqrt{3})V)^2 - \frac{1}{2}MV^2 = \frac{1}{2}M (12-6\sqrt{3}+16-12\sqrt{3})V^2 - \frac{1}{2}M V^2
**(3) 平面内での2球の衝突**
衝突前後の運動に対して、運動量保存則が成り立ちます。
x成分:m1v0=m1vAx+m2vBxm_1 v_0 = m_1 v_{Ax} + m_2 v_{Bx}
y成分:0=m1vAy+m2vBy0 = m_1 v_{Ay} + m_2 v_{By}
いま、tanθA=1tan \theta_A = 1となる場合には、vAy=vAxv_{Ay} = v_{Ax}となるので、これを式(2)に代入し、
0=m1vAx+m2vBy0 = m_1 v_{Ax} + m_2 v_{By}
vBy=m1m2vAxv_{By} = -\frac{m_1}{m_2} v_{Ax}
m1m2=v0vAxvAx\frac{m_1}{m_2}=\frac{v_0-v_{Ax}}{v_{Ax}}
m1v0=m1vAxm2m1m2vAxm_1 v_0 = m_1 v_{Ax} - m_2 \frac{m_1}{m_2}v_{Ax}
vAx=v0/2v_{Ax}= v_{0}/2

3. 最終的な答え

* 台車Aと台車Bの問題
* (1) 右向きに 0.60 m/s
* (2) 右向きに 0.20 m/s
* 爆発による物体の分裂
* 大きさ: 等しい
* 向き: 反対
* 運動量
* vB=2vAv_B = \sqrt{2} v_A
* V=22+66vAV = \frac{2\sqrt{2}+\sqrt{6}}{6}v_A
* 力学的エネルギーの増加: 12mAvA2+12mBvB212MV2\frac{1}{2} m_A v_A^2 + \frac{1}{2} m_B v_B^2 - \frac{1}{2} M V^2
* 平面内での2球の衝突
* 運動量保存則
* vBy=m1m2vAxv_{By} = -\frac{m_1}{m_2} v_{Ax}
* vAx=v0/2v_{Ax}= v_{0}/2

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